私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

日中関係「政冷経涼」化でようやく適温に

2005年12月24日 | 極東情勢(日本とその周辺)
ほんの数日前だったかと思いますが、日経朝刊に中国・杭州の一面広告が出ていました。
特区も今年で四半世紀、かつてリアルに自転車のペダルを漕いでいた人民の中からは自動車を手にする者も出たのでしょうが、外資を呼び込み、〝自転車操業〟で突っ走らざるを得ない構図が浮き彫りになっているような印象を受けましたね。

◆日中関係、「政冷経熱」が「政冷経涼」に 新華社通信 (朝日)
◆【中国】相次ぐ「不満」報道、ソニーデジカメ問題(NNA)
◆NECの偽造品が市場に出回る(なる台NEWS)

新華社の見解によると、日中の経済・通商関係も「経熱→経涼」と変化しつつあるようで、その一端なのか何なのか、このところソニー社が中国で受難に遭っているようですね。
中国市場全体を概観してみると、小平氏の言うとおり「ほんの一握りの人間」が富めるようにはなったのでしょうが、購買力を伴う中間層の底上げはおよそ見受けられず(ジニ指数は0.5前後か?)、この点が勃興しつつあるインド市場との最大の相違点であると言えるでしょう。
Tipei Times紙に「中国市場がオイシイといえない四つの理由」とでもいうべき米コンサルタントの見解が記されていましたので、ソニー社を初め、日本企業諸氏も参考にされたら如何でしょうか。(いかん!有馬記念の投票をして出かけないと)
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◆China not profitable for most US companies(Taipei Times)

「大多数の米国企業に有益でない中国市場」

曹長青
2005年12月23日金曜日,Page 8

統一地方選も終わったことであるし、海峡両岸の通商の状況に注意を向けるべき時ではなかろうか。

経済開発諮問会議が海峡両岸の通商政策のさらなる規制緩和を性急に決定するとすれば、台湾からの大規模な資本流出を招くとともに、中国側が台湾に「一国二制度」の受け入れを迫るような商取引を強攻するリスクが高まるものと思われる。

合衆国においては、中国の型破りな商慣行が米国経済に打撃を及ぼしたために、中国との通商関係の見直しを求める声が高まっている。合衆国の本年度の対中貿易赤字は過去最大の2000億USドルに達する見通しだ。

イーサン・ガットマン氏は高名なビジネスコンサルタントだが、氏の著書〝Losing the New China〟にはこうした諸問題への対処の参考になるような貴重な観察が数多く記されている。

ガットマン氏は長年中国でテレビの製造に従事するとともに、ビジネスコンサルタントの任にもあった。氏の存在はいち早く中国に進出した米国人企業家社会に知られるところとなり、合衆国商工会議所の政府連携委員会議長代理を務め上げたほどだ。
その結果、氏は中国における対外商取引と、かの国に巣食う腐敗の構図に対する深い洞察を得るに至ったのである。氏の識見は多くの(米国人)中国専門家や実業家の知るところだが、彼らは(中国という)ホストへの刺激を避けるべく沈黙を保ったままである。果敢にも真相を記したガットマン氏は稀有の存在であるとともに、氏の下した四つの結論はこの紙面に再掲するに値するものである:

まずは、ほとんどの米国企業が中国で利益を上げていないという現実である。氏によると25%の利益を挙げた企業は3分の1以下であり、初期投資も考慮に入れると、黒字転換を果たした企業はわずか5%程度にとどまるであろうという。

次に、中国市場は投下資本が跡形もなく沈むブラックホールであるとガットマン氏が指摘している点である。これは、中国が民主主義国家でないからというより、むしろ、虚偽に塗り固められた役人、硬直した過酷な官僚制度、海賊行為の横行といった中国社会の特質に起因するものである。

第三に、外国企業が中国市場での成功を収めたいのであれば、三つの基準の何れかを採用せねばならないと指摘している点である。その基準の一つはローレンス・ブラウム(彼はあたかも人民日報出身の記者であるかのように党綱領に忠実な記事を書いて成功を手にした)のように中国共産党に従順であることだ。二つ目の基準は高級官吏への贈収賄、三点目がご機嫌取りである。このように振舞った企業の例がシスコシステムズ(インターネットをコントロールするためのファイアウォール技術を、何と市価の半値で中国に提供した)や、ヤフー(中国における検索エンジンでは「台湾独立」や「法輪功」といった用語が弾かれてしまう)である。

四点目として、中国に進出している米国企業の多くが、親会社に対し利益が出ているように見せるべく帳簿に手を加えているとガットマン氏は指摘している。彼らは、本国の重役たちが中国の当局と懇談することができるような無益な旅行の計画にも余念がない。

ガットマン氏は外国企業ではありきたりの光景の性的な乱交パーティーや薬物摂取といった放蕩たる様についても記している。氏に言わせると中国の魅力の三要素は、経済、文化、そして性なのだそうだ。今日の中国では、経済改革と共に性の解放も進展し、ほとんどの若者が革新運動に身を投じた経験を持つ。ただ、残念なことに改革主義者の熱意は大方下半身に向けられてるのである。

ガットマン氏の著書からは、台湾の政策立案者や実業家にとって有益な何かが明確に読み取れるはずである。

曹長青氏は、ニューヨークに拠点を置く作家です。

翻訳:イアンバーソロミュー
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※写真・・・・中国・杭州

(注)写真はイメージであり、現実とは異なります?

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