【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

茂木健一郎さんの申告漏れ(「後で申告します」は通用しない!)

2009-11-22 20:00:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
脳科学者でテレビ番組や講演会で人気を博している茂木健一郎さんが所得の申告漏れで世間を騒がしています。報道されている範囲の情報では悪質な所得隠し【注1】ではないようですが悪い事であるのは確かです。

■後から(申告期限後に)申告をします!

このような考え方は税務申告においてはペナルティ(加算税と延滞税)の対象となります。なぜならば、期限内に申告し税金を納めないということは、国庫に対して入金が遅れるという損害を与えたのですから納税者はそれを補填しなければならないからです。また、期限内に税金を納めた納税者との公平性を保つ意味でもペナルティは必要です。

■期限内に不正確な申告をするよりも・・・

どちらかといえば真面目な人(探究心のある人)の中にこのような考えをする人がいますが、この考えもよくありません。税務申告は与えられた期限内に最善を尽くして申告に必要な資料をそろえ税額を計算しなければなりません。これは、どの納税者も同じなのです。正確な申告をしたいのであれば早い段階から資料収集や記録をしておくことです。

税務申告が与えられた期限内での作業ゆえにミスをゼロにすることは大変難しいです。しかし、そのような場合にも申告期限後にミスが見つかった場合にはそれを修正しなければなりません。要するに修正申告をして不足する税金を納めなければならないのです。ただし、不足する税金の額や修正をする動機【注2】などによってはペナルティが軽くなります(ペナルティがない場合もあります)。

【注1】茂木さんが申告をしていなかった所得の多くは執筆料や講演料などで、これらは支払いをした者から税務署に報告される仕組みになっており隠すことはできません。

【注2】修正申告は税務調査(税務署の指摘)の結果として行うことが通常ですが、税務調査によらず自ら修正申告する場合にはペナルティがなくなる場合もあります。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

★茂木さんはどうすればよいのでしょうか?

はっきりいって「大失態」をさらしたといえます。致命的なイメージダウンです。「酒井法子」と同じです。

「あの茂木さん(天才)が、こんなこと(税務申告は期限内にしなければならない)も知らなかったのか?」

そう感じた人も多いと思います。

「追放!」は行き過ぎでしょうが、世間への謝罪と一定の範囲や期間は活動を自粛(制限)すべきでしょうね・・・

★税務署員や税理士は怒っている!

今回の茂木さんのような出来事があると、「あんな人達(例えば茂木さん)でもまともに申告していないのだから・・・」と考える人が決まって出てきます。税務署員や税理士は仕事がしにくくなります。

当然、怒ります!

営業妨害ですよ!