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宙(そら)日記

デモクラティックスクール宙(そら)、神戸サドベリーでスタッフをしていたターボウの個人ブログ

後悔

2008-08-31 23:17:23 | 学び


まだ具体的には書く気になれないことです。


わたしがデモクラティックスクールをまだ理解していないなぁと思わされることです。


簡単に言えば、あるメンバーがミーティングでみんなに約束したことをまだ実行しないうちに、わたしが勝手にそれをしてしまった、ということがありました。掃除のような面倒なことです。


わたしは、多少、「やっていいかな?」と思ったし、他のメンバーたちにも「どうする?」と聞いたりもしました。


でも結局、「まぁ、いいかぁ」と言ってやってしまいました。


その後、当のメンバーに「後でやるつもりだったのに」と責められてしまいました。


その子が自分でするといったのだから、わたしは最後までその子に任すべきだったのでしょう。


そうすれば、自分で言ったことを自分で守ることをその子はできたのに。


そんな経験をする機会をスタッフである自分が奪ってしまったのかと思うと、後悔もします。

もっと深くで

2008-08-31 15:57:22 | 学び
デモクラティックスクールでは授業はありません。つまり(子ども自身が望まないかぎりは)子どもに勉強を教えることはありません。


多くの大人はそこで心配します。そんなところに通っている子どもは字が読めなくなるんじゃないの?!、と。


では、そういう人は、こう言えば安心なさるでしょうか?


たとえば、宙(そら)に通っている子どもたちの中には、ハリー・ポッターを全巻読み通した人もいる(付け加えれば、彼の感想は「ハリー・ポッターは結局つまらなかった」である)、と。




大人の人が上記のような心配をするのは、仕方がないと言えます。私たちの社会が「学校に行かなければ字も読めないし計算もできないし人の心を想像することもできない」という想いをもっているのですから。


私自身もずっと学校の中で生きてきた人間なので、その恐怖は理解できるつもりです。


デモクラティックスクールに来ても子供は字は読めますよ、と社会に対して言う必要があるとしても、しかし同時にこうも言いたいのです。


「そんなものじゃないんです」


と。




字が読めるとか計算ができるとか、そんな次元の話じゃないんです、デモクラティックスクールにいるということは、と。


もっと子どもたちの奥深いところで、これまでの人々が経験していないような新しいものを生み出している。


わたしはそう感じています。



>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
    都会のサドベリー・スクール
    デモクラティックスクール 宙(そら)

 〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
 Tel/Fax 0798-70-0777
 公式HP


日本におけるデモクラティックスクールの「これまで」と「いま」を紹介した『自分を生きる学校』(せせらぎ出版)好評発売中

まなぶ

2008-08-22 00:58:43 | 学び


みなさんは、7歳になるまで、小学校に上がるまで、字を覚えませんでしたか?まったく字を読めませんでしたか?



わたしは今でもよく思い出します。小学校に入る前、ひらがなやカタカナを自分からすすんで学ぼうとしたことを。


それは、周りの目に入るものを見て、自然に吸収していったのです。


同じ齢の親戚の子と文字読み競争もよくしました。


わたしはカタカナを読んでいたけど、彼は漢字もよく読めたっけ。


わたしやその彼は字の読み方を、親に聞いたのでしょうか?他の誰かに聞いたのでしょうか?


思い出せません。


とにかく言えることは、私も親戚の子も、机に座らなくても、教科書を開かなくても、プリントを与えられなくても、ひらがなもカタカナも漢字も読めるようになっていたということです。



だから、わかります。誰かに強制的に机に座らされ、授業を受けさせられ、教えられ、宿題を出されなくとも、私たちは文字を読めるようになることを。



私たちは、分からない文字を強制的に覚えさせられなくても、自分からその意味を調べ、覚えていくものなのです。


もちろん、これは文字に限った話ではありません。



>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
    デモクラティックスクール 宙(そら)

 〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
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変化

