goo blog サービス終了のお知らせ 

TRK_Private

2012年、東京から秋田=夫の出身地に移住した主婦の日記。

小学生の読書 『森へいこうよ!』 C.W.ニコル

2010-07-29 08:14:10 | 読む
森にいこうよ! (地球絵本)
C.W. ニコル
小学館

このアイテムの詳細を見る



娘がやたらと「これ面白いっ!! 感想文はこれにするっ!!」と騒いでいた本です。(感想文は課題図書だっちゅうの・・・)

私もぱらぱらと見てみてみました。意外にも「子供向け」風の絵本という感じではなく、しかし、非常に心引かれるイラスト・・・リアルと可愛さの微妙なバランス・・・と、丁寧な文章・・・これまたリアルさと物語の微妙なバランス・・・の本でした。

確かに、これは手元においておきたい本ですわ。


↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>

『ぐっすり眠れる3つの習慣』田中秀樹/ベスト新書

2010-07-22 15:36:17 | 読む
ぐっすり眠れる3つの習慣 (ベスト新書)
田中 秀樹
ベストセラーズ

このアイテムの詳細を見る



右腕の痛みがひどかった頃、夜中に何度も目が覚めてしまって困っておりました。もともと眠りが浅いのが更にひどくなってしまったので、生まれて初めて睡眠剤というものを処方してもらったくらいです。

ところが。「初めてならば1錠で充分です」と言われた薬が、あまり効かなかったのです。薬局では、
「20~30分で効いてきます。足元がふらついたりすると危ないので、寝支度を先にしてから飲んでくださいね。飲んだら早めにお布団に入って横になってください」
と言われて大いに期待したのですが・・・体質に合わないのか、ときどき飲んでいる市販の頭痛薬で耐性(?)ができちゃっているのか、理由はよくわかりませんが、残念ながら眠くなるのに1時間以上もかかるし、夜中に何度も目が覚めるのは変わらないし、2錠に増やしても熟睡感が得られないし・・・なのでした。ガッカリ。

その後、整形外科に見切りを付けてカイロプラクティックに鞍替えしたところ、けっこう眠れるようになってきまして(=腕の状態がよくなってきたこともあります)、

「夜、ちゃんと眠れるってありがたい!」

と痛感したのです。


で、たまたま書店で見つけて、こんな本も読んでみました。
著者は国立精神保健研究所の研究員さんで、「睡眠改善指導のパイオニア」だそうですよ。

全体的に、「健康によい」とされていることが列挙されていて、それを再確認したという感じの本ですが、・・・たとえば、「規則正しい生活」「適度な運動」「朝の光をよく浴びる」とか。

が、読んでいて「なるほど」と思ったことがありまして、たとえば
・短時間の昼寝(=目を閉じて休息するだけでもいい) があったほうがよい
・寝る時刻の前は、睡眠時間の長さ分(たとえば8時間とか)だけ起きている必要がある
=つまり、夜10時に寝るためには、その前の8時間=14:00~22:00は必ず起きていること

などです。後者の場合は「そりゃそうだ」と思ったのですが、しかし、短時間の昼寝が14時より前なら夜の睡眠が良質になり、うっかり15時過ぎになってしまうと、同じ短時間の昼寝でも、質は悪化してしまうということで、それは初耳です。本当なのか!

日中に仕事をしていると昼寝など思いも寄らなかったのですが、ためしに、12時半前後に椅子に座ったまま目を閉じて休息する時間をつくるようにしてみました。(お客さんがいらっしゃる時以外ですが) すると、不思議と夜は入眠がスムースになった気がするのです。

自分なりに想像するに、

昼寝をすると午後は眠くならない → しゃきしゃき動ける → 活動的になった分、夜は眠くなる・・・ということなのか? と思っています。


快眠ストレッチの方法がイラスト入りで書かれているので、これも試しているところです。いろいろと日ごろの生活態度を改めてみよう!と思わせる事柄が列挙されているので、気を引き締めている今日この頃でございます。



↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>

『東京おさぼりスポット探検隊』べつやくれい

2010-07-20 13:22:12 | 読む
東京おさぼりスポット探検隊
べつやくれい
メディアファクトリー

このアイテムの詳細を見る



東京都内で「サボる」とか「時間をつぶす」とか、そういう場所が紹介されている本です。べつやくさんのイラストとコメントが可笑しい・・・時々、お腹を抱えて笑ってしまいます。

