私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

〝海洋国家連合〟への期待

2005年06月05日 | 極東情勢(日本とその周辺)
〝日本の疲れに、台湾〟ということで、日本の疲れの大陸・半島から目を転じてみますと、2日、東京で、日台の超党派議員による、「第三回日台国会議員交流会議」が開催され、安全保障問題や経済問題について意見交換がなされたようです。
日華断交後も、自民党、国民党との交流のパイプが「自民党日華関係議員懇談会」に引き継がれ、さらに超党派による「日華議員懇談会」に改組され、現在に至っており、今回の会議においては、次の四点で双方が合意した模様です。

1.国会議員間で安保対話のシステムの構築
2.議員立法の形で台日自由貿易協定(FTA)締結の促進
3.台湾の東アジア共同体参加
4.台湾の東アジアサミット参加

まず、1が両国の安全保障に関して急務であることは論を待ちません。〝敵の敵は味方〟ではないですが、半島有事に関して韓国と話すよりも、話は早いような気もしますね・・・・ 勿論水面下での話合いにはなるでしょうが、〝あちらさん〟にばれないよう、実務面を首尾よく詰める必要があるでしょう。
FTAに関しては先頃もちょっと触れましたが、
「日台に国交がないため、日本政府が締結を主導することは困難だが、議員立法の形で進めれば実現の可能性がある」
というのは心強い言葉です。実際、万博期間中の台湾からの観光客に対するノービザはこれで実現しましたし、その措置を継続するよう「日華議員懇談会」のメンバーは働きかけています。

問題は、3と4。昨年12月にマレーシアで、「東アジアサミット」が初めて開催されました。これは、 日本、中国、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が中核となって東アジアの地域協力を目指す、「東アジア共同体構想」につながると展望されていたものですが、米国はオブザーバーとしての参加を見送りました。
知日派のアーミテージ前米国務副長官やJR東海の葛西会長は、同構想に懸念を表明しましたが、多国主義の枠組みを巧みに利用することで、東アジアから米国の影響力を排除したいという中国の狙い・・・・端的に言えば、中国の、中国による、中国のため(だけ)の「大中華共栄圏構想」であるのは間違いなく、米国のオブザーバー不参加表明は、そうした中国に対する不信表明以外の何物でもありません。
歴史を省みても、孫文が日英同盟に反対したように、大陸国家の中国は、海洋国家の日本と海洋国家の大国との仲に茶々を入れたがる傾向にありますね・・・・
「共同体」というからには、根底となる価値観の共有が大前提ですが、華夷秩序に基づいた隷属関係を強いようとする中国と日本の価値観は、永遠に並行する二本のレールです。(そういう関係を望んでいる日本の政治家もいるようですが・・・・)当然のことながら安全保障の問題も絡んできますし、米国との関係抜きで中国などというのはあり得ない。
台湾を仲間に入れようという意図は理解できるのですが、両国にとって、3、4はそのフレームワークを根本的に考え直す必要があると言えましょう。

そこで、ふと思いついたのが、「太平洋島サミット」です。これが今、どうなっているのかは存じませんが、宮崎でやっていたからでしょうか、漠然と記憶にありました・・・・
日本がイニシアチブをとる形で、この枠組みをたたき台に、台湾や、ASEAN諸国を交えて再編していくのはどうでしょうか。
「太平洋島サミット」に参加している国々には、台湾と国交を持っている国々も多いですし、米国が憂慮を示す懸念はないでしょう。日本に加え、豪州や台湾といった、自由・民主という共通の価値観を持つ経済大国がバランスよく存在することは、他の参加国にも歓迎されると思います。

先に台湾を訪れた際に、
「〝大陸反攻〟とか、〝三民主義 統一中国〟といった看板は見ないなぁ・・・・もうやってないのかなぁ」
と思いましたが、大陸に拘った前世紀(まだ拘っている人もいるでしょうが・・・・)と対照的に、〝中華民國台湾地区〟だけをみれば、台湾は紛れもない海洋国家であります。そう考えると、〝中華民國〟という大陸国家の看板にはやはり違和感を覚えますね・・・・

やはり海洋国家同士、「脱亜入洋」で行きましょう!

※写真・・・・花蓮、南濱夜市

民主台湾のこんな光景は、中国ではあり得ないでしょうね。それにしても、台湾の夜市は、お祭り好き人間の血が騒ぐ。(汗)









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