
でも「桟橋のらんかんを二三度両手でゆりうごかし」たり、「浮き桟橋」なんて表現が出てくると、これは「普通」の「なんか橋」じゃない。
しばらくして辞書で引くと「船舶をつなぎ、貨物の積み卸しまたは船客の昇降のため、水面から突出させた構造物で、脚柱で水底に指示する形式のもの」(広辞苑)なんて定義を目にすることになる。これでも戸惑うことがあり、感覚的に「広義には浮桟橋(ポンツーン:Pontoon)も桟橋に含むことがある」(ウィキペディア)ということを理解していく。
「そんなことがあったよなあ」と今回漢和辞典を見てみた。
たとえば『新潮日本語漢字辞典』の「桟橋」の説明を見ると「桟道をつくる、棚のような部分。また伝説などで、渓谷をまたぐ橋や天上と結ぶ段」という説明がある。ちなみに読みは「さんきょう」。
では「桟道」とは何かといえば「険しい崖のあるところで、棚のように作るなどして設けた道。『箱根の山は天下の阻 蜀の桟道数ならず』」なんて例が書いてある。
むむ。
「もう『桟橋』、知ってるよ」と思っていた頭にあったのは「桟橋=水辺」の連想。山と結びつくイメージがあるのは全く知らなかった。
ちなみに旧字の「棧」は、『学研新漢和大字典』によれば会意件形声文字ということになってる。すなわち旁が音符であるとともに「戈」二つで小さくする意味を表すとのこと。なるほどなあ。
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