ネット連載の時から面白かったのですが(=私が最初にべつやくさんを知ったのは、このネット連載でした)、本になったら絶対に買おう!と思っておりました。もう一度読んでも、やっぱり面白くて、「ここ、行ってみたい」と思う気持ちと、「でも、べつやくさんの紹介だから面白いだけで、自分で行っても楽しくないかも?」と思う気持ちと、半々です。

先日行った「NEW新橋ビル」の「ベジタリアン」のことも紹介されていました。おお、感動です。



↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>

中公新書『友情を疑う - 親しさという牢獄』 清水真木

2010-07-19 16:41:04 | 読む
友情を疑う―親しさという牢獄 (中公新書)
清水 真木
中央公論新社

このアイテムの詳細を見る



この本を読んで、一番思ったこと。それは

「友情」や「親しさ」や「善意」などが、「社会の成熟」の邪魔になってやしないか?

ということです。よーく考えてみたい!




西洋哲学者の名前がいっぱい出てきますが、あまり素養の無い私には、少々難しい本でした。が、いろいろと目からウロコっていう話が出てきました。

例えば、「友人=親しい他人」という図式は、今では一般的だろうと思いますが、哲学者たちは、必ずしも「友情」に「親密さ」が必要だと考えていたわけではないということ。また、古代ギリシア語には現代日本の「友情」に正確に一致する言葉がなく、単に「好ましいもの」という意味の「フィリア」と遣っていたこと。


紀元前1世紀のローマ人「キケロ」という哲学者によれば、友人や友情は犯罪の温床だということです^^;; 親しい仲間が望むから、という理由で悪事に手を染めてしまう人間がいる=親しさは悪であると、そういう論を展開した人だそうです。

キケロの論を引きつつ、著者の清水さんは
「友情の命じる行動は、反社会的な性格を帯びる危険がある。これは、決して偶然ではない。友情には、もともとそのような性格が具わっているのであり、(中略) 仲間や同士としての連帯感や一体感は、友情の本質的な要素ではなく、友人との付き合いの副産物にすぎないのであり、しかも、連帯感や一体感のせいで、友人との付き合いが正常な軌道から逸脱してしまうことがあるのである」

と書かれています。最初は大胆な説だとは思いましたが、冷静になってみると「親しい人」が絡んでいるがために道を誤ってしまうということは、よくありそうな話です。

また、この本では、ジャン=ジャック・ルソーの友情論について長々と否定しているのですが、それは、清水さんによれば、

「自分と他人のあいだの境界をすべて取り払うような、いわば「裸の」付き合いを、(中略) 不特定多数の人間に対し理想として強要し、社会を「透明」なものに作り変えようとする試みが生れると、他人と異なる発言や行動を一切認めない全体主義の社会が誕生する。ルソーの友情論は、全体主義に結びつく要素を含んでいるのである。」

ということで、そうかそうかと。「腹を割って話せ!」みたいなのが一般化される社会は確かに息苦しいと思います。


そこから、フランス革命における「友愛」の意味に話がつながっていったり、カントの考える「引力と斥力(せきりょく)の均衡状態=友情」という考え方が紹介されたり、、、

まあ、いろいろ「友情論」が所狭しと記述されている本でした。



最後は現代における警告という感じですが、清水さんはこんなふうに書かれています。
 ↓
「友情は消滅するどころか、却って日々その役割を増大させている。(中略)見ず知らずの他人にたちしては礼儀正しく接するのではなく、むしろ、相手の生活の中に入り込んで積極的に親切にすべきであるという主張に出会うことが増えたからであるに違いない」


そして、災害地へのボランティア活動が肯定的に受け取られている最近の状況について

「困っている人を助けること、これはごく自然な行動のように見える。しかし、(中略)大量のボランティアの手を借りなければ災害からの復旧が進まないとすれば、それは、行政の不作為や制度の欠陥を示す事実に他ならない。」


とも書かれています。


「そもそも、人類の歴史の中で、構成員の善意や自発的な活動をあてにする社会というものが存在したことはない。構成員の善意をあてにし始めると、その社会は必ず滅亡するはずである。善意にもとづく行動は、公平への配慮を欠いているために、公共の空間を支配している社会的な正義(厚生)の原則を動揺させ腐食させるからである」

