Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

楽しい終末 / 池澤夏樹

2012-08-29 | 
こういう本の登場を待っていたのだと思う。 ただし、この本が書かれたのは1993年。およそ20年前。 20世紀が、やがて終わろうとしている時期、「世界の終わり」終末をキーワードにして綴られる論考。 それは巷に溢れた扇情的な世紀末論とは一線を画する。 人という種を、そして人という種が創り上げた文化を多岐にわたって論証してゆく。 私たちの立っているこの足元を、容赦なく白日の下に晒してゆく。 それは正直、とても辛い体験だった。 でも途中でページをおくことような真似はできなかった。 「眼を背けるな」という声が背中を圧し続ける。 それは震災以来、ずっと私たち日本人を叱咤し続けて来た内なる声だったと思う。 . . . 本文を読む
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