22話9ページ目で、
マルセルがハリソンさん
の事を「行く先々で
〈艶話集〉を自分に買いに
行かせるので、
めちゃ恥ずかしい」と言い、
ハリソンさんは
「あれは〈巷談集〉と言って、
市井の人々の生活や
人情を描いた〈文学〉」
なのだと反論していました。
前編21話11ページ目では、
クレールさんが薬を包んだ
紙に書いてあった話を
面白そうに読んでいて、
マルセルが「またそのテの
話を読んでますね」
と睨んでいます。
どんな話だったのか
というと、
前編のどこかにも
書いてありましたが、
画家の妻が浮気相手を、
キリスト磔刑の姿を
描く用の十字架
(夫が工房で製作中)
の前に立たせ、
布で覆って隠しておいた。
それを夫が見つけて
「タマぶった切ってやる!」
と追い回すが、
逃げられてしまう。
その後、夫婦は大ゲンカ
となり妻が圧勝。
「馬乗りされているのを、
騒ぎを聞きつけた
ご近所さんに見られたら
バツが悪い」
と哀願する夫に対し叫ぶ妻
「私は近所の人全員に
見てもらいたいわ!」
結局、夫は「騒いだ自分が
大バカだった…」
と悟るのだった。
クレールさん家の
薬屋では、
新聞紙や廃棄された
書籍のページを
薬を包む紙として
再利用しています。
クレールさんは
それらを仕事の合間に読んで
気分転換もしています。
中には、上記のような
若い女性には
刺激の強い、
結婚への憧れを
打ち砕いてしまいかねない
ような話もあったりします。
18世紀のフランスの
各主要都市にも税関は有って、
ハリソンさんが巷談集を
どのようなイリュージョンで
通過させていたのかというと、
あっさりチップを渡して
「私の従者はフランス
各地の人々の話を集めて
研究したいそうなので」
と、お澄まししていました。
そんな所もマルセルは
気に入らなかったりして…。
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悲運の商人アントニオと
20個の卵の物語の続き
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グイードは
「もしバレたら自分も共犯者として
罰せられてしまう!」
と恐慌状態に陥っていました。
彼は税関長に自分の主人の企みを
話してしまいます。
そして
「自分が言ったなんて事は主人に
悟られないようにして下さい」
と、付け加える事も忘れませんでした。
税関長は
「そうさ、私が自分で見つけた事に
させてもらうとするよ。
私を誰だと思ってるのかね?」
他の職員達は
「こりゃ面白いものが見られるぞ!」
と、心の中でニコニコワクワク
してしまいました。
この続きは10月10日(日)
クレールさん、特に表情も変えずに
ハリソンさんの様子を伺っていますが、
この後、彼女に事件が―――。