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散歩 ◆新潟市のあたり

日々綴り 新潟市のあたりから

眼下の敵

2009-04-25 22:37:20 | 本、映像・音楽

眼下の敵(The Enemy Below) 1957年 アメリカ・西ドイツ
監督 ; ディック・パウエル
出演 ; ロバート・ミッチャム / クルト・ユルゲンス

第二次世界大戦中の南大西洋。
アメリカ駆逐艦ヘインズは、ドイツUボートを発見。
お互いが知略を駆使しての戦闘がはじまる。

潜水艦映画の古典とも云われる作品で
駆逐艦、Uボート。どちらも公平な視点で描いています。
この時代の特徴でしょうか、反戦姿勢はそれほど強く感じられませんが
どちらの館長も戦争には批判的です。
まるで戦争を題材に騎士道を語るような映画です。

赤×ピンク

2009-04-23 05:04:57 | 本、映像・音楽

赤×ピンク 桜庭一樹 著

東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールファイト「ガールズブラッド」
彼女等は、適当につけられた設定にしたがい衣装を身に着けて戦う。
この小説では
「まゆ十四歳」泣き虫。孤独好き。好物はチョコバナナパフェ。指名料3000円
「ミーコ女王様」19歳。天性のサド娘。趣味、彫金。指名料2000円
「空手少女、皐月」19歳。インターハイベスト4のスポーツ少女。趣味、バイクと古着屋巡り。指名料2500円
この三人が絡んで話が進む。

彼女等は個々 悩み、問題を抱えている。
その閉塞感を檻の中に入れられガールファイトを演じることで紛らわしている。
区切りを与えることが出来た時、彼女は檻を自らの意思で出て行く。

モノクロームの少女

2009-04-21 20:26:08 | 本、映像・音楽


まちを歩いているときに見つけたパンフレットにありました。
栃尾で撮られた映画 モノクロームの少女
監督 ; 五藤利弘
出演者 ; 寺島咲・入野自由。川村亮介・大杉漣・加藤武

webサイトで見ると青春ファンタジー映画で、こんな感じではじまるようです。
地震で壊れたままになっている中学校校舎跡に
3年前の地震の際に失くしたキーホルダーを探しに
校舎跡にやってきた くるみと幼馴染の五十嵐広志は古い木箱を見つける。
中には、哀しげに微笑を向ける少女の写真が入っていた。
引き込まれるように見ていたふたりに写真の少女が語りかけた。
「ここから出して。・・・ただ、あの人に会いたい・・・」
切ない思いを感じたふたりは、「あの人」を探すことに。

公式サイトで見ると
(転載----- )新潟県長岡市出身の映像作家・ 五藤利弘が
次第に失われていく故郷の美しい自然を何かで残しておきたいとの思いから、
幻想性と感動を秘めたストーリーの中に自然いっぱいの風景を封じ込めたいと企画。

恋に悩み、今をひたむきに生きる若者たちが、
変わっていくもの、無くなっていくものの大切さ、
無くなっていく事の寂しさに気がつきながらも前向きに、
未来に向けた希望を謳う物語です。-------(転載おわり)

5月に公開されるそうです。
夏の終りにロケーションされた映画、その風景に惹かれそうな予感。
サイドストーリー 思い出はモノクロームが配信中

砂時計

2009-04-16 20:44:26 | 本、映像・音楽

「過去が未来になったよ」
砂時計
出演: 松下奈緒, 夏帆, 井坂俊哉, 池松壮亮, 塚田健太
監督: 佐藤信介
原作:「砂時計」 芦原妃名子 (小学館ベツコミフラワーコミックス)

島根にある仁摩サンドミュージアムの一年計砂時計が切り替わるときではじまる映画。
14歳の水瀬杏は、両親の離婚により母の実家・島根県にきた。
田舎独特の雰囲気と祖母・美佐代に馴染めなかった杏だったが、
近所に住む同い年の大悟や藤、藤の妹・椎香たちと出会い、少しずつ自分の居場所を見つけることができた。
そんな中、母、美和子が杏を残して自殺してしまう。
悲しみと後悔に暮れる杏を大悟は「おれが、ずっと一緒におっちゃるけん」と力強く抱きしめた。

色々な出来事と母の自殺のトラウマから大好きな大悟と別れてしまった杏。
26歳になった杏は婚約者の佐倉と島根の祖母に報告にきて、同窓会に出席する。
そこで大悟から「結婚おめでとうな」と砂時計を返される。

過去と未来を交差させて描かれた初恋の物語。

映画「砂時計」オフィシャルサイト

マイマイ新子

2009-04-11 05:17:41 | 本、映像・音楽

マイマイ新子 高樹のぶ子 著

麦畑、藤蔓のハンモック、山賊の穴への決死隊、転校生、花火みたいなヒュコレーホ。
昭和30年、高度経済成長前、太平洋戦争終了10年。
気持がざわざわすると、マイマイが立ち上がる9歳の少女、新子の周りでの色々な出来事。
テレビや冷蔵庫は普及前夜。
物は今よりずっとなかったけれど、でもとても豊かに感じる時代の風景。
実際に見たわけではなくいつか本や写真で見た風景なのだろうけれど、とても懐かしく感じられる世界。
この本で新子とともにそんな風景の中に入れます。

