昨年末の立法院選挙の結果を受け、全国紙各紙が一斉に馬英九【反日】警報を掲げたのは一つの識見でしたが、その後江丙坤KMT副主席を初めとする訪日団が慌ててやってきたのは実におかしかったですね。それ以来KMTは日本から向けられる冷たい視線が何気に気になっているようで、むじな@台湾よろず批評ブログ様(超特選ブログ)でも最近の「自由時報紙」の興味深い報道が紹介されています。(同氏によると、昨年のKMT訪日団と面会した岡田・前民主党党首が、台湾側の招聘に応じてKMT・DPPを訪問するようです)【反日】馬主席は「党主席の立場で」訪米の途上にありますが、ワシントンのナショナル・プレスクラブでの講演や政府関係者(本当にゼーリック国務副長官と会談するのやら)との協議が予定されているようですが、それに先立って産経新聞に訪日の以降を明らかにしたようです。
◆台湾・国民党 馬主席、訪日に意欲 7月下旬示唆 「共通利益で友好」(産経)
「年内には(訪日を)実現したい」「七月下旬に都内で講演を行う可能性」「環境が整えば小泉純一郎首相との会見にも臨みたい」・・・・落ち目の野党の党首が日本の首相に面会を希望とは随分デカくでたものですが、その昔タレントの田原俊彦が「俺はビッグだぜ!」と大口叩いて顰蹙買った事件を期せずして思い出しました。(彼は何してんですかねぇ・・・・)
個人的には【親日】李登輝前総統よりも、【反日】馬主席が何を話すかの方が興味津々です。(李登輝前総統も勿論大歓迎ですが、氏の場合日本人シンパ好みに〝味付け〟した講演内容という展開が読める点は意外性に乏しい)
産経新聞との会見で【反日】馬主席は、「主席就任前の昨年三月の訪日では、石原慎太郎都知事や中田宏横浜市長と交友を深めたことを披露。日本の高い社会モラルなどを称賛し、馬主席を「反日的」とみる日本側の懸念の払拭(ふっしょく)に努めた」とのことのようですが、訪日の意向表明そのものも含め、KMTの知日派からの要請によるところが大きいようですね。KMTも李登輝政権時代は言うに及ばず、単純な〝日華関係〟という点では、蒋政権時代の方が「外面だけは」よかったでしょうし・・・・
むじな@台湾よろず批評所様は、DPPに政権交代して以降、先細る一方のKMTと日本とのパイプ(腐れ縁)についても指摘されていましたが、昨年亡くなったKMT元老の辜振甫氏がかつて仕切っていた「三三会」(財界交流)何かも、もはやKMT独裁政権時代の遺物と化しているのかもしれません。
ポスト冷戦後の今日は、かつてのような<反共イデオロギーに基づく共闘>という時代とは様相が異なる(64年に訪台した吉田茂元首相が蒋介石総統に語った「中共が支配する大陸は日本に害を及ぼしている」という内容こそ変わりませんが・・・・)わけで、【反日】馬主席が言うところの「共通利益」というのが何を指しているのかが大変興味深いところではあります。ただ、安全保障面や漁業交渉といった点以外で両国が協力すべき分野の多く(記事)は、DPPがこれまで実践し、志向している路線との親和性が遙かに高いのは間違いないでしょう。(自身、労働・社会保障分野が一応専門だけに余計にそう思うのでしょうが)
例えば、少数民族(原住民)の権利・意識の向上を推進してきた陳政権と対照的に、【反日】馬主席は<中華民族ナショナリズム>を公言して憚らないようですが、そういう言動一つを取っても、「台湾には原住民も2%程いるかもしれないが、それ以外は全員中華民族だ」と言い放った江沢民とどこが違うのか私には理解できないですね。(仮に【反日】馬主席が「日本と台湾で年金通算協定を!」等と発言したら、私は腰を抜かすでしょう)
李登輝前総統の訪日日程も具体化しつつあるこの時期の意向表明という展開の妙も興味深いところです。第一線を退いた元KMT党首の訪日に強硬に反対して、現役のKMT党首にはお目こぼしというのでは中国も筋が通りませんし、二人まとめて反対ということになると、KMTの対中宥和路線にも疑問符が付くのではないでしょうか。
日本側としては、この願ってもない「対中牽制カード」を上手に活かしたいものです。
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そうなると「釣魚台を死守しよう」原理主義の馬英Q氏は、肩身が狭くなりそうですね。彼の積み重ねてきた反日人生は、今後はどこへ向かうのでせうか?
