私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

NYタイムズもアレですが・・・・

2006年02月27日 | 極東情勢(日本とその周辺)
世代的なものでしょうか、ふと「今日は吉原・堀之内~中洲・ススキノ・ニューヨーク~♪」というタケちゃんマンの主題歌を思い出したのですが、列記されている〝地名〟を眺めていて「あ、これって〝ニューヨーク〟と〝入浴〟の掛詞だったのね・・・・」と今更ながら気付いた次第です。(そもそもNYにフロはないだろうって・・・・)NYのDQNな地下鉄はかつて日本でも語り草でしたが、ジュリアーニ市政でそこら辺はだいぶ改善されたんだろうなぁと911の前年に思った記憶があります。

◆麻生外相批判に反論 米紙社説や台湾発言で(産経)
◆Facing Up to the Past: Japan Makes Its Case(NYタイムズ掲載)
◆産経朝刊 産経抄(02/18)

台湾の「物見遊山」から帰国したら、麻生発言(記事)がNYに〝飛び火〟していていささか驚いたのですが、昨秋に続いて駐米大使館がNYタイムズ紙へ「反撃」した(佐藤博史日本総領事代理の名前で掲載)のは注目すべき動きですね。
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過去の歴史を直視:日本の見解

「日本の攻撃的な外相」(2月13日社説)への反論

麻生太郎外務大臣は、日本の過去の植民地支配や大戦中の侵略行為に関わる歴史の正当化や否定を行ったのではありません。同氏のアジアに関する最近の発言はこれを極めて明確に示すものであり、小泉純一郎首相が様々な行事で歴史認識について言及する際も同様の意向を反映しています。日本における歴史の授業も同様です。
また麻生外相は、天皇陛下が現在の状況で靖国神社に参拝すべきだと述べたわけではありません。天皇陛下のみならず政府代表が、隣国に不快感を起こさせることなく、日本の戦没者に敬意を表する方法を考える必要があることを指摘したにすぎません。
戦後60年、日本は専守防衛方針を厳格に遵守し、中国やその他の国々に脅威を与えたことは全くありませんでした。麻生外相は、信頼できるパートナーとしての中国を歓迎する意向を表明しており、その躍進をチャンスと見ています。同氏は、中国の継続的かつ不透明 な軍事活動と増強に対する国際的な懸念に言及したに過ぎません。原子力潜水艦による日本領海への侵犯という遺憾な行為を鑑み、中国は「日本に脅威を与えたという最近の記録はない」とするNYT紙の見解に沿うよう努める必要があります。
日本は、2005年2月に日米両国の外相と国防相が発表した日米共同声明に従い、中国の軍事的透明性が改善されるよう働きかけて参ります。

佐藤博史 日本総領事代理
ニューヨーク、2006年2月18日
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歴史認識に関する「政府見解」と昨年二月の「2プラス2」のコミュケの内容をトレースし、NYT紙への反論と同時に中国も牽制する内容となっているようですが、最後にNYT紙の「事実誤認」への嫌味を利かせているところは中々の出来ですね。
同紙は、日米同盟そのものも否定するような無茶苦茶な対日批判も行っており、まぁ、「ブッシュ共和党が憎けりゃ袈裟まで憎い」といったところなのかもしれませんが、単にNYT紙の論調云々という問題に事を矮小化させることなく、この手のプロパガンダには常に目を光らせておく必要があります。(その意味では旧正月の休暇期間中でも日本の報道に脊髄反射みたいに反論してくる中共を見習うべき)
支那のロビイングといえば、日本は先の大戦で宋美齢にしこたまやられた訳ですが、ビハインドである状況はその後も変わりなく、ここら辺の「反省」が全くなってなかったですからね。その凄まじさといえば、アーカンソン州知事時代からズブズブだったクリントン政権の侮日政策も記憶に新しいですが、情報(諜報)体制確立へのテコ入れは火急の課題です。日米関係に楔を打ち込み、離反を謀ろうという中国の狙いは、今も昔も変わらないのですから・・・・

