♪アメ~バピグ!
という矢口真里などが出演するCMが一時期さんざん流れておりました。
いわゆる仮想コミュニティという街の中で、自分の分身で遊んじゃおうという宣伝です。
そんな宣伝に感化されはしなかったのですが、先月からこのgooブログにも「ニコッとタウン」というコミュニティの宣伝が掲載されるようになり、ちょっと試しに片足を突っ込んじゃいました。
まずは自分の分身であるアバターを設定します(このブログの左側にも貼り付いています)。このアバターが仮想空間でのアタシとなって、ゲームをしたり、買い物をしたり、ガーデニングをしたり、釣りをしたり、街で見知らぬアバターと会話をしたりするのです。
もちろんそれぞれのアバターにはお家もあるので、お家を訪問したり、お家の中でおしゃべりをしたりも出来ます。
仮想世界なので、もちろん現実を隠しても構いませんので、プロフィールの全てが非公開のアバターもいれば、トコロドコロ公開しているアバターもいます。
アタシは別に隠すことも無いので公開してますが、アバターの名前は本名ではないので、公開することで個人情報が流出するなんてことはありません。
基本的に登録は無料です。前述したゲームや買い物やガーデニングなどは、仮想空間での通貨"コイン"を使います。コインは1日1回ログインするともらえる上、ブログ(このブログではなくコミュニティでのブログ)を書いたり、ガーデニングで育った植物や釣りで釣った魚を販売したりしても増えていきます。
自分の分身であるアバターを格好良く見せるために、派手で格好いい衣装をベテランアバターは纏っているのですが、それは有償コイン(実際にお金を払って買うコイン)でないと買えません。
運営側はこういった有償コインの収入や広告収入で利益を得ています。
さてさて、概略はこの辺までにして…。
結構、学生のアバター(…それも中学生や小学生といった低学年のアバター)が多いのですが、それはアバターの顔に"若い"とか"老けた"という区別がないので、話をして初めて年齢がわかります。
そんな中学生と話をすると、最近の中学生は自室にネット環境の整ったパソコンがあるのは珍しくないらしいです。おそらく携帯電話を持っている率と同じくらい。もちろん自室以外にパソコンがあってそれを使う子もたくさんいます。
では中学生がパソコンを何に使うのかというと"勉強"なのだそうです。アタシのようなオッサンからしたら驚愕の実態です。
パソコンで勉強をする…もちろんパソコンの勉強ではなく、国語や数学といった勉強です。
昔、アタシもちょっとだけやった記憶のある赤ペン先生が添削してくれる「進研ゼミ」。課題を終えて郵送すると、赤ペン先生が回答や解説を赤ペンで書き込んで返送してくれるというアレです。
アレも今や郵送ではなく、ネットでやり取りをするんだそうな。まったく味気ない。アレは"その先生の個性的な筆跡に味わいがあったのに…"なんて哀愁の押しつけは現代ではウザったいのかもしれません。
そして、仮想空間のタウンという名の街中で判ったことは、会話(チャット)を楽しんでいるアバターはとても少ないということ(たまに長話をしているアバターの話を聞いていると、マジ友が現実の話をしていたりするくらい)。アタシは現実を隠した仮の姿で、ウソの話で盛り上がったり、現実には話をできない愚痴や悩みをこぼしたりしているのかと思っていました。
でも"年齢も性別も住まいも判らない人とはそんな話はしたくない"ようです。同じ趣味や悩みを話したいなら、そういうコミュニティですればいいだけですものね。
ということで、その街を行き交うアバターとは本当の街と同じようにすれ違うだけのことが多いです。しても挨拶くらい。
じゃあ、みんなその仮想空間で何を楽しんでいるのかといえば、「アバターを、自分の家や庭を飾って自慢したい」のでしょう。「仮想空間の自分だけでも素敵でいたい」といったところでしょうか。
その証拠に、半分以上のアバターは有償コインでしか買えない服を着て、アクセサリーを身に付け、カラーコンタクトを付けたり化粧をしたりしている。
部屋には有償コインでしか買えない家具を置き、庭には有償コインでしか買えない植物を植え、有償コインでしか飼えないペットを飼っている。
自分の分身・アバターにお金を費やして、仮想空間の中だけでも特別であることで優越感に浸り、満足している。
結局は多くの趣味が自己満足であるのと同じように、仮想コミュニティも趣味のひとつであり、自己満足の世界のようです。
ただ、画面上のアバターを変身させて満足するというのは現実逃避のようでちょっと寂しいです。特に学生のうちから仮想空間にハマっている子も多いという現実を知ると、もっとパソコンの世界の外(現実社会)でいろいろな経験を重ねて欲しいと思ってしまうのです。
でも、仮想空間の中でアタシのアバターはそんなお説教を出来るはずもなく、どこに住んでいるのか判らない中学生と他愛ない話をまた繰り返しています。
(おしまい)
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