これはだめだ!

自信喪失、無気力な日本に”喝!”、反日、侮日に反撃、一矢を報いる。

「核の傘」は“幻想”だ、日本は自国防衛のため何をするというのだ

2009-07-20 | 安全保障

日米の外務・防衛局長級実務者協議で
   「核の傘」を協議

 日米両政府は7月18日、外務省内で外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の局長級実務者協議を開き、北朝鮮が核実験実施や弾道ミサイル発射などの挑発行為を繰り返している事態を踏まえ、「核の傘」を含めた抑止の議論を深めることで一致した。日本有事の際の米側の対応を再確認した上で、抑止力強化の可能性や日本側の役割などについて議論が進められる見通しだ。

 「核の傘」は、核兵器を保有する米国が日米安全保障条約に基づいて「共同防衛」に出ることを宣言することで、第三国の日本への核攻撃などを抑止する仕組み。同日の協議では、来年の日米安保条約改定50周年に向け、同盟関係を一層強化していくことで合意。米側は、双方の基本認識を再確認することから抑止の議論を始めたいとの考えを示した。

 「核の傘」とは軍事的に何のこと、幻想か
 「核の傘」の協議は、北朝鮮の核保有に脅威を感じた日本がアメリカが提供するという「核の傘」の有効性の確認を目的に協議を申し出にたのに対しアメリカが応じたものだ。
 日本の不安を鎮めるのが狙いだが、将来、北朝鮮のミサイルがアメリカ本土に到達する能力を持ったときアメリカの大統領が核兵器を使用してまで日本を守るのか。北朝鮮が日本にどのような行動をとったときに、アメリカはいかなる軍事的行動をとるのか、その際、日本側、具体的には自衛隊がアメリカの軍事行動に関与するのか。

 NATO加盟のドイツ、ベルギーは、10から20発、イタリアには、約100発のアメリカの核兵器が配備されている。これらの国は、有事には自国の航空機に搭載して使用することが出来るが、アメリカが日本にNATO加盟国と同じ扱いを許容することはないだろう。今の日本側にそのような受け入れ態勢もない。

 日本側がアメリカの軍事作戦になんら関与できず政治家・官僚レベルの協議、協定では、北朝鮮に対する政治的なゼスチャーに過ぎない。「核の傘」は“幻想”だ。 日本にしっかりした安全保障政策が存在しなければ、話にもならない。日本には、機密情報を守る法制度が整備されていない、アメリカは「核の傘」を提供したくても提供できない。「核の傘」の論議の前に、
日米安保改定50年を迎え、その再定義を迫られている。北朝鮮の核保有だけでなく冷戦崩壊後の日米同盟が何をすべきかをめぐって従来と異なる新たな安全保障のあり方、中国の台頭とこれへの対応、米軍の再編とりわけ沖縄とグアムの移転問題、大量破壊兵器の拡散阻止、世界経済の強化、気候変動問題への対処など難問が山積している。政権をとりそうな民主党にはこれらに対する安全保障に関する具体策が存在しているのか。まともな政策がなければ、日米の「核の傘」の協議も進展しない。

核保有国はどの国も  
           
「核の傘」は存在しないと判断した
 アメリカの核に対抗してソ連が核武装した。イギリスは、アメリカの核に依存しただけで自前の核を保有しなければ国際社会で発言力が得られないとして核を保有している。

 フランスのドゴール大統領は、アメリカがフランスを防衛するためソ連に核を使用するなら、いかなる軍事的シナリオを持っているのかとNATO軍司令官(アメリカ軍の大将)にもケネディ大統領にも問いただした。ともに答えられなかった。アメリカの「核の傘」は存在しないと判断したからフランスも核武装をした。

 冷戦時代の中国もソ連がアメリカの核の脅威に対抗する「核の傘」を提供するから核武装しないようにとの働きかけを受けた。ソ連はアメリカに核攻撃をすることはないと判断したし、ソ連の「核の傘」の下に入り独自の抑止力を持たなければソ連の保護国になり国際社会での発言力を失うと判断した。だからからこそ核武装した。インド、パキスタンも似たようなものだ。

 核兵器を持った国は、どの国も他国が提供する「核の傘」を信頼できないと判断したから核武装をした。言い換えれば、中国、ロシア、北朝鮮など核保有国は、アメリカが他国を防衛するために自国を犠牲にしてまで核兵器を使用することはない、アメリカの「核の傘」は存在しないと考えている。
 核武装した周辺国にとって「核の傘」は、張子のトラだ。軍事的には存在しない、幻想である。

他国の核による恫喝に屈したら日米安保は崩壊、日本は自国防衛のため何をするのか! 
  アメリカが日本に「核の傘」を提供したとしても、第3国による核兵器による恫喝に日本が屈したら日米同盟は崩壊する。

 仮に、尖閣諸島を巡って日中が衝突した場合、日本がアメリカの救援を求めたとする。それに対して中国が、「日本がアメリカの介入を求めるなら日本に核ミサイルを発射してでもアメリカの介入を阻止する」との態度に出たらどうなるか。具体的に目標となる地名を挙げて恫喝したらどうするのか

 一般の国民は驚天動地。政治家は、「無人の尖閣諸島のためにまた数十万の犠牲者を出すべきでない」と議論が沸騰する。政治家、日本人に国家を断固まもるという決意が喪失しているので、日本は、中国の核による恫喝に屈するだろう。
 「核の傘」も、核兵器による恫喝に屈しない強固な意志がなければ有効に機能しない。日本の政治家、官僚や国民に、
国を守る決意があるのだろうか。

 アメリカが核兵器を削減しつつあり、中国との経済面の依存関係が今後ますます増大するとなればアメリカは日本防衛のため核兵器を使用することはないだろう。ロシアにも核武装した北朝鮮に対しても核兵器を使用しない。アメリカに対する核報復力を有する国に対し核攻撃するほど、アメリカは愚かではない。

 今の日本は、アメリカの”保護国”だから核武装をした周辺の国々も日本に手出しはしないが、アメリカの衰退、米軍のアジアからの撤退によりアメリカの”保護”を失った日本は、報復能力がなければ、核武装の国が核の恫喝をしないとも限らない。そのとき日本はどう対応するのか。 

  日本は、アメリカに保護を求めるだけで自国の防衛に責任を持たなければ日米同盟も「核の傘」も意味を持たない。
本は自国の防衛のために、何をするかが問われている


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