麻生・安倍・小泉は、これを上手く活用して欲しい。
二階とか嫌がりそうですけどね(苦笑)。
岡田の台湾訪問は、外交部・台北代表部の招請によるものであって国民党ではない。だから今回は民進党も訪問するよん。
それに一説には、岡田は個人的にはそれほど親中反台というほどでもないみたいだけど。
>
私はいずれも反対。
李登輝が東京での講演を制限を加えられ、小泉にも会えるわけないことを考えれば、台湾の一介の野党党首が日本の首相に会うなんてのは、身の程知らずもいいところ。
馬英九はやっぱり立場というものがわかっていない。
安倍や中川昭一あたりと会って、大中華反日についてこっぴどく面罵されるのがいいかと(わら)。
>日本の高い社会モラルなどを称賛し、
だったら、その日本の社会モラルにならって、汚職や選挙違反で自分が応援した県長や議員が逮捕起訴されたことの責任をとってただちに党首と市長を辞任して、政界から引退するのが筋だろう。
こやつは口先だけで美辞麗句を並べれば通用すると思っているアホ。
日本人にはそんなものは通用しないことを、7月の訪日で目にもの見せてやればいい。
>馬主席を「反日的」とみる日本側の懸念の払拭(ふっしょく)に努めた」とのことのようですが、訪日の意向表明そのものも含め、KMTの知日派からの要請によるところが大きいようですね。
>
日本政界やメディアの民進党に対するシンパシーは一朝一夕で作られたわけではない。地道な努力があったわけ。
しかも日本というのは、職人国家だから、そうした地道でひたむきな努力の積み重ねが評価されるところ。
そんな日ごろの努力をまったく怠っておいて、いきなり党首が訪問して意味があるの?
日本社会というものをまったくわかっていないとしか言いようがない。
本当に国民党が対日関係を改善したければ、日頃から、日本語でニュースを出したり、中国を批判したりして、徐々に日本人からの信頼を獲得していかないと駄目。
いきなり党首が出かけて行っても「あんた、誰?」だよ。
日本人って、なかなか相手を信用しないからね。
そうした日本人の習性や日本人との関係構築の仕方が、国民党にはわかっていないとしか言いようがない。まあ、逆効果でしょうし、私からも日本の政界に「馬英九は口先では美辞麗句を並べるだろうが、骨髄まで中国的な反日思想まみれだから、絶対に信用してはならないし、踏み絵を示しながら詰問して面罵するべき。日本は加工貿易立国台湾にとって中間財の主要供給元なんだから、強気で国民党の反日を攻撃するべき」とでも言って回るつもり。
大体、民進党だって、今でこそ日本との関係がいいが、90年代にいきなり台北市長の陳水扁が訪日して、日本から相手にされなかったし、わりと顰蹙買ったことがあるわけ。今の国民党には改善なんて無理だし、先走った発想をしている時点で駄目。
ハーバード大学も出て上品さや格好よさを売り物にしているなら、天皇と会って彼の「品の良さ」の真価を示すべきだろうから。まあ、ますます化けの皮がはがれて見ものだが。
シーファー大使の件は存じませんでした。先日は拉致関係でねぇ・・・・
10年位前はモンデールのアホの「尖閣は日米安保の対象外」というトンデモ発言で大問題になりましたが、報道をみてみるとシーファー氏の真意は「日中の対立激化は望ましくない」といったところでしょう。
閑話休題、馬A級も外遊すりゃハクが付くと思っているのか何なのかは存じませんが、「誰にも微笑みかけるものは、誰の友でもない」という英語の諺がありますし、「八方美人」というのは日本でも好ましい意味には用いませんからね。
今回の訪米でも武器絡みで相当詰められると思いますし、またあちらからネタを提供してくれることを期待したいものです。
