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歳月手記

歳月のちょっとしたメモです。
ちなみに「さいげつ」ではなく「としつき」です。

変身

2006-01-05 00:00:00 | おもしそうな本
変身 新潮文庫

カフカ (著), 高橋 義孝
価格: ¥340 (税込)

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「有名な作品でありながら、読んだことの無い本。」

カフカの『変身』もそのひとつでした。

ネパール旅行中に村上春樹の『海辺のカフカ』を読んで、
「カフカってどんな本を書いていたっけ?」
と思ったので読んでみることにしました。


大まかに話すとこんな感じのあらすじでした。

・私は、ある朝目覚めると「虫」になっていた。
・家族がこれからの生活を悲観する。
・私は自分の部屋に軟禁状態になる。
・家族は生活のために仕事を始める。
・私は、死んでしまう。
・家族は、これからの生活がそう悲観したものでないことに気がつく。

なぜ虫になってしまったのか、。
変身前、変身後、死亡後で変化する態度。
父親の投げたりんごが死亡原因

話では聞いていましたが、本当に救いようのない・・・まさに不条理文学です。


ただ、1つ思ったのは、
「この不条理は現実に起こりうるし、よく聞くことがある」と。

もちろん人間がある日突然""になることはありません。
しかし、「虫になる」ことを「事故にあって体の自由が利かなくなる」、
「一家を支えていた父親が老衰によって動けなくなる」に置き換えてみると・・・。

稼ぎが頭が動けなくなり、途方に暮れる家族。
次第に邪魔者にされ、家族は家族で自立を始める。
そして死んでしまい、残された家族はほっと安堵する。

ワイドショーでよく聞きそうな話です。

現代の人気小説の様に「おもしろい」話ではありませんが、
興味がある方は一読をお勧めします。


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変身 新潮文庫