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中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

宮津沖の釣り

2012-05-12 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■宮津発の釣り■

 近頃続いている「沖釣り行脚」では、舞鶴市近辺を母港とする船を利用していたが、諸事情があって今回は宮津市を母港とする船を利用することになった。とは言っても両市は隣同士であり、向かうポイントも、主に冠島周辺と経ヶ岬沖なので全く同じだ。その上、自宅から港までの陸路と、港からポイントまで到達時間もほとんど同じだから、差は全くない。

 今回利用した釣り船は宮津漁協横から出航する「栄航丸(えいこうまる)」さんだ。
http://www.eikoumaru.com/index.html
 この船も、以前にお伝えしたブンブン丸さんと同様に、乗合船での募集の際は少人数制となっており、4人までしか乗せないので、ボクのような「フカセ派」にとってはありがたい船の一つだ。ちなみに、潮下方向に長距離を流すフカセ釣りは、5人以上では仕掛けが絡んでしまうので、全員がこの釣りをするのなら、定員は4人が限界だ。

 栄航丸さんでは、乗合船内の席順を決める際には”じゃんけん”を用いる。以前にも書いたように、くじ運と並んでじゃんけん運も最悪なボクだが、この日は何と奇跡の一位通過を果たしたのだ。しかし、当日の参加人員は3人。これでは席順に優劣がほとんどつかない状況なので、順位はあまり意味がない。
 「こんな状況でしか勝てないのも悪さの表れなのかも知れない」と思いつつ、準備がを済ませ、出航時間を迎えた。


■冠島周辺■

 凪の海を順調に走り、冠島の大島と小島の中間にある天然魚礁=中津神に到着する。もちろん、少人数なのでボクはフカセ釣りを選択した。
 訪問時の、この近辺での釣果傾向は、ハマチよりも更に小型の40cm以下のブリの幼魚であるツバスがほとんど入れ食い状況だと聞いていた。 

●中津神周辺のポイント●

 本人の性格にもよるが、初心者や普段からあまり釣りをしない人は、手軽に釣れる魚を喜ぶ傾向にある。しかし、ボクの場合は釣り歴は30年を超えているから、少しの刺激では、もう満足することはない。だから、小さな魚の数釣りはあまり嬉しいモノではなく、たとえ一匹しか釣れなくても、仕掛けを切られることにハラハラしながらの攻防や、苦労した末にやっと食わせた魚のように「印象に残る魚との出会い」の方が嬉しい。ただし、乗合船の場合は他のお客さんが居るので、我が儘を通せないのは仕方のないことだが…。

 そして、実際に釣りが始まると、近況通りにツバス・クラスが初っぱなから入れ食いになった。

●大はギリギリでハマチ、小はツバス●

 約1時間、全員に土産が揃ったところ(ボクは6本)で、船長から「このまま釣り続けてもしょうがないから、もう少し魚の大きそうなところへ移動しましょうか?」との提案があった。もちろんボクは即了承したが、幸い同船の釣り人もこの船に通い慣れた人らしく、この提案に賛同し、次なるポイントへ向かうことになった。


■天秤ズボ■

 次なるポイントは水深95~100mラインにある、2カ所の人工漁礁だった。内1カ所は恐らく3月初旬にバラシをやらかしたポイントだと思われ、気合いが入ったが、意に反して全く潮が動いておらず、天秤ズボで狙うが、エサも取られぬ不発のまま、数投で退散する。
 もう1カ所に移動後は少しの間、アジが釣れていたが、これもすぐにアタリが途絶えてしまった。
 どうしようもない状況下、船長から「嬉しいお告げ」があった。何と、今から白石グリへと向かうと言うのだ。僚船からの情報ではあまり芳しくない状況ではあったが、「玉砕覚悟で向かおうか?」との提案だ。普通、よほどのことがない限り、冠島近辺から白石グリへの移動はないが、昨今の燃料費高騰の中で、釣り人の意向を汲んで移動を決意した船長には感謝!感謝!である。


