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『停電の夜に』

2007-02-01 23:59:00 | 読書

2007 No.3 1/13-1/16

作者:ジュンパ・ラヒリ(新潮文庫)

評価・・・★★★☆ 3.5

アメリカで活躍するインド系の作家による短編集。
ピューリッツァー賞を受賞した作品です。


すべての作品に在米インド人(インド系アメリカ人?)かインドに住むインド人が登場します。
作品中にインドの風習がよく出てくるので、ちょっとインドが身近に感じられるようになりました。



表題作の『停電の夜に』は、登場人物をインド系以外の人に置き換えても通用するような作品でした。
初めての子を死産で失うという悲しい体験がきっかけとなり、溝が生じた若い夫婦。
ある日、5日連続でアパートが夜間1時間停電することに。
そこで停電の間、二人はそれぞれ相手に黙っていたことを打ち明けあうというちょっとした遊びみたいなことを始めます。
日を追うごとに二人の関係が少しずつ変化します。
そして、最後に二人が用意した打ち明け話とは・・・
なんだか切ない作品でした。



逆に、登場人物がインド人であるのを活かしていたのが『三度目で最後の大陸』
イギリスの大学で学んだ後、就職のためアメリカへ渡ったインド人の男と、下宿先の家主である高齢の白人女性の交流が描かれてます。
特に大事件が起こるわけではないんですが、ちょっとしたことで二人の間にささやかな信頼と尊敬の感情が生まれます。
読後、なんだか心があたたまった作品でした。


アメリカで活躍するインド系の有名人って、私はシャマラン監督とドラマ『ER救急救命室』でニーラを演じたパーミンダ・ナーグラほどしか思いつかなかったのですが、この小説を読んでいるとき、そんなにアメリカではインド系の人がいるのかと驚きました。
でもすでに、大勢のインド系の人々が世界中で活躍しているみたいです。
先日NHKの番組を見て知ったのですが、あのNASAにはインド系の技術者や職員が多数いるとか。
そしてインドの国自体もすごく注目されているそうです。世界的に有名なIT企業が多数インドに進出し、インドの優秀な人材を集めて研究開発を進めているとも放送されていました。
文化面でも、経済面でも、その他の面でも、今後ますますインドが注目を浴びることになりそうですね。



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