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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

売上を集計する(入金時の処理)

2020-07-30 16:00:00 | 経理業務(帳簿の作成)
売上の集計に関して、どちらかといえば発生には注意をしているけれども、入金の処理がおろそかになっていることが多いです。

◆入金処理をしなければ売掛金は増える一方

売上の発生の処理をすれば「売上」と「売掛金」が同時に増えます。売上は収益ですので発生するに従って累積していきます。一方、売掛金は発生により増加し、入金によって減少します。

売掛金が増える一方なんてありえません。もし、それが本当であれば、売ったけれども代金が一切回収されていないということです。売掛金は増加も減少もするのです。そして、一定時点の売掛金の金額は、販売したけれども代金を回収していない部分の合計額となるのです。

◆入金処理をしなければ現金や預金残高が合わない

入金処理をしていないということは現金や預金の処理もしていないということです。そうであれば、現金や預金は減る一方です(売上代金の入金以外に現金や預金が増える要素がないとして)。

会計ソフト(簿記)では事象を2面から捉えます。「売上と売掛金」「売掛金と現金あるいは預金」といった具合です。片方の処理をしていないということは、もう片方の処理もできていないということです(会計ソフトでは片方の処理だけは受け付けません)。

◆入金時に費用が発生する場合も

入金処理がおろそかになる理由のひとつとして、「売上の計算さえ正しければ」と認識をしていることがあります。確かにそのとおりかもしれません。しかし、入金時に費用が発生することがあり、その費用の金額が決して少なくない場合もあります。

「当方負担の振込手数料」「クレジット手数料」「代引手数料」などです。これらは、入金処理の際に「差し引かれて入金された」という処理をしなければ費用とはなりません。

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★あるべき状態(売上と売掛金)

特定の月で売上と売掛金は次のような状態になります。

売上→その月に販売(発生)した分の合計金額

売掛金→その月の月末時点に販売したけれども代金を回収していない分の合計額(前月以前販売分が含まれることもある)

★売掛金のない業種

販売と同時に代金をもらう小売店や飲食店などでは売掛金は生じません。売上と同時に現金が増加します。「売上→売掛金→現金」ではなく「売上→現金」です。

★入金の処理しかしていない

入金処理しかしていない、つまり売上の発生の処理をしていない場合には売掛金はマイナスになります。当然ですが、売上はゼロです。

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