【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

銀行員の数が減っている(企業はどうすべきか?)

2019-09-05 10:00:00 | 会計、税金、経営、その他の話題
銀行員の数が減少していることがネットや新聞・雑誌で頻繁に取り上げられ、世間一般にもすっかり知れ渡るようになってきました。

「〇〇さんの息子さんが、△△銀行を辞めたそうだ」

ひと昔前(ふた昔前でしょうか?)であれば、「もったいない!」「銀行なら給料も高いし潰れる心配もないのに」という声が聞かれました。

「低金利だし」「投信の販売も頭打ち」「振込みはネット」「引出しはコンビニ」「支払いは電子マネーかQR」「AIの普及で大部分の業務は機械化される」、惜しむ声がほとんど聞かれません。

★銀行はもっと変わるべき

ほとんどの企業は10~20年前と様変わりしています。取り扱っている商品やサービス、そして人も「総入替え」になった企業がほとんどであるとっても過言ではありません。これができなかった企業は消えています。

銀行は全然変わっていません。「貸してください!」を待ち、「甘い汁」を見つけると近づき、そして「危なくなったら逃げる」というスタンスは昔ながらです。投資信託や保険の販売は片手間のようにしか思えません。しかし、持ち前の要領の良さと政治力で手中に収めた消費者ローンとクレジットカードの収益性は高いようです。

「お金を使わせる」のが銀行の役目です。銀行は、「お金を借りて、それを使えば幸せになれる」ことをもっとアピールしなければなりません。自社商品のすばらしさをアピールするのはどの企業でもしていることです。

銀行は変わらなければなりません!銀行は本来の仕事をしていません。本来の仕事をしているのであれば銀行員が減ることはありません。

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それはともあれ、企業もこの現象には対応していかなければなりません。

〇店舗数の減少
取引している支店が閉鎖されて遠方の店舗に統合される可能性があります。そうなれば、ネット取引が必須となります。ネットが使いない会社は預金での取引さえできなくなります。

〇行員とのコンタクトが減少
行員とのコンタクトが減少すれば、入ってくる情報量も減少します。今後は、銀行側のお膳立てはもうないのですから、自ら広く金融関連の情報を入手しなければなりません。そうしておかないと、気がつけば「口座が解約」されていたということもありえます。それは、いつの間にかお気に入りのネットサービスが終了していたというのと同じです。

〇AIによる融資審査
今まで以上に審査はクールになります。「大変申し訳ありませんが・・・」の電話さえなくなり、パソコンの画面に審査結果が表示され、それで「おしまい」です。「どうして貸してくれないんだ!」と、文句をいう術さえありません。

銀行を哀れむ、その凋落ぶりを嘲り笑うといった余裕などありません。企業はもっと大変です。

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浪川 攻
PHP研究所