
恩田作品の短編集。
「麦の海に沈む果実」の登場人物の物語。
ラジオスタジオと奇妙な置物。
東北の内陸部のどこか、そこで老人が冷凍みかんと一緒に入れていたものに刺激を加えると・・・。
恩田作品に触れたこともあるものならば その空間に遊ぶすべを心得ているような短編
「赤い鞠」「卒業」「深夜の食欲」「いいわけ」など
表題作は最後に載っているもので
ビールについて語り出し、トランぺッターの話とその繋がりを語ったと思うと
突然 心太の話へ跳ぶ。
そして幽霊屋敷のはなしと子供の頃に聞いた音。
次々と語られながら 子供の頃の忘れていた記憶の謎を解く。
この語りと展開を楽しむ。
この短編集にはジャンル多様な恩田作品の色が詰まっています。
これらの短編はいくつかの連載へと繋がっているそうです。