【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

経理担当者が辞めた(働き方改革)

2019-07-29 10:30:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
社員が退職すると体制が変わり混乱が起きます。この混乱が頻繁に起きると社員は疲弊し、やがてそれが会社に多大な損害を与えてしまいます。

経理担当者が辞めていく原因としては次が考えられます。

◆仕事がきつい(給料も安い)

これは他の職種でも同じです。誰しも身体的、精神的な限界を超えた仕事はできません。また、給料が安ければ頑張る気がしません。

◆経営者の経理業務に対する理解がない

「経理なんてパソコンがあれば簡単にできる」「収益を生まない」「適当にしておいてくれ」などの発言を平気でする経営者がいます。これでは経理担当者のモチベーションが高まるはずがありません。また、経営者の無理解からくる経理関係資料(領収書や預金通帳など)の不足は経理担当者を想像以上に苦しめ、退職する決定的な要因となります。

◆脱税や粉飾決算を経理担当者に強いる

脱税や粉飾決算ができることを経理担当者の能力として求める経営者がいます。「何かいい方法はないか?」「そんなこともできないのか!」「ごまかせ!」「証拠を残すな!」「俺の言うとおりにしろ!」といって、とんでもない処理を強要することがあります。

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「働き方改革」ということがいわれますが、中小零細企業の場合には働き方を改革するための「値上げ」や「昇給」などそう簡単にはできません。今時、締め付けや威圧による合理化と効率化など許されません。業務を客観的に見直した結果としての合理化と効率化をしなければなりません。

★まずは経理業務の内容を分析する

社員は正当な内容と分量の業務を与えられてはじめてその能力を発揮します。経理業務の内容を「請求」「支払い」「給与計算」「現金・預金の管理」「試算表・決算書の作成」「税務申告と納税」といった具合に分析し、それぞれの業務に要する「時間」と「人員数」を明確にしなければなりません。

★経理業務は治外法権(?)

経理業務は会社法や税法など法律の影響を強く受けますので、業務によっては「経営者の独創性」が一切入り込む余地がない部分もあります。その最たるものが決算と税務申告で、法律で定められた方法しか認められず法律の規定に従うしかありません。

★外部専門業者(公認会計士や税理士)の情報提供と調整役機能も必要

経理関連ソフト(財務会計、販売管理、給与計算)が普及している昨今は、外部専門業者(公認会計士や税理士)に依頼せず自社ですべての経理業務を行っている会社もあります。そのような会社の中には、経営者の独断と経理担当者のスキル不足から法令違反を起こして重いペナルティを受けていることがあります。経理業務に関しては、外部専門業者の情報(ノウハウ)提供、調整役としての機能(経営者と経理担当者の橋渡し)が必要です。

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布施 直春
PHP研究所