2008-08-18 01:28:24 | 学び
お盆休みも17日までという方も多いと思います。


宙(そら)は21日(木)から始動します。


でも、気分的にはもう夏休みも終わりという感じですね。


昨日になって急に涼しくなってきました。


クーラーのない宙(そら)も、きっと涼しくなっていることでしょう。


庭には、春に植えた花が咲き始めるかもしれません。


子どもたちは、変わっているでしょうか。




子どもたちを見ていると、毎日同じ活動をしているように見えて、微妙に変化していると感じることがあります。


やるゲームも変わっていきます。


それ以外にも、関心の向く方向が変わっていっているように思うことがあります。


同じことに熱中している姿もいいけれど、することが変わっていっている姿を見るのも、おもしろい。


変化。


それはとてもいいことですよね。



したくないことだけをしていると、人は変化するのが難しいのではないでしょうか。


したくないことをしていると、自由な時間は、憂さ晴らしのための時間になってしまいます。


憂さ晴らしの時間と熱中の時間。


自由に見えても、ふたつの間には大きな違いがあるのではないでしょうか。


熱中するということは、やはり特別なのではないでしょうか。



>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
    デモクラティックスクール 宙(そら)

 〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
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ゲームとは

2008-07-30 11:32:56 | 学び


宙(そら)のメンバーたちはみんなゲームがだいすきです。


ずっと、というわけではありませんが、よくゲームをしています。


そのメンバーがWiiについてこんなことを言ったそうです。


「どうしてゲームで体感しなきゃならないんだ?」



その話を同僚のスタッフから聞いたとき、おもわず頷いてしまいました。



ゲームはゲームなのであって、現実とは違います。


野球をしたいのなら実際にみんなと野球をすればいい。


釣りをしたいのなら、実際に海や川に行けばいい。


ヨガをしたければただヨガをすればいい。


ただそれだけのこと。ですよね。



私自身はゲームはしないのですが、でも「なるほど!」と膝を打ってしまいました。

doing nothing

2008-07-08 14:25:17 | 学び


大げさな言い方ですが、私たちが人生を進めるとき、どこかで立ち止まるときが必要なように思います。


立ち止まって、考えて進む方向が分かるものなのかは、人によって違うでしょう。


考えてどうにかなることなんてわずかですから。


人はむしろ、何もしていないようでも、その人の中で“何か”が動いていて、あるいは“何か”が起こっていて、その人を次のステップに(知らず知らずのうちに)連れて行っている、そういう考えの方が私は好きです。


三年寝太郎というお話がありますね。寝太郎はずっと寝ていましたが、ただ寝ていたのではなく、彼の中では“何か”が起こっていて、寝た後に何かをするように彼を向かわせていたのではないでしょうか。


やはり私たちには、何もしない時というものも、必要なのでしょう。


今の社会では、小学校に入るやいなや、何もしないということが子供には許されなくなります。


つねに外部から何かをしているように強制され、それを上手くできない子は「できない子」というレッテルを貼られます。三年寝太郎が今の小学校・中学校を過ごすことは不可能です。