↑ちょっと文章が固いので、私なりに理解したことを書きますと、つまり、


人々の「善意」に頼る社会っていうのは、公平性や継続性などに不安がありますよと。本来、政治や行政がきちんとやらなきゃいけないところを、一般市民の「善意」や「良識」に頼るようになってしまうと、その社会っていうのは滅亡しますと。

政治や行政の不作為の多くを人々の「善意」で埋めるようになると、他人の善意に頼らなければ生きていけない社会になり、それは「親しさ」に捕らわれてしまう=つまり牢獄でしょう・・・

というような警告だと思います。


 *

ここから先は、清水さんの本を読んで、私が勝手に考えたことなのですが。


身近に感じる例では、やはり子どもの学校のことなのですが、本来ならば自治体側がやることなんじゃないの?ということが、PTAや保護者に降りかかってくるので、

「人の善意に頼ってばかりいると、その社会は滅亡する」

などというのが、なるほどなーと思います。

本来、行政がやるべきことを放置して、「お母さんたち、善意あるよね? 自分の子どものことだもんね? よろしくね?」って感じで押し付けてきた結果、公平性や継続性の不安定さから無理が生じてきて、だんだんと母親側も「善意をあてにされても困ります!」という態度を取り始めている、そういうことなんじゃないかと思いました。




↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>



『私たちは繁殖している』の最新刊 

2010-06-25 09:23:23 | 読む
私たちは繁殖している 10
内田 春菊
ぶんか社

このアイテムの詳細を見る



昨日、久しぶりに書店で時間をつぶしているときに見つけ、早速購入。

今回はほのぼのとした話題が多くて、ときどき「ぶはっ」とふきだしてしまった。。。
回転寿司に「スキップして行く?」とか。


↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>

高野和明 『K.Nの悲劇』

2010-06-25 08:59:17 | 読む
K・Nの悲劇 (講談社文庫)
高野 和明
講談社

このアイテムの詳細を見る



おー、怖かったー
あー、面白かったー


夜、寝床で読み始めたら怖かったので、その晩は読むのをやめまして、朝のコーヒータイムに読もうと決めたのですが、やはり続きが気になって夜もまた読み進め、そうすると続きが気になって、遅くまで読んでしまうのでした。

とはいえ、いつまでも夜更かしをするわけにもいかず、途中でパッと電気を消して寝たのですが、変な夢をたくさん見て夜中にぱっちりと目が覚めてしまい、結局、そのまま朝まで読んでしまいました。あまり長い話ではないので一気に。


倫理的なことは、難しい話ですけどねえ・・・現実は、そう簡単にはいかないんだろうなーとか。

でも、この本の登場人物なりの結論には、やはり「よかった・・・」と安堵しました。ハッピーエンド万歳



↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>




『9条どうでしょう』 内田樹,小田嶋隆,平川克美,町山智浩 

2010-06-23 14:10:45 | 読む
9条どうでしょう
内田 樹,平川 克美,小田嶋 隆,町山 智浩
毎日新聞社

このアイテムの詳細を見る


何がきっかけで読み始めたのか忘れちゃったのですが・・・
2006年発刊の本で、小泉首相の頃に憲法改正論議が活発になっていた頃に出された本だと思います。


あの頃、「国民の義務をもっと盛り込もう」みたいな話が政治家さんたちの側から出ていて、

「馬鹿?」

と思ったものです。憲法は国家の側が守るべき法だってのに、何だって国民の側の義務を盛り込む方向で改正するんですか。そんなことを言い出した人たちは、絶対、憲法の基本のキを知らなかったんだと思います。


さて。
4人の著者さんたちによる憲法論、「9条」を中心に語られていまして、それぞれのタイトルは
・内田さん 「憲法がこのままで何か問題でも?」
・町山さん 「改憲したら僕と一緒に兵隊になろう」
・小田嶋さん「三十六計、九条に如かず」
・平川さん 「普通の国の寂しい夢」

