昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第七章:もう一つの 「じゃあず」(二)

2024-07-13 08:00:01 | 物語り

訝しげに見る目を気にしつつ、付け足した。

「目が、痛いんだ!」

言葉が空を横切った途端、“嘘だ!”と、心が叫んでいた。

そう、心が叫ぶまでもなく脳は刺激され、
サングラスのない世界の恐ろしさが瞼の裏に醸し出された。

そこによぎる全てが眩しいものだった。

“信じられないんです”

ある時、目に見えぬ何ものかに向かってそう叫んだ時、また心は叫んでいた。

“嘘だ!”

決して言葉のせいではなく、といって
“信じなさい、信じることが唯一の道です”
という言葉をはねつけたせいでもない。



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