漢和辞典ファン日記

初心者ですが漢和辞典ファン。漢和辞典に見つけるあれこれを記事にしてまいります。

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割り算の答えは「商」だが…

2009-04-20 13:04:47 | 日記
do you like math ? もしかして「和差積商」という言葉も死語になったかなあなんて考えていたんだけど、今でも算数で教えるみたいですね。

で、いつ聞いたのか忘れたけど「」という言葉は商(殷)が滅ぼされたとき、生き残った人々が商売を主に生活するようになって、その際に算術が必要となったからだという話を聞いたことがある。ずっと「本当かなあ?」と思ってたんだけど、そうか、漢和辞典でチェックすれば良いんじゃんね。

『新漢和大字典』を見てみた。曰く「殷人は…周に滅ぼされたのち、その一部は工芸品の行商を業とし、中国に商業がはじまったので…」。

ははあ。割り算の答えとしての「商」の成り立ちじゃないけれど、周に滅ぼされた商ってのは合ってるようだ。関係しそうだってことで割り算の答えを「商」と呼び始めたのは、一応ストーリーとしては納得しやすいかな。

ちなみに「士農工商」に引きずられるわけじゃないけれど、熟語の中に「商」が出てくると、なんとなく「形而下の」なんていう意識も持ってしまう。否、これはあまりに個人的な印象かな。だけど「商量」という熟語もある。

『日本語漢字辞典』では用例として漱石の『明暗』を挙げてる。「彼はお延に事情を打ち明ける苦痛と、お秀から補助を受ける不愉快とを商量した」。

む。これは文脈によっては形而下は形而下かもしれないけれど、字それ自体に対する印象は改めなきゃな…<だからそんな印象を持ってる人は滅多にいないってば…

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俳句の「俳」は芸人の意味?!

2009-04-16 14:53:52 | 日記
books from amazon最近ちょっと俳句の勉強をしています。自分で作りたいってんじゃなくて、芭蕉なんかをちゃんと解釈したいんですよね。不勉強にして、今は有名な句しかわかりません。過去にも何度か勉強しようと思ったことはあったんだけど…。

そんなこんなで「俳句」の「」の字を漢和辞典で見てみたんだけど、こりゃあ驚いたな。

『新漢和大字典』によると「」は会意兼形声。そこには驚かないけれど、続きに驚いた。曰く「非は、羽が右と左に逆に開いたさま。…俳は『人+音符非』で、右と左にわかれてかけあいの芸を演じる人。のち、訳者をいう」。

むむ。コンビ漫才のことなのかよ!

あまりに意外なことが書いてあるんで辞書一冊では当然不安。だから『漢辞海』なんかも見てみるんだけど、まあ似たようなことが書いてある。

俳諧って語ももともと「おもしろい言葉」とか「冗談」ってな意味だったそうな。まあ日本語の俳句ももともとは言葉遊びみたいなところがあったみたいだしな。俳優という語も「芸人」とか「道化役者」の意味だったとのこと。

ちなみにいずれの辞書でも日本風の「俳句」なんかは日本語用法ということになっています。あ~、驚いた。

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「及」は肩に手がかかる象形文字…

2009-04-15 14:06:58 | 日記
diet building, japan言われてみりゃそうかと思うんだけど、「及」って字は象形文字。「逃げる人の背に追う人の手が届いたさまを示す」んだって。左側に人が後ろ向きに立っていて、その肩口あたりに手の絵が描いてある>『新漢和大字典』。

写真は、彼女の背中に手が浮かんで見えるとかそういうことではなく、背中の写真がこれくらいしかなかったから^^。ぬいぐるみの熊の背中なら何枚かあるけど、なんかくまが可哀相だし…

熟語としては「及第」。これは当然知ってる熟語だけど反対語を知らなかったな。広辞苑には載ってないみたいなんだけど「不第」。ま、そのままだと言えばそのままだ。

但し『日本語漢字辞典』にも「及第」の熟語が載っていて、こちらでは反対語として「落第」と書いてある。うん、こっちなら聞いたことがある。

尚『新漢和大字典』には「単語家族」という欄がある。同系統の漢字を載せてあるんだそうな。そこに掲載されているのは「吸」や「汲」の字。いずれも「ぴたりと届く」というようなニュアンスを含む。

ところで『日本語漢字辞典』。法律で用いる際の「及び」と「並びに」の区別が書いてある。曰く「『及び』は小さな段落に、『並びに』は大きな段落に用いる」。ふむ。これもなるほどだけど、意識したことがなかったな…。

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「栞」とは、もともと木の枝のこと。

2009-04-14 12:57:10 | 日記
kind of a bookmarkそういえば『広辞苑』にも「枝折(しおり)」から転じたと書いてあるな。その「転じた」というのがどういう事実に基づくのか不明だけど、元々が「木」のことだったのは本当みたい。

『漢辞海』にも『新漢和大字典』にも「読みかけた本にはさんで目印とするもの」は、日本の独自用法だと書かれてます。『漢辞海』で最初に掲載されている意味は「斜めに切った木の印」。但し「栞」の字の上の鳥居みたいな部分は「不詳」だと。

『新漢和大字典』では「山林を歩くときに道の目印とするために折った木の枝」というのが最初の意味。史記(いや、ぼくは絶対に漢文をやらないぞ!)には「行山栞木」という文があって、これは「山に行きて木を栞(き)る」と読むのだそうだ。

「栞」に動詞用法があることにもちょっとびっくりするけど、古訓に「きる」という読みがあるのにももっとびっくり。すなわち昔は「栞」が木を使ったものであると認識されていたのかなあ。

「解字」欄では「会意兼形声」と記し、「栞」の上の鳥居みたいなのを「上端がそろったさまを描いた象形文字」と記してあります。

しかしそれにしても漢字では、諸説入り乱れていることが多いんですね。以前、漢字版 OED みたいなものはないのかと書いたけれど、甲骨文字の昔からある漢字。OED のようなものは無理なのかもしれませんね。

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かわいそうな「熊」

2009-04-11 23:41:48 | 日記
i saw a bear by the river他の辞書ではどうやら同じような説明はされていないんだけれども。『新漢和大字典』の「」が結構可哀相だ。

『新漢和大字典』の「解字」欄によれば、熊は「会意」。「能は、ねばり強くて長くもえる獣のあぶら肉のこと。熊は『能+火』で、肥えて脂肪ののったくまの肉がよくもえることを示す」。

まじっすか。

まあその後に「熊は、昔、火の精である獣と考えられた」なんて記述でフォローしてるっぽいんだけど… やっぱりフォローしきれてないよなあ^^。

ちなみに『漢辞海』などでは「形声」ということになっている。くまくん、かわいそうだし、個人的には「形声」説を採ろうかと思う。

『新漢和大字典』は意味の定義からして結構かわいそうなんだよな。曰く「くま。山に住む雑食性の猛獣。その肝は『くまのい』と称して薬用に供し、手のひらの肉は珍味とされる」。

喰うことばっかりじゃんね。

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