■思えば色々と…■
今まで合計すると約30年にもなるボクの釣り人生を振り返ると、様々な釣りに出逢ってきた。一般的にはボクのように淡水~海水、岸~沖まで何種類もの釣りをする人はそう多い方ではなく、自分の波長に合った釣りに限定する人の方が多いように思う。
ボクはこと趣味に関しては「猪突猛進タイプ」であり、一度興味を持ち凝り始めると、とことん掘り進めることが多く、釣り場での実践と共に知識欲が満たされるまで突き進んでしまう性格だ。しかし、ある時点で自分の限界を感じると、「他に面白い釣りはないものか?」と思い始め、適当な物が見つかるとそれに乗り換えてしまう「移り気」な部分もある。であるから、今までに様々な釣りに取り組んできたワケだ。
そうやって釣りの経験を積んでいるうちに、様々なところで様々な釣り人に出逢ったが、中でも印象に残っているのは、やはり「変な人たち」だ。
「釣り天狗」という言葉で表現されるように、釣り人は自慢話をしがちだが、数ある大物を釣った自慢話の中には「尾ひれ」が付いて誇大化してものが混じっていることには、釣りの経験が長くなれば何となく気付くようになってしまう。
一人で釣行する機会はいくらでもあるから、釣りの世界では証人が居ないことも多く、たとえ大物の写真を撮ったところで誤魔化そうと思えば方法はいくらでもあるし、写しであるはずの魚拓であっても上手下手で大きさが変わってしまうから、記録方法自体にあやふやなところがある。例えばスポーツの世界であれば、対戦相手がいたり、チームメイトがいたりで証人がいるから、自身の腕前(技術)や実績に関して嘘がつけないのとは対照的だ。
そして大物自体がそれほどの腕前が無くても「運」で釣れてしまうこともあるから厄介だ。ボク自身も、最高記録の魚よりも、その下のサイズの魚の方がパワーがあって取り込みに手こずった経験があるし、「ただただ重い」と感じていただけの手応えだから、雑に扱った結果に上がってきたのが大物だった経験もある。こんな魚をお世話になった釣りクラブの会長は「明日死ぬ魚」と呼んでいたが、感覚的には同意できるところがある魚が居ることは事実だ。こういった魚は差詰め他のスポーツ=サッカーで言えば、「蹴り損なったボールがたまたま敵に当たってオウンゴールになった」といった感じだろうか?。
大物に関する自慢話が誇大化したり、運で釣れた魚を自慢するくらいであれば、それこそ「かわいいもの」だが、中にはつい苦笑したくなるような困った人達もいる。今回はそんな人々の話の中で、釣具店で見掛けた人達を…。
■一流しか買わない男■
今から5~6年前の話。大阪府内のとある釣具店の船竿コーナーに、メガネを掛け、作曲家のキダタロー氏風のモミアゲを生やした、年の頃なら50代半ばの男が立っていた。ナニヤラ船竿を物色中の様子で、1本の竿を手に取り、パッケージ越しに見ているようであった。そしてその男が、近くに居た店員を呼び止め、標準語調の口調でこう問い合わせた。~以下、ボクの( )部分は僕の心のツッコミ。~
店員 「ハイ何でしょうか?」
男 「この竿は何処のメーカーの竿?」
ボク (「パッケージに書いてあるやろう!」)
店員 「D社(3大メーカーの一つ)です。」
男 「ほ~うD社か…。」
「ぼか~ね~(ボクはね~)、時計ならロレックス、
電化製品ならナショナルみたいに、一流しか興味がないんだよね。」
ボク (「それって、いつの時代の一流感覚なの?
しかも、着ているヨレヨレのコートも一流には見えないんだけど…。」)
店員 「へ~そうなんですか~?」
男 「ところでD社って、一流のメーカーだよね?」
店員 「そうですが…。」
男 「だったらコレ頂こうかな?」
店員 「レジの方へどうぞ。」
そしてその男はグレードとしては決して一流ではない、特価コーナーにあった¥8800の竿を掴んでレジへと向かって行った…。
■二番目を買う男■
コレはつい先日の話。60台のある男が妻らしき人物を伴い、イカダ竿のコーナーで数本をパッケージから取り出して、曲げたり伸ばしたりをしながら、店員を捕まえてあれこれと話していた。
男 「11月に○○(日本海の某所)で、52cmの年無し
(50cmオーバーのチヌ=クロダイ)を釣ってねぇ。」
店員 「ほ~う、年無しですか。」
ボク (「そんなの真剣に釣ってたら、そのうちに釣れてくるサイズやけど…?」)
男 「その時に感じたんやけど、今持っている竿では不満があってねぇ…。」
店員 「それやったらコレなんかどうでしょうか?」
男は店員が差し出したジッとパッケージに入った竿を見つめていたが、
どうやら値段の方に目が行った様子…。
男 「ボクはねぇ、何でも二番目を買うねん。」
「最初から一番高い物を買うと、
それが気に入らなかったら次に買う物が無くなるやろ。」
「だいたいボクはベンツでも一番高いヤツは買わんと、二番目を買うんや。」
「その感覚解るやろ…。」
店員 「………。」
こんな調子で大声で話す男にアホらしくなってボクは店を出たが、「もしや」と思って店外の駐車場を見渡してみた。そこには二番目のグレードであるEクラスを始め、メルセデス・ベンツ社の車は一台もなく、外車すら一台もなかった…。
以降、ネタ切れの機会に続く…。