しかし、私たちには本当は必要なのです。

何もしないという時間、退屈だという時間が。


これまで何かをしていて、次に新しいことを始めるには、空白の時間が必要なのです。


その空白の時間も、人によって長かったり短かったりするでしょう。


長い方がいいのか短い方がいいのか、それも一概に言うことはできません。


デモクラティックスクールの子供たちを見ていると、あることに熱中しているときもあれば、退屈しているように見えるときもあります。


もし退屈しているのなら、彼らにとってとても重要な時間を過ごしているのだと思います。

学ぶとき

2008-06-20 13:44:47 | 学び
今日は、わらび座という劇団の角田紀子さんが宙(そら)に遊びに来てくださいました。


わらび座とは、日本の伝統芸能とミュージカルを合わせた舞台をしていて、日本で三番目に大きな劇団だそうです。


今度そのわらび座が、手塚治虫原作の『火の鳥 鳳凰編』(7月5日、6日 兵庫県立芸術文化センター)を舞台で演じるそうです。


角田さんはこれまでにフリースクールなどにも訪問されていて、既存の学校に行っていない子供にもたくさん舞台を見に来て欲しいそうです。


お話で面白かったのが、角田さん自身は、小学校や中学校で漢字を習っていて、

「漢字は私には必要ない!」

と決めて、先生にもそう宣言されたそうです。

他にも、句読点や改行やなど、作文の細々とした決まりごとを習うのを拒否されたそうです。


その後学校を卒業された角田さんは、子どものときに観て感動した舞台をしていたわらび座に入られたそうです。

そうすると仕事上どうしても文章を書かなければならなくなるそうですが、どうしても文章に間違いが多く、そこから言葉を学ばれているようです。

角田さんは

「子供のころに漢字をべんきょうしておくべきだった」

という意味のことを言ったのですが、


その話を聞いていた代表の倉谷(ぐら)は、

「それは、べつに子供のころに漢字を勉強しておくべきだったということではなく、今必要なのだから、今すればいいことなんじゃないでしょうか」

と言いました。


これは、デモクラティックスクールの基本的な考えのひとつです。


つまり、人はそのとき必要なことを学ぶとき、それをもっとも吸収することができる、という考えです。


通常の学校ではカリキュラムが決められ、4年生に習う漢字、5年生に習う漢字、と決められています。


漢字だけではなく、すべて学ぶ内容を学校で決められています。


デモクラティックスクールは、自分で学ぶことを自分で決める学校です。


以前、NHKで放送されていたサドベリー・バレー・スクールを扱った番組で、卒業生がインタビューに答えていました。


その女性は、サドベリー・バレー・スクールから大学に行き、そこで数学を学んだのですが、彼女が数学を学んだのはそのとき初めて(!)だったのです。

最初は彼女も戸惑ったそうですが、すぐにサドベリーで学んだことが生きると悟ったそうです。

つまり、そのとき必要なことを、最初からひとつひとつ学んでいけばよいということです。

デモクラティックスクールでは、誰もがそうやって学んでいくのです。

例えばゲームの説明書を見てみてください。

たくさんの漢字がありますよね。

ゲームひとつするのにも、漢字を学ばないとできないのです。


あるいはインターネット。これはもう、文字を知らなくては話になりません。


普通の学校で学ばないと、わたしたちは子どもは何も学ばないと思ってしまいます。


でも、デモクラティックスクールにいると、そんなことはありえないとわかります。

プロジェクト

2008-06-18 13:24:32 | 学び
今日は雨。


じゃない。


でももうすぐ雨が降りそう。


明日は間違いなく雨が降るそう。



宙(そら)では「プロジェクト」というものがあります。


「プロジェクト」とは、メンバーである子どもたちが、自分の行う活動のこと。


今までも言ってきたように、宙(そら)では、他人に迷惑をかけたり、日本の法律を破ったりしない限りは、メンバーは何でもすることができます。したいことをすることで人はそこから学ぶことができるからです。


そのしたいことのなかで、どうしてもお金が必要になるものがでてきますね。


そういうときに、その「したいこと」を宙(そら)に“プロジェクト”として認めてもらうよう申請します。

そしてミーティングで他のメンバー・スタッフから認めてもらうと、その活動を「正式に」認めてもらえ、活動に関わる経費も学校から出してもらえるようになります。

学校がお金を出すのですから、なんでもかんでも簡単にプロジェクトと認めてもらえるわけではありません。

まずプロジェクトを始めるに当たっては、企画書を書かなければなりません。この企画書を元に、申請者はミーティングでその活動をプロジェクトとして認めてもらえるように他のメンバーに説明しなければなりません。

一度プロジェクトとして認めてもらえても、お金が関わる以上、会計報告をミーティングでしなければなりませんし、活動をしていることも報告しなければなりません。

それは、単にお金の問題ではなく、“プロジェクト”として、学校の正式な活動として行っている以上、メンバーに報告する必要があるのです。

会計に問題があるとペナルティを課されますし、それが続けばプロジェクト停止になることもあります。

一度“プロジェクト”として通しておきながら、その活動をしないことも問題になります。

こんな面倒な手続きがいるわけです。

つまり、それだけ「やる!」という決意がないと、“プロジェクト”を申請することはできないのです。


これはとてもいい制度だと思う。

宙(そら)ではやりたいことをできる。

そのなかで、そのやりたいことを“プロジェクト”として認めてもらおうとすることは、そのやりたいことにコミットするということだからです。

どんな内容のことであれ、何かを「やる」と決めること、それ自体がその子に何かをもたらすのだと思います。



で、何を言おうとしていたかと言うと、今宙(そら)で認められているプロジェクトのうちの一つが野球で、フリースクールと野球するために毎週木曜日に大阪に行っているのだけど、今年の4月から木曜は雨ばかりで、明日も雨になりそうなのですよ