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大阪府知事選・橋下圧勝は相手が弱すぎたから

2008年01月28日 | 国 政

 知事になるのが目的の人
 期待は失望へと変わるだろう

TBSテレビは午後8時1分過ぎに橋下徹氏に当確を打った。投票箱を締め切ったと同時といっていい。出口調査の結果が圧倒的に橋下有利だったということだろう。

”子どもの笑顔”をスローガンにしたところなどは頼りないが、それでも勝てたのは相手候補が弱すぎたということだろう。子どもをネタにするのはある種の逃げだ。難しいことがわからないので誰にでもわかり、否定しようがない子どもをダシにしたようなものだ。作戦としてはレベルが低い。

実質的競争相手はこのふたりだったがパッとしない。
元大阪大大学院教授、熊谷貞俊氏(63)民主、社民、国民新党推薦
弁護士、梅田章二氏(57)共産推薦

演説に迫力はないし、無党派層から見れば魅力がない。橋下氏相手なのだからもうちょっとマシな人はいなかったのだろうか。こういう人を擁立する民主党のセンスを疑う。

小沢一郎民主党代表は、大事な国会採決を放り投げてまで応援にいったのだが、そんなことをしたら逆効果だと思わなかったところが痛い。大阪での応援演説には田中康夫も一緒のニュース映像が流れていたが、ここに田中康夫がいることにも違和感が漂う。
いまや有名人が政治に乗り出すのは珍しいことではない。有権者のほうも慣れているのでチェックが厳しくなっている。人寄せ効果は期待できるだろうが、それだけではだめなことに気づくべきだ。

自民、公明両党は党本部は橋下氏への推薦・支持を見送り、地方レベルは推薦、支持というねじれ支持だった。これは一見ややこしいが作戦的にはいいものだった。地方選挙で、中央の支持はあんまりありがたくない。実際動くのは地方の組織だ。


橋下氏は「大阪を全部変える」といって当選したものの、変えることはできないだろう。それはスローガンであって橋下氏の本心とは思えない。橋下氏の望みは政治家になることであり、たまたまタイミング的に大阪府知事選があり立候補し、当選したにすぎない。そもそも直前まで2万パーセント出ないとまで言っていた。

当選してしまったので彼の望みは達成された。あとは大過なく過ごすことが最重要課題となる。大阪府議会与党と関係良好なのがここで生きてくる。しかし、それは橋下新知事にとってはプラスだろうが、彼に投票した無党派有権者にとっては必ずしも好ましいことではない。期待は遠からず失望へと変わるだろう。

私は有名人が知事になった場合の悲惨なケースを長野県の田中県政で取材してよく知っている。
有名人は有名人なので、なにごとも自分主導でやりたがる。これがいけない。行政は組織で運営されている。個人の力量ではいかんともしがたい。橋下新知事は大阪府庁の官僚をうまく使いこなせないだろう。

地方行政は地味で複雑な問題が絡み合っている。38歳の橋下氏にそれができるとは到底思えない。というか、彼にはそんな地道なことをやる気はないだろう。議会与党というありがたい応援団もついている。面倒くさくなれば彼らに丸投げするのが賢い方法だ。みたところそんなにアホではないようだ。彼なら賢い選択をするに違いない。問題は、いかにしてあからさまにならないようにするかだけだ。そういう場合の言い訳はうまそうだ。

 

戦々恐々、大阪府庁 財政に難題山積 橋下氏当選(朝日新聞) - goo ニュース