今まで合計すると約30年にもなるボクの釣り人生を振り返ると、様々な釣りに出逢ってきた。一般的にはボクのように淡水~海水、岸~沖まで何種類もの釣りをする人はそう多い方ではなく、自分の波長に合った釣りに限定する人の方が多いように思う。
ボクはこと趣味に関しては「猪突猛進タイプ」であり、一度興味を持ち凝り始めると、とことん掘り進めることが多く、釣り場での実践と共に知識欲が満たされるまで突き進んでしまう性格だ。しかし、ある時点で自分の限界を感じると、「他に面白い釣りはないものか?」と思い始め、適当な物が見つかるとそれに乗り換えてしまう「移り気」な部分もある。であるから、今までに様々な釣りに取り組んできたワケだ。
そうやって釣りの経験を積んでいるうちに、様々なところで様々な釣り人に出逢ったが、中でも印象に残っているのは、やはり「変な人たち」だ。
「釣り天狗」という言葉で表現されるように、釣り人は自慢話をしがちだが、数ある大物を釣った自慢話の中には「尾ひれ」が付いて誇大化してものが混じっていることには、釣りの経験が長くなれば何となく気付くようになってしまう。
一人で釣行する機会はいくらでもあるから、釣りの世界では証人が居ないことも多く、たとえ大物の写真を撮ったところで誤魔化そうと思えば方法はいくらでもあるし、写しであるはずの魚拓であっても上手下手で大きさが変わってしまうから、記録方法自体にあやふやなところがある。例えばスポーツの世界であれば、対戦相手がいたり、チームメイトがいたりで証人がいるから、自身の腕前(技術)や実績に関して嘘がつけないのとは対照的だ。
そして大物自体がそれほどの腕前が無くても「運」で釣れてしまうこともあるから厄介だ。ボク自身も、最高記録の魚よりも、その下のサイズの魚の方がパワーがあって取り込みに手こずった経験があるし、「ただただ重い」と感じていただけの手応えだから、雑に扱った結果に上がってきたのが大物だった経験もある。こんな魚をお世話になった釣りクラブの会長は「明日死ぬ魚」と呼んでいたが、感覚的には同意できるところがある魚が居ることは事実だ。こういった魚は差詰め他のスポーツ=サッカーで言えば、「蹴り損なったボールがたまたま敵に当たってオウンゴールになった」といった感じだろうか?。
大物に関する自慢話が誇大化したり、運で釣れた魚を自慢するくらいであれば、それこそ「かわいいもの」だが、中にはつい苦笑したくなるような困った人達もいる。今回はそんな人々の話の中で、釣具店で見掛けた人達を…。
■一流しか買わない男■
今から5~6年前の話。大阪府内のとある釣具店の船竿コーナーに、メガネを掛け、作曲家のキダタロー氏風のモミアゲを生やした、年の頃なら50代半ばの男が立っていた。ナニヤラ船竿を物色中の様子で、1本の竿を手に取り、パッケージ越しに見ているようであった。そしてその男が、近くに居た店員を呼び止め、標準語調の口調でこう問い合わせた。~以下、ボクの( )部分は僕の心のツッコミ。~
店員 「ハイ何でしょうか?」
男 「この竿は何処のメーカーの竿?」
ボク (「パッケージに書いてあるやろう!」)
店員 「D社(3大メーカーの一つ)です。」
男 「ほ~うD社か…。」
「ぼか~ね~(ボクはね~)、時計ならロレックス、
電化製品ならナショナルみたいに、一流しか興味がないんだよね。」
ボク (「それって、いつの時代の一流感覚なの?
しかも、着ているヨレヨレのコートも一流には見えないんだけど…。」)
店員 「へ~そうなんですか~?」
男 「ところでD社って、一流のメーカーだよね?」
店員 「そうですが…。」
男 「だったらコレ頂こうかな?」
店員 「レジの方へどうぞ。」
そしてその男はグレードとしては決して一流ではない、特価コーナーにあった¥8800の竿を掴んでレジへと向かって行った…。
■二番目を買う男■
コレはつい先日の話。60台のある男が妻らしき人物を伴い、イカダ竿のコーナーで数本をパッケージから取り出して、曲げたり伸ばしたりをしながら、店員を捕まえてあれこれと話していた。
男 「11月に○○(日本海の某所)で、52cmの年無し
(50cmオーバーのチヌ=クロダイ)を釣ってねぇ。」
店員 「ほ~う、年無しですか。」
ボク (「そんなの真剣に釣ってたら、そのうちに釣れてくるサイズやけど…?」)
男 「その時に感じたんやけど、今持っている竿では不満があってねぇ…。」
店員 「それやったらコレなんかどうでしょうか?」
男は店員が差し出したジッとパッケージに入った竿を見つめていたが、
どうやら値段の方に目が行った様子…。
男 「ボクはねぇ、何でも二番目を買うねん。」
「最初から一番高い物を買うと、
それが気に入らなかったら次に買う物が無くなるやろ。」
「だいたいボクはベンツでも一番高いヤツは買わんと、二番目を買うんや。」
「その感覚解るやろ…。」
店員 「………。」
こんな調子で大声で話す男にアホらしくなってボクは店を出たが、「もしや」と思って店外の駐車場を見渡してみた。そこには二番目のグレードであるEクラスを始め、メルセデス・ベンツ社の車は一台もなく、外車すら一台もなかった…。
以降、ネタ切れの機会に続く…。