もっともこの反論が「麻生発言の火消し」という域に過ぎないのも事実です。麻生氏は、真意が曲解されて伝えられたと反論していますが、彼自身いみじくも「マスコミがライバルである」と外相の就任会見時に述べていたように、総体的には脇が甘かったと思います。(反論を書いた佐藤総領事代理も「外相の尻拭いでメンドクサイなぁ・・・・」といった感慨でしょう)
「敗戦国」という厳然たる事実がある以上、歴史云々が絡んだ話となるとやはり日本は分が悪いですよ。いくら「パール判事は全員無罪と言った」とか「あれは自衛戦争だった」等と強弁しても、今日の「国際政治的」にはまず通らない。
知日派として知られたマイケル・グリーン前合衆国NSCアジア上級部長は、Taipei Times紙とのインタビュー(同紙)で、

<On the whole, the region is moving towards greater freedom, but if China is able to de-legitimize Japanese democracy using the history issue, and de-legitimize Taiwan's democracy using the "sovereignty" issue, then the US will have a much weaker hand in demanding that China itself be a stakeholder that adheres to international norms in Asia.>
(概して、この地域は大いなる自由への歩みを続けていると言えますが、中国が日本の民主主義に対抗する自己正当化の手段として歴史問題を、台湾の民主主義に対して「主権問題」を振りかざし得るとすれば、合衆国が中国に対し、アジアにおける国際規範を厳守するステークホルダーたれと要求しづらくなる面もあります)

要は「歴史問題を持ち出されたら、かつて連合国側だった米国の立場としては日本を擁護しづらい面がある」と言っている訳ですが、日中間の歴史認識の仲介を提案したゼーリック国務副長官に対しても、「その件は色々厄介だから関わるな」という声があるのも事実。(原爆だ何だで合衆国に〝飛び火〟する懸念がありますしね・・・・)
以前も思ったこと(記事) ですが、歴史について語りたければ戦後日本の歩みのみに焦点を絞り、民主主義国家として国際貢献等を行ってきた立場から、独裁国家の中国批判なり何なりやればいいと思いますし、台湾について何か言いたいのであれば、昨秋のブッシュ大統領の演説をトレースして、民主化の成功を賞賛すればよい。これなら合衆国の「アジア解放史観」と対立することもないですし、名指しされた台湾の不興を買うこともありません。要はもう少し無難に、上手いことやってくれよと・・・・

産経妙には「(反論を)放置すると、大喜びで連動する国内勢力が現れる」とありますが、歴史問題に関して日本国内の「良識派」が騒ぎ、世論を引っ掻き回してくれることを中国が目論んでいるという点も見逃すべきではありません。与党議員の一部の訪中を受け、目下中国の最大の関心ごとは「ポスト小泉」のようですが、これとて歴史云々という論点で騒げば敵の思う壺なんですけどねぇ・・・・

※写真・・・・博多区、中洲の屋台

「中州のスナックで飲む→屋台でラーメン食って帰る」という生活も少しは改めないと、5年後の健康診断では一発でアウトだろうなぁ・・・・

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
中洲では。 (じょりー)
2006-02-27 15:48:04
出張で行くと飲みの後は必ず屋台でラーメンを食べて帰ります。

おいしいですもんねぇ。

ただ、中州だけではなく地元でもよくやってますが。^^;



しかし、タケチャンマンの唄は懐かしいですね。

「八時だよ」派と「ひょうきん族」派で言い争いしていたのを思い出しました。

ちなみに、私は「八時だよ」派だったのですが、途中で「ひょうきん族」派に鞍替えしました。



害務省については、もっと強力な抗議をしてもらいたいものですね。

NYタイムズもそうですが特定アジアに。

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そういう時代でしたねぇ・・・・ (tsubamerailstar)
2006-02-27 19:34:51
>じょりー様



ひょうきん族が全員集合の牙城に迫る勢いという時代は小学高学年だったかと思いますが、全員集合もマンネリ化しつつあったのかもしれませんね。

私は太らない体質なのでアレですが、中洲徘徊の回数は減じる必要があるかもしれません。(汗)

こちらは殆ど豚骨ばかりなので、首都圏のバリエーションの豊かさが懐かしく思えます。(笑)

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NYTはレベルが低いよ (むじな)
2006-02-28 03:41:50
NYTをはじめとする米国の新聞って、記事の質とか信頼性(取材先への事実確認も含めて)は、台湾並に低いと思いますね。

この点では、日本はまだマシだし、英国もいいでしょう。

米国の新聞は、featureやanalysis記事の中に「たまに」見るべきものはありますが、ストレートは通信社電でつまらないし、社説や論説の多くも電波記事が多いです。