李登輝氏の来日の件は、一昨年の前例より受け入れ態勢が後退すればノービザ&自治体交流で盛り上がっている日台関係にヒビどころでは済まない事態になりますので、今の外相が田中真紀子とかでなくてよかったですよね。(汗)
中国から何か言ってきても「日本は(台湾と同様に)民主主義の法治国家であるから、適切に判断する」と言えばいいだけの話で至極簡単ですし、それをしつこく繰り返せばいいと思います。その言葉自体で充分対中牽制になるでしょう。(笑)
そういう皮肉の意味を込めたかったのですが、岡田氏の訪台の事実誤認の件も教えていただいたので、それも含めて修正しておきます。
私としては今回の訪米もそうですが、ボロ出しまくってくれたら面白いなと思った次第です。「身の程知らず」の要求何てどうせ蹴られるのは必至ですからそれでまず恥かいてくれたら面白いなと。(笑)
>こやつは口先だけで美辞麗句を並べれば通用すると思っているアホ。
こういうところが日本とか米国でも有名になることを期待したいものです。
日本人の国民性に関するご指摘はこれまた納得ですね。そもそもKMTと日本との関係といったところで、孫文・蒋介石・李登輝といった個人がクローズアップされていた嫌いがありますし、「で、KMTって?」と改めて政党そのものを
問うと、今日の日本で多少なりとも台湾に関心がある層には悪い印象しかないですものね。
一方、DPPは、「台湾 したたかな隣人」を読んでいて何かそんな感じだったかもと思ったのが、00年の民主的な政権交代時の日本のマスコミの好意的な視線です。総統に就任した陳水扁という人間もさることながら、「台湾人の手による本土政権」という部分が肝要だったのでしょう。
それにしても産経と日経の朝刊にはこのところ連続して馬氏の写真が掲載されていましたが、何か彼心なしかやつれているような。(汗)
前も言ったのですが,台湾が”不隷属”を欲するなら,どうしても「反日」はできなくなってきています(別に侮日しようが,親日しようが日本人の心理的な問題以外は大した問題ではないからいいのですが).特に反中意識が高い今は,下手に「尖閣」を言おうものなら,サヨクメディアにたかられて,岡田の二の舞だよ.
いや,はっきり言って,”暴走”中国と,アメリカも認めるようになってきた”自立した”日本が出てきた今では,「アメリカさえ...」という昔の思考では,北東アジアを語れなくなってきました.良いか悪いかはともかく...
その中でバランサーをやろうっていうのは,無理があります.半島を含めて,この地域の国毎に,陸か海かの二者択一を迫られているのが現状です.
そんな状況の中での”抗日派”の馬の対日政策を聞いてみたい気がありますが,(尖閣を熱く語るなら是非聞いてみたいけど)現段階では,リップサービス程度を喋って終わりでしょう.正直,期待はしていません.(李登輝の”日本論”のほうが興味あり)
よって,突っ込んだ話し合いも無く,大した対中カードにもならないと予想しています.
自分の興味としては,麻生と陳がどう共闘していくかに興味があります.両者とも互いを対中カードとして見ている節がありますので,今後の動きに注目しています.
ご指摘の通り発言自体が単なるパフォーマンスの可能性もありますし、「米中の上海コミュケで台湾地位未定論は消滅した」等と意味不明なことを述べる位ですから、持論の尖閣理論何て推して知るべしといったところだろうと思います。
従って、中身そのものと言うより、来るとか来ないとかで中国が騒いだり、ボロ出したりしてくれたら面白いかなといった程度ですね。(笑)
李登輝さんは確実にやってくるわけで、その機会を上手いこと対中牽制に活かしてもらいたいものです。麻生外相が台湾の教育云々について語った件も「台湾の偉い人から聞いた」というのは李登輝氏のことではないかなと思った次第ですが、「引退した老人で大して偉くない」云々の発言も李登輝氏の入れ知恵のような気もしますね。