昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第七章:もう一つの 「じゃあず」

2024-07-06 08:00:16 | 物語り

「黙れ、黙れ、黙れ! 調べはついているんだ。

お前の仕業だということは、お天道様がお見通しだ! 

ここは、すでに包囲していーる! 

貴様は、逃げらーれなーい!」

「あらぁ、なんてこったい。

どうしてそんなに おおごえでどなるんだよ。

けっ! まるであんたのうしろにいるにんげんどもを、みせびらかしているみたいなもんだぜ。

おれはえらいんだ、つよいんだ! って、
しきりにしょうめいしようと やっきになってるみたいだぜ」

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(一)

その日はいつになくすがすがしい目覚めで、
部屋中に漂うコーヒーに意識が誘われてのこともあり、心はいつになく穏やかだった。

が、重い瞼を、開いては閉じ閉じては開き、そして閉じる…。

際限のないこの営みに、再び睡魔に襲われようとしたとき、
カーテンの隙間から時折射るように射し込む朝の太陽の光が、
その閉ざされた目を鋭くえぐった。

熱いコーヒーからは白い湯気が立っている。

テーブル上の冷たい銀のフレームのサングラスに目をやり、
思わずため息ともつかぬ吐息を漏らしている。

風は時折、快い風を呼ぶ。

しかしカーテンの揺れる度の太陽の光に、思わず背を向けてしまう。
「すまないが、カーテンを閉めてくれ!」



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