と、いうわけで決まった横浜旅行。
『明日(土曜)の朝は早く起きるんだよ』と念を押していたにも関わらず、肝心の「ひいちゃん」は大の字で爆睡していて一向に起きる気配が無い。2歳10ヶ月の子供に、しかも眠っている子供に時間の感覚があるはずも無いのは百も承知なので、そのうち起きるだろうと放っておいて、パパは着々と出発の準備を進めた。「ひいちゃん」のりんご柄のちっちゃなリュックにおやつを詰めて、パパの荷物におむつをいれて…と。
家を出るのは7時。集合場所には7時25分までには行かなくてはならない。団体行動に遅刻は許されないのだ。
6時48分。シビレを切らして寝たまま娘のパジャマを着替えさせる。ようやく娘も気がついた。
『「ひいちゃん」今日はアンパンマンのお家に行くんだよ~』
と、無理やり服を着せて、急いで朝ごはんを食べさせる。
パパの慌てぶりをよそに、ゆっくり、ゆっくりマイペースで食べる「ひいちゃん」はきっと将来大物になるに違いない。
蓄膿症の薬を飲ませて、昼の分の薬を持って……。さあ、出かけようとした時、スタスタと洗面所に行ってしまった。
『どうしたの?』
『ハミガキ』
おい、おい。普段は促さないと磨かないのに、今日に限って自分から磨くとは…。まだ半分眠っているのか? きっと将来超大物になるよ、絶対。
という騒動の末、7時5分に家を出て何とか間に合った。
7時半にバスは出発し、10時半に横浜赤レンガ倉庫前に辿り着く。
私と「ひいちゃん」の目的地アンパンマンミュージアムまでは、路線バス。
ネットで調べて、パパなりにアンパンマンミュージアムの攻略法は練っておいた。写真館での記念写真とお土産の購入は混む前、着いたらすぐに済ませてしまい、コインロッカーに荷物を預けて展示物を鑑賞して、ショーの時間に合わせて並んで……。
あ、アンパンマンが見えてきた! メロンパンナも、ドキンちゃんも……。
あぁ~っ! 「ひいちゃ~ん!」
喜びのあまり駆け出す「ひいちゃん」。
パパの攻略法通りにはいかないのでありました。(つづく)
理由として、アンパンマンの作者のやなせたかしさんがなくなられたとかでアンパンマンの人気が落ち込んでいることと、アンパンマンのアニメで「顔がぬれて力が」というシーンを高速バスについてはかつて磐越自動車道や北陸自動車道で事故に巻き込まれ、その後廃車になってしまった宮城交通の高速バスの車両を連想させて不吉・不適切なことと、京急沿線にはアンパンマンがきらいでセーラームーンやプリキュア、相鉄沿線にはアンパンマンがきらいでセーラームーンが好きな人が多いためです。