「生涯引きこもり」と宣言された私の、超豪華オプション生活

 登校拒否となり、生涯ひきこもりであろうと決めつけられて四半世紀。社会人として生きる記録。#発達障害 #自閉症 #ニート

メサイヤの思い出

2021-12-04 09:25:06 | バロック音楽

 

 

 

たまには楽しいことを書いてみる。

私がクラシック音楽に飛び込むきっかけとなった、ヘンデルの大曲「メサイヤ」演奏。

 

私のクラシック音楽での最初の舞台デビューは、2002年年度冬の、府中市におけるメサイヤ演奏会だった。

私は合唱団のテノールに〈辛うじて〉加わり事ができ、私の真横には私が外さぬよう、ベテランのひときわ目立つアメリカ人団員が張り付いてくれた。

 

そのコンサートは諸事情から、ソプラノの独唱のソリストを当時14歳の少女が努めることになった。

彼女の名、クリスティン 木実〈このみ〉 ウィットマー という。

 

リンクに2020年12月の演奏〈オラトリオメサイヤ・第一楽章アリア・リジョイス〉を貼っておく。

何度聞いてもブラボーと言いたい演奏だ。

この国でバロック音楽の声楽をやるもので、彼女の名を知らぬ者は、もぐりである。

Rejoice greatly (Messiah) - Händel - YouTube

 

彼女は音楽好きの父親の下、当時立川市の教会で行われていた合唱の練習に一家で来ていて、合唱で1年弱一緒に歌ったものだった。

妹のタリサ久美先生〈現在はプロのリュート・テオルボ奏者〉と一緒にソロパートをよくやってくれていたものだった。

当時ティーンネイジャーの、かわいく生意気盛りだった頃のウィットマー姉妹をおもしろく、懐かしく思い出す。

 

当時14歳だった木実先生が、結果的に抜擢された。

諸事情ある中、天才少女にはちょうどいい度胸試しだと、私も思った。

上記のリンクのようには当然当時の木実先生にはできないものだったが、それでも見事にやりぬいてくれたものだった。

特に第三楽章の冒頭アリアは、見事だったと記憶している。

 

木実先生の独唱をこの耳で再び聞くまでは、死ねないな。

できれば、何かの舞台で、自分は合唱団の末席から、一緒に演奏したいな、

 

その直後、ウィットマー家はわけあって合唱団から離れた。

私も転職により、その春に東京から郷里・愛知に戻った。合唱はうつ病が醜くなるまでは継続していた。もちろん今も、チャンスと体調が許せず何かしたいと思っている。

 

5年ほど前、バッハコレギウムジャパン(BCJ}のマタイ受難曲名古屋演奏会で偶然、合唱団の一員として参加しておられた木実先生を見て、びっくり仰天したものだった。

立川で一緒に練習した天才少女が、本物のプロになったんだ。と知った。

うれしかった。

調べてみると、彼女は立川の団体から離れてから、なぜかBCJの人たちに見いだされ〈府中の演奏会に来ていたか?〉、鈴木美登里先生をはじめそうそうたる先生方に師事し、東京藝術大学卒業。同大学院修士修了。オランダにわたり音楽学校〈博士課程?〉を経て、今はオランダを中心に活動。コロナ前はBCJのメサイヤやバッハのカンタータ演奏会などに参加していた。ネットでは大学院生時代からマニアの間で話題になっていた。

木実先生の公式ページなどのリンクを貼っておく〈日本語少なし〉。

(1) Kristen Konomi Witmer - クリステン木実ウィットマー | Facebook

Kristen Witmer – SOPRANO

 

子だくさんで子育てに一生懸命だったウィットマーさん〈木実先生の父上・冒頭の私の横でいつも歌っていたアメリカ人〉から、ずぶの初心者の私はいろいろお世話になり、いろいろ楽しく語ってくださったことが思い出される。

ちなみに私にとって「クリスさん」とは父上のことだが、父上は木実さんのことを「クリィス」と呼んでいた。言葉とは難解なものだ。

この一家のことを知っているから、クラシック音楽やっている人がセレブだというのは偏見だと強く思う。

家が金持ちでないから、東京芸大にしか行けなかったんだ。

それでもすごいわ。姉妹とも東京芸大。

ついでに久美先生の公式アカウントも張っときます。〈ほぼ英語〉

Talitha Cumi Witmer - Lutenist | Facebook

Talitha Witmer - Luitiste | Zuid Holland | Den Haag

 

父上のクリストファー ウィットマーさんは事故に合われて故人であると、風の便りで聞いている。天国の父上も、娘さんたちの成長を喜んでいるだろう。

立川の練習場でちょろちょろしていた兄弟たちも、ネット公開されている情報によると今は立派に成人されているようだ。

ちょろちょろしていた子供たちを排除しない姿勢を貫いた指導者は偉いと思う。音楽嫌いを減らしたい。好きになってもらいたい。という思いからであると説明された。そういうところはその声楽指導者のいいところだ。

 

今日はとりとめのない昔話。最後まで読んでくださった方には感謝です。

これからも本ブログと、音楽家としてのウィットマー姉妹を、よろしくお願いします。

〈いつの間にか、たくさんCD出してるわ。びっくり。もう立派な大先生だ。〉

 

※2002年当時、木実先生は「クリスティン」表記で呼ばれ、印刷もされていた。私にとっては「クリスティン」さんなので、日本在住時の表記で書きました。

今は「クリステン ウイットマー」表記に統一した模様。お名前の"i"が"e"になっている。おそらくルーツであるドイツ的表記を、現在お住いのオランダ語表記に合わせたものと推定。

 

 

 

コメント
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