昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ボク、みつけたよ! (四十九)

2022-03-19 08:00:21 | 物語り

 思春期に注がれなかった――と感じている家族愛を、自分で自分にたっぷりとふり注いでいるんです。
宿をビジネスホテルにしているのも、できるだけマイカーによる移動にしているのも、節約のためです。
疲れますよ、そりゃ。東京のような大都会に出向く場合には夜行の高速バスをつかいますしね。
新幹線等をつかっての移動のほうが、そりゃ楽ですよ。
とにかく移動やら休息に関しては、ケチケチです。
収入が少ないですから、本来はそんなには旅行なんて出かけられません。
ですので日々の遣いを節約して、旅行費用に充てているわけです。
「お大尽はちがうねえ」。会社の同僚やらお隣さんたちから言われますが「いま愉しまなくちゃ、いつ愉しむの」と、ことばを返しています。

 刹那主義? かもしれませんね。ですが「あと何年うごける?」と、よく自問自答しているんです。
おそらくは、家族に看取られて、なんてことはないでしよう。
わたしの大好きな、歌手であり役者さんが、先日死亡されたとの報道がありました。
そして娘さんたちのことばに「お父さんの娘で良かった」というコメントを聞きました。
羨ましいかぎりです、最大限の褒めことばじゃないでしょうか。
考えたくはありませんが、わたし自身は孤独死ということばも覚悟しています。
まあ、できるだけご近所に迷惑はかけないようにしようとは考えていますが。

 翌日は、6時半ごろにめざめました。
もうひと眠りとベッドから離れませんでしたが、テレビを漫然と見ていました。
ですが気が付くと8時半です、あわてて起きました。
どうやら、いつの間にか眠ってしまったようです。
至福の時間です、これが。眠りたいときに眠り、起きたいときに起きる。
これですよ、これが、最高の贅沢です。
なにものにも縛られず、己の欲するがままに過ごす、ですよ。

 ではでは、伊万里小学校へとまいりましょうか。
ナビによると、車で7分程度の位置となっています。
高台にあるようです、と言うとおかしな風に聞こえるでしょうが、まるで覚えていないんです。
なにせ、その当時にどこを住処としていたのか、なんの記録も記憶もありませんから。
ただ、一軒家だったとしか、覚えていないのです。
お隣やらお向かいのことを、まるで覚えていないのです。
いったん離れた伊万里市です。この借家は、わたしの生家ではありません。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