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昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

本日も、晴天なり!

2013-01-18 16:12:17 | よもやま話
少し風が冷たいですが、暖かな一日で終わりそうです。

「明日も寒い一日でしょう。」
天気予報では毎日のように聞く言葉ですが、
わたし、おかしいのでしょうか?

夜こそストーブに火を入れますが、朝昼には窓を全開にしているのですけど。
朝と言っても、起きるのは八時過ぎなんですけどね。

さてさて、本日も晴天の中、
あの、目だけ・小西真奈美ちゃんに会ってきましたよ~ん。

あの眼科、受付に超美人三人配置しているんですよ。
みんな、ほんとに美人なんです。

でもですね、わたしの本命は、検査係の、あの子です。
ほんとに、くるくるとした目で、愛らしいんですよ。

でも残念ながら、今日は彼女じゃありませんでした。
まあね、可愛い娘さんではあるんですが、あの愛くるしさはないんです。

それでは気を取り直して、後半と行きましょうか。
いよいよ、手術です。
ーーーーー

二階に上がると、四つの部屋があった。
「こちらの部屋にお入り下さい。」

指さされた部屋は、カーテンで四つに仕切られている。
それぞれに肘掛け付き椅子が置いてあり、リクライニング式らしい。

どうなんだろう、十二畳? それとも十六畳? 
真四角い部屋に見えたのですが。

「手術着に着替えて貰います。
それから血圧を計り、血糖値も調べさせてもらいますね。」

全ての準備が終わり、少し待つことになりました。
この時間が、いやでした。

色々考えちゃうんですよね。
「水晶体を取り除いて、人工レンズを入れ込みます。」

取り除くためには、当然、メスが入りますよね。
目ですよね、見えますよね、閉じてたらダメですよね。

手とか足とか、メスを入れられたことはありますけど、
目だけは、初めてなんですよ。

どうなんでしょ? 眼前にボールが飛んできたら、閉じますよね。
それが今度は、刃物なわけですよ。

麻酔で意識がなければ、知ったこっちゃない! ですよ。
でもね、目だけの麻酔なんですわ。

「滲みますよ。」
何度か差されている内に、滲みることもなくなっていくんです。
麻酔が効いている状態です。

「さ、行きますよ。内山さんですね? 内山敏洋さん。」
患者の確認でしょうけど、
さっきから何度もわたしの所に来てるでしょうが! 
つい心内で、叫びましたよ。

手術室は二重ドアになっていました。
なるほど、一応は衛生面を考えているんだ。

部屋の中は、小なりといえども、やはり手術室だ。
窓のない部屋で、いろんな装置やら機器類が置いてある。

「心電図をとらせてもらいますね。
それから、血圧を計ります。
あと指に、酸素○○を付けますよ。」

何と言われたか分からないけれども、聞き返すこともないかとそのままに。
いつも、97とか98ですねと言われるクリップのような機器だ。

理髪店にあるような椅子の上に乗って、椅子が倒れて、まな板の上の鯉だ。
目を閉じて、とにかく気持ちを落ち着けよう。

暗い漆黒の闇にね小さくうずくまって隠れているわたしを、
無理矢理に明るい世界に引きずり出そうとする陰謀めいた言葉が聞こえた。

「はい、内山さん。大きく目を開けて下さい。」
“先生、やめませんか? もうしばらくね、このままでも良いでしょ?”

強烈な朝の光が、無理矢理に入り込んできた。
眩しい! これほどに強烈な光は、初めてだ。

どどっと、洪水のような雨が降ってきた。
これが、あの50mmいや80mmとか言う降水量の降り方なのか?

わたしは一気に、あの大王イカが生息するという深海に落とし込まれたような錯覚に陥った。

少しは和らぐかと思った光量も、これ程の深海においても強い。
目を閉じたい、そう願っても、がっしりと機械で押さえ込まれているようだ。

「それじゃ、手術を始めます。」
“先生、先生! まだ心の整理がつい…”

なんだ? 一秒しか経っていないというのに、もう夕焼けだ。
ぱっと、赤い世界が、はるかな水面にある。

またしても、雨だ。
激しく降り注ぐ、ではない。
なだれ込む雨だ。

夕焼けを楽しむ暇もなく、今度は夜になった。
一日の時間は、やはり違う。

彼のアインシュタイン博士も唱えられている。
「時間は一定ではない。
若い頃はゆっくりで、年を経るに従って速くなる。」

博士、博士、わたしは今、正に体感しておりますぞ!
いや、待て待て。

目だ、これは目だ! 台風の目に間違いない。
黒い雲の切れ間に、真っ青な空がある。
四角という珍しい形の、台風の目だ。

待て待て、今度はなんだ? 
何やら重苦しく感じるのは何故だ? 

黒い雲も青い空も、全てが消え失せた。
深海に居るのかすらも分からない。

ただただ、薄ぼんやりとした…膜…だろうか…
う、うぅむ…
ただ、目が重苦しく感じられる。

うおっ! また激しい雨だ! 
まるで滝の中に入り込んでしまったようだ。

滝壺の深ーい底に、どんどんと沈んでいく。
光も届かぬ、暗ーい滝壺の底に沈んでいく。

「はい、内山さん。無事、終わりましたよ。
ゆっくりで良いですから、起き上がって下さい。」

終わった…の…?


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