まあ、米国って国民の平均的な教育レベルと教養が低いところなので(大体、米国って本屋と本の種類が少なすぎるし)、そんなものでしょうが、それでも米国崇拝から、NYTというと盲信する馬鹿が多くて困るんだよね(わら)



米国がすごいのは、一部のエリート層だけであって、新聞も含めた知的大衆のレベルは低いのです、いい加減、米国崇拝から目を覚ましてほしいものですけどね。



それから、タケチャンマンの歌、懐かしいですね。よく高校時代に歌ってました。
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歳がばれてしもたついでに (むじな)
2006-02-28 03:50:55
うわっ、ひょうきん族が高校時代だったって、歳がばれてしもた(わら)。

そういえば、こないだ台湾の緯來日本台でかなり遅れてロンドンハーツやっていたんだが、「格付けしあう女たち」コーナーで、国生さゆりが、「以前西ドイツに行ったとき」といいかけて、淳に「うわあ、西ドイツだって。熊田がぽかんとしていて、壁ができているじゃん」と突っ込まれていた。

たしかにいまどきの人間は「西」ドイツなんていちいち言わないもんな。

ちなみに、私が持っている「オペラ座の怪人」ドイツハンブルク舞台版は1989年のだからやはり「Mede in West Germany」なんて書いてあったりする。これ、2年前になぜかリトアニアで買ったものだけど。「西ドイツ」というのが、なかなかレトロでいいなあ。



話を戻すと、

そういう国生(会員番号8番)は、私の1つだけ年下で、夕やけニャンニャンは私が大学のときの愛視聴番組だった。大学からフジテレビも近かったから、よく潜入していたから、実物も見ている(わら)。実物も怖い雰囲気だが、顔そのものは実は小さい。芸能人って顔小さいんだよね。

・・・と若かりしころの記憶・・・。

うん、若いっていいよな。最近、こっちでも元気な高校生を見ているとうらやますぃ・・・。

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Taipei Timesの英語力が低い点について (むじな)
2006-02-28 04:08:51
そういえば、tsubamerailstar氏は、Taipei Timesをソースに使っているのは、中国語が読めないから?

あ、これは責めているんじゃなくて、台湾の新聞なんていい加減だから、ヘタに中国語のを読むよりは、英語のを読んだほうが意外に誤解がなくていいと思いますよ。特にTaipei Timesは緑系の自由時報の系統で、共通の記事もありますが、編集者はわりとリベラルなので、独立派とはいえ右よりの自由時報よりはまともだとは思います。

ただし、同僚で英語が準ネーティブの台湾人の話だと、Taipei Timesの英語そのものは、けっこうブロークンでひどいみたいですね。その人は暇なときにはよく同紙の記事を引っ張りだしてきて「添削」しているみたいですが、1本あたり2-3箇所は文法ミス、あるいは表現が稚拙、不適切なものがあるようです。

私はそこまでの英語力はないのですが、たしかにときたま読んでいると「これ変じゃない?」ていうのがありますね。
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Unknown (あおい)
2006-02-28 07:14:52
米国人にとって日本(アジア)は所詮辺境ですから、ろくな取材体制をとれていないというのは確かなようですね。実際NYTの日本支局が朝日新聞社内にあることは有名な話ですし。結果、一部の特派員の見解がチェックもなく本紙に載ってしまうのでしょうね。日本政府も日本国民も反論をすることのなかったこれまでを考えれば、そういう特派員にとって楽なのはやはり日本批判記事です。何しろ日本が反論しない以上、どこから文句をつけられることもなく”痛快な”非難記事が書けるのですから。



そういう意味では、最近の外務省の反論は画期的なものと言えます。そもそも日本が悪く言われる根本原因を変えるものだからです。

最近の政治家の”右翼的”発言が吉と出るか凶と出るかはその主張する姿勢を貫けるかどうかにあるでしょう。貫けないようなら、反発を買うだけ害です。

が、何も言わなければ、何も言えない、いよいよ言いにくくなるという状況が続くばかりです。「刺激するとは何もしない」という選択にもリスクがないわけではありません。現に、これまでのその選択の結果、現在の不自由な言論状況があるわけですから。

