3月15日の大人教室とコラムです。
今日は3人でした。
第14回 順位戦9勝1敗で昇級出来ず
(棋士の肩書、段位きは当時のもの)
1990年度の順位戦は初戦に屋敷伸之五段に負けたもののその後2連勝し、次が佐藤康光五段でまたも強敵です。
ただ中原誠名人に勝った後も公式戦2連勝で気分良く戦えました。
相矢倉の難解な将棋でしたが、うまく指すことができました。
これで佐藤さんには公式戦2勝上げました。
強い若手ではこの時期、森内俊之さんにも2勝上げています。
結局2人とは2勝6敗、2勝8敗と負け越していますが、当時の私は気を吐いていました。
順位戦は次の井上慶太五段に勝つと、そのまま連勝を続け、8勝1敗で最終局を迎えました。
前期も前々期も6勝4敗で勝ち越しでしたので、順位は9位とまずまずです。
普通は最後を勝てば9勝1敗で昇級ですが、上位に8勝1敗の方がいましたので、わからない状況です。
上位の2人は森下卓六段、神谷広志六段と実力者です。
私の最終局は室岡克彦五段とです。
室岡先生は研究の深い方で、C級1組に昇級した年の順位戦で負かされています。
私が先手で横歩取り△3三角型に進み、駒組みが長い将棋になりました。
じっくりした展開は私好みで、銀冠に組み替えて飛車を6筋に転戦して戦いました。
2筋を逆襲されましたが、玉の堅さを生かしてうまく勝つことができました。
これで9勝1敗となりましたが、上位の2人も勝たれたので昇級ならずでした。
今までの順位戦では9勝1敗で上がれなかったことはなかったようですので、運がなかったです。
このとき以降は9勝1敗で昇級できないケースは増えました。
自分としては9勝1敗を取れたことが誇らしく、充実した気持ちでしたが日が経つにつれて残念だった気持ちも増えてきました。
なおこの年は全体的にも調子が良く、公式戦は30勝16敗でした。
勝率としては1986年度のC級1組に昇級した年が26勝13敗で最も勝率が高いですが、勝ち数ではこの年の1990年度が最高でした。