昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第五章:蒼い情愛 ~はんたー~

2024-05-11 08:00:36 | 物語り

(十一)罪人

 一体全体、世間の奴らはどういうつもりだ。
 殺せ殺せと焚きつけておいて、いざ思惑通りに事がはこぶと、今度はうらを返しやがって。

 やれ人殺しだの、人非人だの、残虐非道だのと責めやがって。
 どっちがだ! くっだらねえ奴ばっかりだ! 
 だれかが幸せになろうとすると、だれかに横槍を入れさせる。
 で、破滅を楽しむんだろうが。

『ぴかぴか光っているものはひとときのために生まれたもの。
 本当のものは、滅びることなく後世に伝わります』

 人間の愛というものは、後者でありたいと願うもの。
 そしてそのことのために、あのふたりは○刑囚を罪人として責めつづける。


*『』内は、多分ですが(若気の至りで、出典元を明らかにしていませんでした)
ゲーテ作「ファウスト」だと思います。



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