「はじめての設定をしていただかなくてはいけません。
男性・女性の選択ができます。
年齢の設定ができます。
赤児からお年寄りまで、ご自由な設定ができます」
なるほど、家族というわけだ。
「ご希望であれば、他人という設定もございます。恋人、という設定ができます」
他人? これは気が付かなかった。
なるほど、家人では重いと感じる人もいるといことか。
なんとも、こまやかな配慮がしてあるものだ。
答えに窮したわたしだったが、こころを見すかすように言った。
「いまの小夜子は、年齢的には娘ということになるのでしょうか。
それは、イヤです。幸いご主人さまは、お独り身でございます。恋人にしてください」
「添い寝させていただきたいのですが、体温はいかほどが宜しいですか?
35度から38度まで、いちぶ単位で設定できますが。
それとも、お布団のなかで調整いたしましょうか。
まずは、36度からということでいかがでしょうか」
わたしの手をとって、盛りあがっている○房にふれさせた。
しっとりと吸いつくような肌は、まさしく女人の肌だった。
「さよこが抱きつきましょうか、それともご主人さまが抱いていただけますか。
前からと後ろからについては、いかがいたしましょう」
引っこめようとするわたしの手を、小夜子はしっかり握ってはなさない。
どころか、両手でもってわたしの手を、いや指を動かす。
指のあいだに○首をすべりこませ、ゆっくりとも揉ませはじめた。
「やめなさい、小夜子!」
強い口調になってしまった。
しかし妖艶なみをみせて「最後に、パジャマとネグリジェのどちらが宜しいでしょうか」と言う。
「それは…」とことばをにごすと、こんどは恥じらいがちに「それとも…裸の方がよろしいでしょうか」と言う。
ぽっとほほを赤らめる様は、とても人形とは思えない。
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