野球繋がりとイラク繋がり

祈るような思いといえば、二連敗で臨んだ六年前の日本シリーズ第三戦の先発も上原だった（福岡Ｄは８割方FDHファンでしたが、G党と険悪になることはなかったですね）なと試合前に思った次第ですが、総じて日韓戦は投手戦の醍醐味が感じられる内容だったかと。投手の状態がいい時はそう簡単に打ち崩せるものではないですからね・・・・
韓国は日本に二連勝、台湾は中国に大勝でそれなりに溜飲を下げたことかと思います（「韓国には勝ちたかったが、日本はアジアの代表として是非優勝して欲しい」と親交のある台湾の男子大学生がメールをくれました） が、日本・韓国・台湾の三カ国は交流試合等の機会を今後も持ったらどうでしょうね。政治的には色々微妙な部分も孕んでいる三カ国ですが、スポーツ・文化・芸術等での交流を深めることはそれなりに意義があることではなかろうかと思います。昨秋見学に赴いた西日本華道展では、台湾や韓国からの作品も出品されていましたが、前者は明るい色使いが如何にも南方らしく、後者はざっくりした感じの生け方が個性的でした。先日ロンドン交響楽団を率いて来日した指揮者のチョン・ミョンフン氏（このコンビは10年前の来日公演同様今回も大当たりだった。指揮者にハングルでサインねだっていたオバハンがいたのには驚きましたが）も、97年に日本、韓国、中国、フィリピン、タイ、ベトナム人による臨時編成オーケストラの指導がきっかけで、東京フィルの顧問に就任したと述べていましたが、中日の手ごわいストッパーだった韓国人のソン・ドンヨル氏や台湾人の郭源治氏らも、日本の球界にいたことで相互理解を深めたのではないでしょうか。（懐かしいですね）
私自身昨秋のブッシュ大統領の京都での講演内容を見て、この三カ国は本来であれば色々結束を固めねばならないのだよなぁと思った次第ですが、日米台韓とカリブ海沿岸諸国の野球繋がりの縁は今後も大事に育んでいければとも思います。韓国とは将来的に巨人ファンvs阪神ファンのような国同士の関係になれればしめたものかもしれませんね。

一方、WBCと同じく初開催の日米豪戦略対話（日経）は、イラク繋がりの＜メリケンとトホホな仲間たち＞といった感もありますが、ブッシュ政権の新たなドクトリンでは、中国に「ステークホルダー」としての積極的な役割を期待する一方、その担保としての布石を打つことも明言しています。今回の会談はそのラインに沿うものであり、太平洋の南端の戦略的拠点が豪州で、その北端の〝日本全土〟が＜不安定の弧＞の最前線基地であるという位置付けになるわけです。台湾、尖閣、そして第二列島線突破を目論む中国の海洋戦略を鑑みると、〝草原の中の一軒屋〟のような豪州の存在も俄然クローズアップされてきます。
米軍再編に関しては、事実上昨年10月末の「２プラス２」が最終合意であり、後は日本側がそれに沿って動いていくだけという段階に過ぎません。（今さら新たな「２プラス２」の開催や住民投票といったタイムスケジュールではない）この辺の政府の説明責任（記事）は以前から不満に思っていましたが、同盟国として米軍の世界戦略の一環に協力する必要性を国民に明確に示す以外にないように思います。負担の削減一つにしても、米軍と自衛隊の統合運用による実効性の強化というのがその本質であり、「護憲派」という名の念仏平和主義者や「大アジア主義」の亡霊に取り付かれた偏狭なナショナリストが泣こうが喚こうが、大勢に於いてこの流れは変わらないでしょう。
もっとも、海兵隊の移転費用の７５％を日本側が負担せよというのはちょっと法外な気がしますね。米軍に防衛をアウトソーサーしてきたこれまでの歴史を顧ると、ラムズフェルド長官が言う「日本は今のシステムで多大な利益を得ている」というのはその通りかとも思いますが、百億ドル（約一兆千七百五十億円）の７５％って八千八百億円也。九州新幹線の博多～新八代の総事業費七千九百億円より一千億近くも高い！（イマイチ意味不明な比較ですが）
野中元官房長官の鶴の一声で朝銀に突っ込んだ金が約一兆、根拠不明な中国の化学兵器処理施設関連はそれを凌駕する額・・・・日本は＜世界のＡＴＭ＞ではないのですから、中国と合衆国の件はもう一度リセットしてよく精査すべきでしょう。（朝銀からもとっとと回収しましょう）

野球はともかく、この辺は明らかに日本の「一人負け」状態ですなぁ・・・・