■白石グリで新たな試み■

 白石グリに着くとウマく僚船の横に潜り込むことができた。そこからフカセ釣りで攻め始める。時刻は午後3時半になっていた。
 一投目、仕掛けにはウキやオモリを着けない標準の状態で流してみると、船尾右斜め45度方向に一旦入った後、ある程度の水深までに仕掛けが到達すると、逆に右折れして船首方向左斜め45度方向へと向かう「二枚潮」の状況だった。
 釣りやダイビングをしない人にはイメージし辛いかも知れないが、海中は水深によって何層かに分かれていて、その各層で水温や流れの速さ、方向が違うことも多い。そして「イイ魚=本命魚」が食うのは大体において中~下層が多く、上層で食ってくることは少ない。
 だから、「如何にしてその流れに仕掛けを入れるのか」が重要になってくる。今までボクの場合は、エサ取りが少ない状況下であれば、仕掛けにオモリを追加して、早くその流れに入れてしまうことが多かった。しかし、前々からこの方法だと、船尾から直接上撒きするマキエサの沈んでいく位置と、オモリで強制的に沈める仕掛けの位置とのズレが大きくなると思っていたので、更に工夫が必要だと感じていた。
 そこで、今回はどこかで読み、聞きかじった違う方法を試すことにした。つまりそれは、最初に手たぐりで30m分の糸をリールから引き出し、まずは無抵抗の糸の重みで仕掛けを沈める。そしてリールのクラッチを入れて糸を送り出さないようにしておき、水中で弛みを伴って沈んだ糸が潮流によってピンと張るのを待つ。仕掛けが十分に張ったら、クラッチを切り、そこからフリーで流し始める方法だ。ただし、このままだと水中での糸フケが次第に増えるだろうから、水深の2倍=この日のポイントだと130m流した時点で、もう一度リールのクラッチを入れて一旦停止し、約20秒のカウント後に再び流し始めるという、二段構えで臨んだ。
 この流し方であれば、糸フケの少ない状態で仕掛けが流れ、しかもスロープ状(=これも理屈だが)に沈んでゆくマキエサの通り道の中をハリにエサの着いた仕掛けが進んでゆくというイメージになる。
 とある磯釣り名人が、「『海中で魚がハリに着いたエサを食う』とは甲子園球場にバラ撒かれたパチンコ玉を魚レベルのIQの範囲内で探すようなモノ」と言っていたが、釣果を伸ばすのは、そこから人間の知恵で如何に確率を上げてゆくかにかかっているのだ。
 勿論、今回のようなボクの現場での試みは、あくまでも「机上の理屈」の範囲ではあるが、こういった想像と実践はステップ・アップには欠かせない要素なのだ。

 そして、調整を繰り返しながら、流すこと3回目。130mで一旦リールの回転を止めた後、程なく竿先をひったくってゆくようなアタリがボクの竿を襲った。
 途中で、何度か竿を絞り込んだと思えば休憩をしたり、竿先をコンコン叩くような引きを示すのはマダイのそれであり、大きさから言うと、中型のようだ。
 そして、この日初めてのマトモな引きを味わった後、予想通りのサイズが玉網に収まった。

●62cmのマダイ●


 続いて上述したのと同じ方法でメジロをゲットする。

●70cmのメジロ●

 フカセ釣りは一旦仕掛けの調整が合うと潮が変わるまで釣果が連続するのだが、この日もその後は好調に、それも一投ごとに空くじ無しに釣れ続いていく。

●メジロをダブルでゲット●


■状況変化■

 しばらく後、続いていた釣果が突然止まり、ハリに着いたエサがそのままの状態で帰ってくるようになった。その際の仕掛けの流れ具合を振り返ると、中~低層に入ってからリールの回転が速まっていた。このことから底部の潮流が早くなったと想像し、仕掛けが沈んだ後、一旦張りを作った後は仕掛けを止めることなく流してみることにした。
 そして、この調整が功を奏したのか、アタリが復活して最後の一投でもメジロのダブルで締めくくることになった。

●正味、二時間半の全釣果(前半のツバス&ハマチは同船者へ進呈)●


 釣り始めからの5時間は、ツバスくんには悪いけれどもロクな魚が無く、冷や汗モノの釣果だったが、白石グリに移ってからの後半は一転して連発となり、アドレナリンが出まくりの状況だった。こんな展開を釣りをしない人が知ると、「博打と変わらないかも?」と思うだろう。しかし、博打で当たる確率は、いつまで経っても確率の範囲内であり、本人の努力は及ばない。しかし、釣りは知識や経験、そして努力によっては「食わない魚に口を使わせること」が可能になることもある。
 「だから釣りはやめられない」のだ。しかし、そこのところがボクのつたない文章で伝わっているのか、その辺は疑問なのだが…。

 とにもかくにも、この日は上機嫌で釣りを終えたのであった。


■船頭さんとの相性■

 以前にも書いたことだが、デンと構えて動かない人、マメに動く人等々、船頭さんにも色々あるが、ボクの場合は自身の性格上、よく動く人の方が相性が良い。今回の栄航丸さんも、そんな船頭さんの一人だった。少人数制の乗合船は嬉しい計らいであり、ボクにとって栄航丸さんは今後もお世話になりたい船の一つになった。次の訪問が待ち遠しい宮津沖釣行だった。
 しかし、「先立つものが…。」



追伸

 この時期のメジロはやや脂が落ちてあっさりとしているが、ゴールデン・ウイーク中に塩釜焼きに挑戦したところ、その味が絶品だと言うことが判明する。これも楽しみの一つに加わった。
コメント
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