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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

預り金勘定(会計処理の鬼門?)

2016-04-27 17:00:00 | 勘定科目と仕訳
預り金勘定は様々な取引で使用しますが、その筆頭は役員報酬や給料を支払った際に徴収する(天引きする)源泉所得税です。役員報酬や給料を支払わない会社はありませんので、預り金勘定はどんな小さい会社の会計処理(仕訳)においても生じます。預り金勘定は、会社が資金を預かったときに増加します。預かった資金ですので、いずれは返さなければならず「負債」という扱いになります。負債ですので、増加すれば「貸方」、減少すれば「借方」に仕訳します。

預り金勘定は最終的にはゼロになります。預かった額を返さなければならないからです。預り金勘定が生じる多くの(ほとんどの)場合において、「預かる相手」と「返す(支払う)相手」は異なります。例えば、源泉所得税は給料を支払う従業員から預かりますが、支払うのは税務署です。ですから、支払いを受ける側はその間違いに気が付かないのです。預かった額を知らないからです。このような場合、預り金勘定がゼロにはなりません。ゼロにならない場合には、直ちに原因を解明してしかるべき処理をしなければなりません。

預かった額が多すぎる場合には、預かった相手に返金しなければなりません。返す額が少なかった場合には追加で返さなければなりません。預り金勘定がマイナスになる場合もあります。預かった額よりも返した額が多い場合です。返した相手に返金してもらわなければなりません。返した額は正しいけれども、預かった額が少ない場合もマイナスになります。預かる相手から追加でもらわなければなりません。

◆預り金勘定のリスク
預り金勘定が増え続けているということは、返さなければならないのに返していないということです。負債が増えているのです。この原因が仕訳処理の誤りであったとしても、銀行などの第三者はあくまでも負債が増え続けていると捉えます。誤解されないよう注意しなければなりません。

◆源泉所得税を滞納している場合
源泉所得税を滞納している場合、税務署は預り金勘定の残高をもって「滞納額」としてくる場合があります。預り金勘定の額が滞納額よりも多い場合には余分な納税をさせられるということです。