というものです。

それぞれに面白くて、なるほどと思うことが多かったのですが、この中で、断然に面白かったのは町山氏の論でした。


前にラジオ「ストリーム」を聴いていたので、そのレギュラーだった町山さんの話は確かに面白かったのですが、それにしても、こんなに面白いヒトだとは。

「僕は軍隊ってやつが人一倍好きなのだ」

だそうです。で、子どもの頃はボーイスカウトに入っていて、

「僕がいた頃は中身も兵隊ごっこのようだった」
「キャンプはまさに軍隊そのもの」
「それでも本当に楽しかった」
「自分で食べるものを殺したこともなければ国旗掲揚の作法も知らない学友たちがどうしようもないガキに見えた」

etc..だそうです。


町山さんは「父は韓国人で、僕は18歳まで韓国籍だった」(現在は日本国籍で、アメリカの永住権を取得している) そうなのですが、

「ボーイスカウトでは年に二回、靖国神社でかがり火奉仕をした。御霊祭りと初詣の夜に赤々と燃えるかがり火を護って立つスカウトを見たことがある人もいるだろう。
 大晦日、拝殿の前に立っていたら、学校で自分を「チョーセン人め」と目の敵にした教師が通りかかった。寒空の下、半袖半ズボンで微動だにせず、英霊に奉仕する俺を見ろ、と黙って胸を張ったものだ」


・・・ぎゃははは、面白いっ!!


その後も、仕事で右翼の本を作ったり、自衛隊に体験入隊したり、傭兵経験者のつくったサバイバル・スクールに入学したり・・・という兵隊オタクぶりが語られた後で、

他国の憲法と軍隊の扱いについて、多くの例とともに

 「平和憲法と軍備の両立は珍しくない」
 「「平和」や「不戦」を憲法に謳った国は世界中に百二十ヵ国以上ある」
 「憲法は現実を追認するものではなく、目指すべき目標なのだ」

などと説明されています。

また、アメリカなどの例を挙げて、憲法というのは

「国を愛する義務より国に逆らう権利」

が保障されるものなのだと論じています。根拠が豊富で説明もわかりやすく、非常に面白い文章でした。これは、特に中高生必読!っていう感じがします。



 *

私は軍隊、嫌いですけども。
歴史的に見て、「他国の軍隊に殺された人の数」と「自国の軍隊に殺された人の数」では、後者のほうが多いらしいですからねえ。。。



↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>



『遠い山なみの光』 の感想をあらためて

2010-06-22 15:21:51 | 読む
遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)
カズオ イシグロ
早川書房

このアイテムの詳細を見る



これは面白かったなぁ・・・!
これはいいです。マジいいです。

翻訳(=小野寺健;パチパチパチ!)も非常に読みやすくて美しいのです。
文庫の解説は池澤夏樹です。

戦後すぐの日本=長崎で新婚生活を送る悦子と、友人の佐知子と、その娘の万里子。
現在の英国で当時を思い出す悦子と、その娘のニキ。

日常生活の日常会話、しかし会話する互いの人間の考えや気持ちに深い溝がある、そんな様子が丁寧に描かれている小説です。池澤夏樹氏の解説によれば

「カズオ・イシグロは文学が普遍的な人間の心の動きを扱うものであることを信じてこれを書いた。」

だそうです。しみじみ納得。


米軍人と一緒にアメリカに行くという佐知子と、陰気な様子を見せる万里子。
万里子が一番大事だと言いながらたびたび家を空ける佐知子と、どこかへいなくなってしまう万里子、探す悦子・・・

悦子の夫や義父の会話も興味深いものです。
義父は穏やかな善人として描かれていますが、
・かつての教え子が、雑誌に自分の戦争責任(?)を書いたという話を持ち出して憤慨していたり、
・誰それが「亭主と細君が別々の党に投票したらしい」、戦前じゃ考えられなかったと呆れたり、

時代の空気がよーくわかります。

いろいろな世代のいろいろな立場のいろいろな考え方の人が、いろいろな会話を交わしつつ時間が流れていくのです。・・・説明が難しいのですが、とにかく「いい!」としか言えません、いいです!


ちなみに、これは最初『女たちの夏』というタイトルで発刊されたそうです。早川の文庫版が出る時に、原題の『A Pale View of Hills』から、『遠い山なみの光』に変更されたとのこと。・・・うーん、もし『女たちの夏』だったら、絶対に買わなかったなーと思いました。このタイトルは秀逸だと思います。




↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>

『ニコチアナ』の感想をあらためて

2010-06-19 14:28:02 | 読む
少し前に川端さんの『ニコチアナ』(角川文庫)を読みまして、感想を書いておこうと思います。
読み終わるのがもったいない、ずっと読み続けたい・・と思う長編小説でした!


