タシィ氏の迅速な釈放を：在台チベット人団体

往年の五輪選手が『週刊文春』誌のグラビアに掲載されていましたが、血塗られた北京の舞台を思うと空しさが募ります。私自身も「あんまりアホくさいから、朕はもうオリンピックなぞ絶対に観ないわ」（閣下の憂鬱様）という見解に共感する次第で、試合中継の一部始終を見る気はおよそしませんね・・・・

◆Taiwan-based Tibetans demand Japan release torch relay disrupter（Earthtimes)
◆MOFA pushes for release of Tibetan activist detained in Japan（中央社）
◆聖火リレー　台北で亡命チベット人の釈放要求デモ（産経）
◆在台西藏團體籲日本盡速釋放札西慈仁（中央社）
◆連戦氏、五輪開会式出席へ（産経）

＜Taipei - Some 100 Taiwan-based Tibetans and supporters on Wednesday demanded Japan release a Tibetan man with Taiwan citizenship who was arrested while trying to disrupt the Olympic torch relay in Japan over the weekend. Shouting "Free Tibet" and "Free Tashi," the protestors gathered in front of Japan's representative office in Taipei to demand Japanese police release Tashi Tsering.＞
（台北,水曜日 - およそ100名の在台チベット人とその支持者らが、日本で聖火リレーを妨害しようとして先週末逮捕された台湾籍のチベット人男性を釈放するよう申し入れた。台北の日本代表事務所前に集まった支持者らは、「チベットに自由を」「タシィ氏に自由を」と抗議の声を挙げ、日本の警察に対しタシィ・ツェリン氏を釈放するよう要求した）

　　　　 （REUTERS)

昨日台北市の交流協会前で、タシィ氏の釈放を求めるデモが催されたようです（松葉杖を付きながらデモ行進している市民の姿が見えます）が、未決勾留中の氏の現在地は、長野中央警察署の代用監獄なのでしょう。
フジテレビの「報道2001」に出演した高村外相は、「警察がよくやってくれた。それに尽きますね。逮捕者は6人出たけれども、中国人もチベット人も、1人も逮捕されていないんですよ」と能天気に自画自賛したようですが、要するにタシィ氏は中国人でもチベット人でもなく、〝台湾人〟という認識なのでしょうか？入管等では〝中国人〟という扱いのはずですが、まったくこの辺の「ご都合主義」「事なかれ主義」には呆れて物も言えません・・・・

＜"Japan is not an authoritarian state, rather, it is a democratic country where people enjoy the freedom of speech. Hence, anyone's right to freely express his or her opinion should be respected. What Tashi Tsering did was peaceful and non-violent. He was merely approaching the torch and shouted "Free Tibet!" He did not threaten the Olympic torch with force," the letter said. "We suspect the Japanese government may be facing political pressure from China, as the prolonged detention of Tashi Tsering is unusual. In other similar cases, a person in custody is usually released after the 48-hour detention period. We urge the Japanese government to stand firm behind human rights values, and not to bow to political pressure from China," it added.＞
(『日本は独裁国家ではなく、言論の自由が保証された民主主義国家です。それゆえに、自らの意見を表明する権利は尊重されねばなりません。タシィ・ツェリン氏の取った行動は、平和で非暴力的なものでした。彼は聖火に近づき「チベットに自由を！」と叫んだだけであり、力ずくで聖火を奪おうとしたわけではありません』と、請願文には記されている。「タシィ・ツェリン氏の長期間勾留は異例であり、日本政府が中国側から政治的圧力を受けている疑念も抱きます。（長野に於ける）同様のケースでは、通常48時間の留置期限の後に容疑者は釈放されているからです。日本政府が人権尊重の立場を堅持し、中国の政治的圧力に屈することのないよう要求します」とも付け加えられている）

この件中文ソースでは、「在場的在台西藏團體人士並說，札西慈仁的舉動是要向全世界傳達西藏的慘狀，他們呼籲日本政府要站穩人權立場，不要受到中國政治力的干涉。他們也強調，日本政府對札西慈仁的處置，全世界都在看，請日方尊重人權，盡速釋放札西慈仁」 （中央社）と記されています。「日本政府對札西慈仁的處置，全世界都在看」とあるように、実際問題釈放後の氏が桃園機場で、「長野の代用監獄では酷い扱いだった！」と一言発するだけで国際的な非難に晒されかねません。
まぁ、＜愛国無罪＞という訳にはいかないのでしょう（中国勢はそうみたいですけどね・・・・）が、キャッチ＆リリースといった英仏での前例（ロンドンで消火器をぶちまけたオッサンは、釈放後得意満面でBBCのインタビューに答えていましたな・・・・）や長野で逮捕された他の日本人容疑者と比べると異例の勾留期間であり、台湾側の支持者がそこに北京の影を見る（実際そうなんだろう）のもむべなるかな、と思います。
私自身13日から訪台する予定なのですが、胡錦濤訪日を控えたこのタイミングでは、どちらが〝先着〟するか微妙な気がしますね。（福田は、「あの台湾籍チベット人はまだぶち込んでいるんですよ・・・・」と薄ら笑い浮かべて晩餐会の酒の肴にでもするつもりか！）いずれにせよ、早期の釈放が待たれるところです。

国府独裁時代の台湾は特務支配下にあったわけですが、日本統治下の台湾の本質は警察国家でしょう。タシィ氏が制圧される場面が台湾の電視台で流れたかどうかは存じませんが、仮に旧同胞世代があの光景を目にしたら、日治時代の横暴な官憲の姿を彷彿としたのではないかという気がしますね・・・・


中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄　国境なき記者団