ぐうたらピアノ生活

2008年9月~独学でピアノを再開(ブランク30年) 2010年9月~Lesson開始

安楽死

2009-12-10 06:05:38 | ぼやき
筋弛緩剤が話題になっているようで・・・・(困)
お医者様は時々こう言った困った使い方をしてくださることがある。
どう考えたっていきなり窒息したら苦しいじゃん・・・。
せめて麻酔と一緒に使ってくれたら・・・とか、きちんと回復見込みなしをデータにしてからやってくれたらとか思うが、ただでさえ医療不信が広がっているのだから、できればあまり話題に上るようなことはして欲しくないものだと同業者としては切に思う。
仕事がやりにくくて仕方ない・・・。

終末期医療や安楽死についてはモラルもだが、一般的には異端的な分野であって、それだけに実際の現場でも教育施設でも積極的に教えられることはほとんどない。
西洋医学において安楽死は”逃げ”や”諦め”であり戦いを放棄することであって、そんなことは許すべからずという風潮が少なからずあるからだ。

1人の人間の最期をメイキングするとかコーディネイトするといった発想は医療において基本的なものではない。
医療は科学技術であって常に前進に向かっていなければならないものであるし、宗教的発想のない多くの日本人は最終的に縋るものがないからだ。

それでも人間の尊厳とか対象者の意思とかを重視すべきだと考える人もいて、そんな中でペインコントロールや安楽死といった分野もそれなりに発達してきたのだが、問題はこういったことをきちんと学んでいないにも関わらず安易にあるいは偽善的にやってしまう者がいることだ。
それ故に”回復の見込みが認められず、本人の意思確認が明確で・・・・・”などといった条件づけがあえてされているわけだが、実際には判断に必要な情報の重要な部分は隠匿されて、充分に与えられることはないし、本人の意思確認などできる状況にあることはごくごく稀。
そもそも、判断できるレベルにあっても”あなたにはもう助かる手立てが残されていません”といわれて尊厳死を選択するにはそれ相応の準備とサポートが必要であって、実際の現場では対応が難しい。


まあ、私自身は延命を諦めることで逆に得られるものがあると思っているので、個人的には安楽死もホスピス的アプローチも肯定する立場ではあるが、それでもあまり安易に考えて実践して欲しくないものだとせつせつと思うのだ。