緊張のかけらも見せない息子は、胡瓜の観察日記に集中していた。
RSBの練習に行く前、30分ほど練習を見てあげた。
『 そこはスタッカートだ! ここはクレッシェンドだ!! あそこはメゾピアノだ!!! 』 と、大変うるさい指導の下だんだん息子の緊張は高まっていったらしい。
午後ピアノ教室で最後の練習。
既にここからとても緊張していたそうだ。
会場に入ると 『 あ゛~、何だか落ち着かないなぁ 』 と息子の緊張はかなり高くなった。
まずいと思い、すぐ横のコンビニまでポケモンスタンプラリーのスタンプを押しに散歩。
それでも全く落ち着かない。
ホールに入り順番を待つ。 他の参加者の演奏を聞いている間にとうとう緊張は最高潮に!!! と思ったら、大あくびをしていた。
リラックスしているじゃないか。。。 大物だな。
いよいよ息子の演奏。
補助ペダルをセットし、小声で一言だけアドバイスした。
『 楽しんで来いよ。 』
数秒の沈黙の後、息子はピアノを弾き始めた。
ダメだ、Allegroのテンポじゃあない。 Vivace気味だ。
このテンポじゃぁ絶対に16分音譜が転・・・ばない? じゃぁ、トリルが失敗・・・しない?? でもやっぱりクレッシェンドが・・・しっかりとかかっている???
『 小人のパレード 』は、一番上手に弾けるテンポより少し速めで弾き始めた。
ffで気持ちよく弾いているけどこれじゃいつもの様にaccel.になってしま・・・わない? 右手と左手がそろわなくな・・・らない?? 最後の音を外・・・さない???
演奏が終わりお辞儀をしている時の息子の顔を見ると、ニコニコと笑っていた。
本番に強いんだね君は。 お父さん、見習いたいくらいだよ本当に。
結果発表の待ち時間 『 演奏どうだった? 』 と尋ねてきた息子に 『 100点満点中120点の演奏だったな。 』 と正直に答えてあげた。
よくよく聞いたら、本人もあのテンポで引き始めた時に 『 あ゛~、どうしよう!! 』 と困ったそうだ。 しかしその後大きな間違いが無かったことに本人も 『 アレッ 』 と思ったんだってさ。
地区予選を通過し、地区本選に進むことになった。
本当におめでとう。 よく頑張ったな。
教室からは息子ともう一人が選ばれた。
先生は通過を見込んで、既にその子には本選用の曲を練習させて完成している。
大急ぎで本選用の曲を決め、再び猛練習が始まった。
しかし、まだ8歳とは言うものの、立派なピアニストなんだな。
調子に乗らないように褒めつつ、あと25日で何とか仕上げなければならない。
さてと
先ずは・・・親父が新しい2曲を弾けるようにならなくちゃな。。。
猛練習するか!!