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梅田コマ劇場公演(S44年9月)あらすじ

2009年10月13日 | 舞台公演
(昭和44年9月 梅田コマ公演パンフより引用)

デュマ原作「巌窟王」より
鹿鳴館異聞 影を追う男 三幕二十四場

作/演出:竹内伸光
美術:古賀宏一
音楽:植村圭一、中川昌
振付:関谷幸雄
照明:鳥居秀行
衣裳:牧和夫
効果:古間伸
擬闘:的場達雄

【ストーリー】

明治……日本は新しい夜明けを迎えた……文明開化……丁髷は切られて、散切り頭、着物は洋服。そして、かつて幕府倒幕に力のあった、所謂、勤皇派の武士達はその功労によって、下級武士だったにかかわらず、政界に入って爵位が授けられ、そこに上流階級の人達となったのである。

折りしも鹿鳴館では、外国の高官を招いて舞踏会が催されていた。外国文明に追従しようとする日本の高官達……。

そこへ現れた一人の紳士。八十島侯爵(天知茂)と称する男に居並ぶ紳士、淑女は好奇の目を寄せた。

彼こそ十何年前、無実の罪によって八十島へ流刑された青江源之進であった。

勤皇派でありながら、幕府に寝返ったと密告された彼は、弁明の余地すら与えられず流刑されたのである。

彼は愛し合う恋人波路(淀かほる)との間もさかれ、島で屈辱の日々を送った。

ただ彼の心中に、如何にして無実の罪を晴らし、そして彼を落し入れたと思う人達に復讐をするか、そればかりであった。

彼の敵、友人の佐伯織部(金田龍之介)、それに廻船問屋の島田屋藤兵衛(石山健二郎)。彼等は御一新のどさくさまぎれに大変な出世をして、佐伯は検事正になり、島田は横浜で銀行の頭取になっていた。

そして彼の愛する女波路は、佐伯の妻となっていたのである。

義賊むささびの竜(芦屋雁之助)に助けられた彼は、島抜けに成功して、東京と名の変わった江戸へ戻ってきた。彼の妹小夜(雪代敬子)は、落ちぶれてらしゃめんとなっていや。妹とのめぐり合いによって、彼は誰が自分を無実の罪におとし入れたかを知る事が出来た。

仇討ち禁止令となった世の中で、彼は合法的な手段を以って、次々と復讐を遂げて行くのであった……。

*「黒蜥蜴」の次に挑戦した4時間の大作のあらすじ。学芸会なみのスター公演のひとつと評されてはいたが(こちら)、いかにも似合う役だけに見てみたかった。

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