今日は、わらび座という劇団の角田紀子さんが
宙(そら)に遊びに来てくださいました。
わらび座とは、日本の伝統芸能とミュージカルを合わせた舞台をしていて、日本で三番目に大きな劇団だそうです。
今度そのわらび座が、手塚治虫原作の
『火の鳥 鳳凰編』(7月5日、6日 兵庫県立芸術文化センター)を舞台で演じるそうです。
角田さんはこれまでにフリースクールなどにも訪問されていて、既存の学校に行っていない子供にもたくさん舞台を見に来て欲しいそうです。
お話で面白かったのが、角田さん自身は、小学校や中学校で漢字を習っていて、
「漢字は私には必要ない!」
と決めて、先生にもそう宣言されたそうです。
他にも、句読点や改行やなど、作文の細々とした決まりごとを習うのを拒否されたそうです。
その後学校を卒業された角田さんは、子どものときに観て感動した舞台をしていたわらび座に入られたそうです。
そうすると仕事上どうしても文章を書かなければならなくなるそうですが、どうしても文章に間違いが多く、そこから言葉を学ばれているようです。
角田さんは
「子供のころに漢字をべんきょうしておくべきだった」
という意味のことを言ったのですが、
その話を聞いていた代表の倉谷(ぐら)は、
「それは、べつに子供のころに漢字を勉強しておくべきだったということではなく、今必要なのだから、今すればいいことなんじゃないでしょうか」
と言いました。
これは、デモクラティックスクールの基本的な考えのひとつです。
つまり、人はそのとき必要なことを学ぶとき、それをもっとも吸収することができる、という考えです。
通常の学校ではカリキュラムが決められ、4年生に習う漢字、5年生に習う漢字、と決められています。
漢字だけではなく、すべて学ぶ内容を学校で決められています。
デモクラティックスクールは、自分で学ぶことを自分で決める学校です。
以前、NHKで放送されていたサドベリー・バレー・スクールを扱った番組で、卒業生がインタビューに答えていました。
その女性は、サドベリー・バレー・スクールから大学に行き、そこで数学を学んだのですが、彼女が数学を学んだのはそのとき初めて(!)だったのです。
最初は彼女も戸惑ったそうですが、すぐにサドベリーで学んだことが生きると悟ったそうです。
つまり、そのとき必要なことを、最初からひとつひとつ学んでいけばよいということです。
デモクラティックスクールでは、誰もがそうやって学んでいくのです。
例えばゲームの説明書を見てみてください。
たくさんの漢字がありますよね。
ゲームひとつするのにも、漢字を学ばないとできないのです。
あるいはインターネット。これはもう、文字を知らなくては話になりません。
普通の学校で学ばないと、わたしたちは子どもは何も学ばないと思ってしまいます。
でも、デモクラティックスクールにいると、そんなことはありえないとわかります。