鑑三翁に学ぶ[死への準備教育]

内村鑑三翁の妻や娘の喪失体験に基づく「生と死の思想」の深化を「死への準備教育」の一環として探究してみたい。

[Ⅳ231] 日本人とか日本社会とか(11) / 偽善/忖度/不法に満ちた日本の司法

2023-04-10 09:13:09 | 生涯教育

※プーチンロシア軍がウクライナへの侵略を始めてから1年が経過した。未だにプーチンロシア軍の侵略と暴虐が続いている。プーチン大統領は侵略当初にはウクライナ全土の占領は72時間で完了すると見ていたらしい。が、悪魔の奸計は失敗した。ウクライナゼレンスキー大統領及び政権幹部、何よりもウクライナ国民はプーチンロシアの侵略に反抗し抵抗を続けている。ウクライナの多くの女性や子ども、老者たちは隣国ポーランド等に避難したが街に残っている者も数多いる。女性兵士を含めたウクライナ兵士たちの士気は高い。プーチンロシア軍兵士の士気は低く未熟なためロシア兵の犠牲者は極端に多い。国連加盟国の大半はウクライナを支持している。EU及び米国等は多くの戦車や武器供与、支援物資の提供をウクライナに続けている。これに対しプーチンロシアは日々数百以上のフェイク情報を流し、傭兵部隊に囚人を大量に加え狂気の暴虐部隊として軍隊の先陣に配置した。ウクライナの主要都市例えばブチャでは人間の所業とは信じられないほどの暴虐行為によって数多の市民が惨殺された。その映像の悲惨は正視できないほどのものだ。ロシア正教会キリル大主教は侵略1年後のプロパガンダ映像で、プーチンロシア軍の侵略戦争の正当性と正義をローマ法王に訴えるなど、非道さをむき出しにして恥じていない。(写真はTV映像から)

「聖書」は(ユダヤ人の)律法(家)について様々な箇所で記しているが、次のような言説は二千年前も今も変わらない「真実」であると私は考えている。

「彼ら(律法学者など)は…広場であいさつされることや、人々から先生と呼ばれることを好んでいる。」「偽善な律法学者、パリサイ人たちよ。あなたがたは、わざわいである。‥外側は人に正しく見えるが、内側は偽善と不法とでいっぱいである。」「偽善な律法学者、パリサイ人たちよ、あなたがたは、わざわいである。あなたがたは、天国を閉ざして人々をはいらせない。自分もはいらないし、はいろうとする人をはいらせもしない。」「法の中でもっと重要な、公平とあわれみと忠実を見のがしている。」(いずれも「聖書」マタイによる福音書、23章)

裁判所の腐敗である、裁判官の堕落である、司法権の蹂躙である、国法の濫用である、と内村鑑三翁も書いている。

【「わたしはまた、日の下を見たが、さばきを行う所にも不正があり、公義を行う所にも不正がある。」とある(伝道の書3:16)。裁判所の腐敗である。裁判官の堕落である。司法権の蹂躙である。国法の濫用である。伝道者(注:原文は「コーへレス」ソロモン王は「コヘレト」という異名で呼ばれていたという説がある)はこれを見て憤慨に耐えなかったのである。ゆえにこれらを矯正して正し、国家と社会とをその根底から潔めようとしたのである。しかしながら、この場合においても、他の場合と同様「曲がったものは、まっすぐにすることができない」のであった(同1:15)。裁判所の腐敗は依然として続いた。裁判官(注:原文は「司直」)として責任を負うべき者は、あらゆる言辞を弄して邪な事を邪ではないと弁明した。…伝道者(コーヘレス)は司法官たちの無能に失望して神に頼るに至ったのである。誠実な改革の努力に対しては常にこのような利益が伴うのである。人は社会と政府と教会に失望して神を信ずるに至るのである。】(全集21、p.62、裁判所の腐敗)

“正義の味方”であるはずの国家の司法機関である日本の検察も、今日日人事権を握る政権に忖度し媚び政権の利得のために尽すことが”伝統”となり果てた。”犯罪”を犯した国会議員を庇護して正邪も有耶無耶にした。性犯罪の現行犯として逮捕状の出ていたTBSの記者が、ヨイショ本を通して安倍首相と昵懇であったために警察庁長官が首相の指示で逮捕状を破棄した。政権の邪に迫ろうとする訴求を全て隠蔽している警察庁/検察庁‥何のことはない、政権の傷口をなめるように警察組織と検察組織は働き、指をくわえて論功行賞を待つ組織となり果ててしまった。誰が見たって警察/検察もウソの万華鏡である。

国会議論も空虚にして白け陰陰滅滅の様相、故安倍首相は訴求されるのが恐ろしく国会にも出席できない日々が続いた。それは政権を投げ出した安倍首相の後に謀略通り棚ボタ式に政権をついだ菅政権にも継承された。国会記者会見も予め作られた質問を予め決められたマスコミ企業の記者会記者が読み上げ、これに菅首相が回答書を読み上げるという前代未聞の無残な記者会見儀式が繰り返された。

国は議会制民主主義の柱を失いつつある。何が民主主義だ、何が三権分立だ、そんなもの日本国には既に存在していないではないか。しかしこれら日本国宰相以下の国会議員を”民主主義のルールに則って”選択したのは誰なのか‥結論は結局のところ此処にたどり着く。好き勝手に驕慢に横暴に振る舞う政権の独断と独走を許してきたのは、誰あろう日本の市民国民。

鑑三翁もこれと同質の憂いを絶望感とともに随所で吐露している。日本人は電気ウナギのようなもので、一度放電すればあとは何事もなかったかのように日々を暮らす、と。 .


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