「無煙タバコ」を軸にした物語で・・・説明は難しいのですが、どこまでがノンフィクションでどこからが作り話なのか、その境目がみつからなくて、読んでいると、それこそ自分がニコチンに酔ってしまっているかのような不思議な感覚を覚えるのです。ジャングルの中で迷うような、SFチックな未来の幻影が見えるような。

いろんな人物が登場して、代わる代わるに各人物の視点で語られ、また、場所も日本、アメリカ、グアテマラ、中国・・で、物語が進みます。

ときどき、敢えて(?)誰の視点で語られているのかが曖昧だったりするので、最初のうちは読みにくかったのですが、だんだんと人物像がはっきりしてきて、逆に物語の進み方のほうは「先が読めない」感じになってきて、「チョー面白ーい」となりました。







以下、ネタバレになるかもしれないので、ご注意ください。





深森夫人の「ホオズキ」の話が、後で出てきたときには、背筋がぞくーっとしてしまいました。ちょっと、あれです、ブラッドベリの短編で、きのこの話が出てくるやるがあるのですが(=子どもたちの間で、きのこを通販で取り寄せるのが流行して・・・っていう話です)、ああいう雰囲気の、ぞくーっ・・・です。 ←意味がわかりませんね


ビジネスの話がバリッと出てくるかと思えば、怪しい話が出てきたり、スピリチュアル系のイライラっとするストーリーに入り込んだり、だんだん読むほうも混乱してきて、・・・その混乱が面白かったりします。

私がこの本を買ったのは、装丁のイラストに一目ぼれして「ジャケ買い」としたからなのですが、このイラストの雰囲気は、本当に内容に合っていると思います。こういう雰囲気の(?)小説です!



それから登場人物ですが。
パトリックの、鼻持ちならない(?)感じが、非常によかったであります。
最初のほう、裁判で証言する際の演技で性格がよくわかり、「おもしろーい」と思っていたら、

途中で儀式の犠牲になってしまい・・・・

・・・と思いきや、復活の仕方がすばらしい、「さすがパット」というような感じで大喜びしてしまいました。

最後の最後も、苗を足で踏みつぶすのはやはり「パット」。いいですねー
ここは、あれです、スティーブンキングの『デッドゾーン』で、後に大統領を目指す男が保険の営業で外回りをしている時に、イライラして何かに八つ当たりするシーン、あれを思い出しました ← いや、ぜんぜん関係ありません。



デュークのタバコに対する思いも、非常に美しく語られているので、私はタバコを吸ったことがありませんが、思わず「喫煙」っていいかも?などと思ってしまうほどでした。
でもって第2章の最後、デュークが「わかったぞ!」と立ち上がり歩き出すシーンは、なんてドラマチックなのか!と感動ものです。ここはまだ物語の前半ですが、なんという印象的なシーンかと。



・・こんな調子で書いていくと、いつまでたっても終わりませんので、いい加減にしますが。


実は、主人公(と言っていいのかな)の日本人女性=メイが、どうも、よくわからない人物でした。パットから見る「幼く見えるメイ、だけど仕事に前向きなメイ」は面白い人物なのですが、メイの視点というか、メイの考え方が「言葉」で語られると、逆にわかりにくいのです。

タバコを吸う父親を軽蔑しながら、自分は、タバコを吸わない後輩に喫煙を無理強いするという野蛮人ぶり^^;; ←これはかなり衝撃的でした
「仕事をする女性=肩肘を張っている」というパターンなのかなあ。


唯一、「おっ」と思ったのが、公会議の前、マリアに会うシーンで、メイが

「もう忘れているでしょうけど」

と話しかけるところです。
それまで、メイは周囲の男性たちと話すときは、妙に突っ張っていて肩がこる感じだったのですが、このとき、マリアに対しては当たりがやわらかくて、非常に好きなシーンでした。ちょっとしたシーンなのですが。




↓おすすめです。
ニコチアナ (角川文庫)
川端 裕人
角川グループパブリッシング

このアイテムの詳細を見る




↓参加しています。
にほんブログ村 主婦日記ブログ 兼業主婦へ
にほんブログ村
<script</script><noscript></noscript>