この本を原作としたアニメーション映画
「マイマイ新子と千年の魔法」が今年公開予定だそうです。

つむじ風食堂の夜

2009-04-08 05:46:43 | 本、映像・音楽

つむじ風食堂の夜 吉田篤弘 著

そこは月船町。
十字路の角にぽつんとひとつ灯をともす暖簾に名入れのない食堂。
この十字路にはいつでも、つむじ風がひとつくるりと廻っていて、
名無しの食堂は客たちから「つむじ風食堂」と呼ばれるようになった。
これは その食堂に集う ちょっと風変わりの人たちの他愛のないふれあいの話。

読みながら感じたのは宮沢賢治の世界。
映像で描かれたなら魅力的な世界がそこに現れるのだろうなとも。
そして公開は個性的な映画ばかり上映する映画館でこの世界を楽しめる人たちと。
冬が終り春の暖かさに包み込まれるように 胸のあたりがほっこりしてくる作品です。

わくらば日記

2009-04-06 21:23:03 | 本、映像・音楽

わくらば日記 朱川湊人 著

「わくらば」は傷ついた葉「病葉」または若葉をあらわす「嫩葉」の両方の意味を持ちます。
病弱な姉「鈴音」と元気な「和歌子」を主人公にしたものがたり。
舞台は「三丁目の夕日」に描かれていたと同じ昭和三十年代。
東京タワーが次第に出来上がっていき、おばけ煙突があった時代。

はなしは和歌子が若くして亡くなった姉の思い出を語るように進みます
その姉、鈴音には人や物が持つ「記憶」を見ることができる不思議な力がありました。
その力を使って、近所で起きたひき逃げ事件を解決します。
でも、犯人の背景、なぜ逃げたかも見えてしまうので 単なる犯人探しでは終われなくなります。

五編からなる
ふたりの身近で起きる日々のことに重ねられる時代の風景。
・・・あの時代のイメージからなのでしょうか
「やさしさ」と「あたたかさ」、そして「ものがなしさ」が伝わってくるのです。

卵の緒

2009-04-03 22:56:02 | 本、映像・音楽

卵の緒 瀬尾まいこ 著

なんて素敵な読後感なんでしょう。
可愛らしくて素敵な小学生が出てくる二編。
僕は捨て子だ。ではじまる「卵の緒」
へその緒を見せてと頼んだら、卵の殻を見せて
「母さん、育生は卵で生んだの。だから、へその緒じゃなて、卵の殻置いているの。」
とけろりとした顔でそういった。
素敵な母と素敵な育生。素敵な母子。
そして「人生の楽しみの半分は食にあるんだから」と、言い切る母。
食卓の風景に素敵なことが重なってくる。とてもすてきな愛情ものがたり。

高校生の七子と小学生の七生。一緒に暮らすこととなった姉弟の「7's blood」
顔つきんがそっくりな姉弟。でも、七生は亡き父の愛人の子ども。
最初は戸惑いながら、ぎこちなく。
でも間を埋めるようにふたりの時間がゆっくり進みます。
ちょっぴり切なくて、胸のあたりがあたたかくなるものがたりです。

しあわせのねだん

2009-03-31 21:27:55 | 本、映像・音楽

しあわせのねだん 角田光代 著

目次には「昼めし 977円」「電子辞書 24000円」「すべすべクリーム 4500円」「携帯電話 26000円」・・・
と、こんな題が並びます。
たとえば「蟹コース 5820円」は「食べる、と、飲む、が、べつの行為であることを最近になって知った。」
「ごはんを食べにいきましょう」=「酒を飲みましょう」の作者ならではの楽しい出来事。
ちょっとふしぎな題名から紡がれる家計簿エッセイ。
それから「記憶 9800円」は価格の安さで選んだ母との温泉旅行の話。
失敗談なんだけれど、どこかあたたかい この話好きなんです。

そうなんですこのエッセイが綴っているのは
この品物にお金を使う時、それと一緒になにかを手に入れている はず。
しあわせのねだん。(^_^)

ウインクで乾杯

2009-03-31 20:48:00 | 本、映像・音楽

ウインクで乾杯  東野圭吾 著

コンパニオン小田香子の同僚牧村絵里が毒入りビールを飲んで死んだ。
現場はちょっと前に彼女と別れたばかりの今日の仕事場のホテルの控え室。
ドアにはチェーンがかかった密室、警察は自殺と判断していたが・・・。

最近の東野圭吾のイメージで読みはじめると えっ!? となるかも。
2時間もののテレビサスペンスのような作品で、そんな気分で読むと好いものです。
この小説の舞台の風景がちょっと懐かしい感じがするなと思って末尾を見ると
昭和63年10月に「香子の夢」として新書判で刊行されたものだという。
「バブル」以前の時代、価値観の頃なんだと納得。
移動時間調節にこんなちょっと昔のスタイルの小説を楽しむのも良いかも。