昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ボク、みつけたよ! (三十五)

2022-01-29 08:00:13 | 物語り

畑と言えば、麦も植えられていました。
ただ、その種類は分かりません。
この記憶が事実かどうか判然としませんが、その麦の中に黒い穂がありました。
触れるとその「黒」が付いてしまうのです。
後に知ったのですが、これは黒穂病とかいう植物の病気によって発生するものらしいです。
遊び回っていたわたしへの罰だったということでしょうか。

(農家の皆さん、ごめんなさい。今さらですが、謝罪させてもらいます)。
ズボンやらシャツやらに付いた状態で帰宅し、母親からこっぴどく叱られたものです。
そうだ! 叱られたと言えば、こんな言葉を大声で叫びながら帰ったものです。
近所の悪ガキとともに、畑のあぜ道を「はらへったあ、めしくわせえ!」と、連呼し続けたものです。
畑仕事の大人たちから「げんきがええのお!」と声をかけられたことを思い出します。
でもその途次で、たわわに実ったびわの木からいくつか頂戴していました。
正直甘みがすくないものだったと記憶しています。
多分熟していなかったのでしょう。これもまた、ごめんなさいです。

 もう一つ、大事件が勃発です。学校では上靴をはいていますよね? 勿論、わたしもはいていました。
ある時に1ヶ月ぐらいの期間でしょうか、上靴モニターというのがありました。
クラスの何人かの中から選んで、靴メーカーが提供してくれた上靴をはくのです。
その中の一人に選ばれましてね、毎日はかせてもらいました。(あたりまえか)。
で、月曜日返却だったと思うのですが――意味、わかりますよね。「洗って返す」ということなんです。
それは良いのです、母親が洗ってくれましたから。

 月曜日の当日、大事件です。お分かりですね、忘れちゃったんです。
学校に着いて、友だちが机の上に置いていたのでしょうね、忘れ物をしたことを気がついたのです。
父親はもちろん、母親も仕事で家にはいません。だれもいません。
定期券の時と同じように、「ごめんなさい、忘れました。明日、持ってきます」で事なきをえたと思うのですよ。
叱られはすると思いますが、そしてまたクラスメートにはやされたり馬鹿にされたりはすると思いますが。
だめなんですねえ、それが。叱られること、そして馬鹿にされたりすることが我慢ならんのですわ。
プライドが高いのか、メンタルが弱いのか、「優等生であらねばならぬ」という気持ちが強かったのですよ。



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