国内にせよ国外にせよ、どうしようもない染まったメディアは存在します。そういうところからの非難に反論はしても、流されることはないようにして欲しいものです。
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変な新聞 (平凡会社員)
2006-02-28 11:25:37
NYTは、例のムハンマド風刺が問題に関して、当初デンマークに同情的と思われる記事を掲載していました。

「例え子供じみた行為であったとしても、憲法が認める表現の自由であると理解する」という感じです。そして、イスラム諸国に対しては「冷静に振舞うべきである」と忠告していました。

”バクダット・タイムズ”のくせに、デンマークの肩は持ちたいみたいです(笑)



仮に漫画を掲載したのが、日本の産経新聞や読売新聞といった保守系紙であったなら、決して「表現の自由」を認める事はなく、「日本の保守紙の人種差別的風刺画が物議を醸す」「日本の排他的民族主義が先鋭化する兆し」などというセンセーショナルな見出しになった事でしょう。
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確かに署名記事は少ないですよね! (tsubamerailstar)
2006-03-01 23:04:58
>むじな様



>うわっ、ひょうきん族が高校時代だったって、歳がばれてしもた(わら)。



ばれるも何も、ご著書の裏表紙にしっかり書いてあったかと思います。(笑)

いや、お歳よりむしろ「大学が如何にもジャーナリストって感じだなぁ」と思った次第です。因みに叔父は「新聞学科」卒だったりします。



>夕やけニャンニャンは私が大学のときの愛視聴番組だった。



夕ニャン懐かしいですねぇ! 私は河合その子が当時結構お気に入りでした。病弱色白系でしたが。(笑)



>うん、若いっていいよな。最近、こっちでも元気な高校生を見ているとうらやますぃ・・・。



台湾という社会自体がそういう印象を受ける、と申しますか成熟しきった国に住んでいて英国とか米国等にしか行ったことがないから余計そう思うのかもしれません。

80年代の日本のような、まだまだ上るぜぇ!といったイケイケな雰囲気が何気に懐かしいですねぇ。

台湾旅行通な方は異口同音に「南部がいい」と仰いますが、私はTHSR開業まで願掛け、ということで今秋是が非でも開業して欲しいです。



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台北タイムズは重宝しております! (tsubamerailstar)
2006-03-01 23:19:55
>むじな様



そうなんですよ! 私は全く駄目なんです。ただ、略字体でないから文字を見たらかろうじて意味が類推できるのは不幸中の幸いです。

そんな訳でTaipei Timesを重宝しております(むじなさんも重々ご承知のとおり日本語で入手できる「台湾の声」はろくなものがないですから・・・・なる台のメルマガは興味もわくし一番マシな気が)が、私自身が記事の背景が理解できないという点以外に、確かに表現がわかりづらい箇所は多いですね。たまに「自由時報」の社説の英訳も載っているのですが、これなどは「ダビング重ねたカセットテープ」のように細かいニュアンスが理解しづらい印象があります。

同紙そのもの論調は私も唯一理解できる言語の新聞がこれでよかったなぁと思ってはいた(社説は特に)のですが、むじな様のお話うかがって安堵する思いです。台湾にはメリケンも多いですからその意味でもですねぇ・・・・

しかし、韓国の新聞各紙は日本語版があるのに台湾のそれは何故かないですねぇ。朝鮮日報に対抗して是非台湾日報辺りに。(笑)



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中共の執拗なメディアチェックを見習うべき? (tsubamerailstar)
2006-03-01 23:29:37
>平凡会社員様、あおい様



私自身は英国好きでどっちかというと新聞もそっち系を目にすることが多いのですが、あっちはあっちで・・・・ただ、英国や米国の連中のメディア・リテラシーは高いのかもしれんな(むじな様の仰るように「階層」によりますが)という気はします。



台北に関して頑張っているのは讀賣と中日かなぁ。讀賣の石井記者は現与党の民進党との単独会見を数回記事にしたりと、産経の間隙を突いた印象(と、いうより産経が旧態依然と国民党とのその御用メディアべったりなだけか)がありますし、中日の佐々木記者の配信からは台湾への愛着が感じられます。



閑話休題、謂れのない言いがかりに対してきっちり反論すべきなのは当然ですが、日本側としても脇の甘さをもう一度見直して欲しいなという気もいたしますね。



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