昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

蒼い恋慕 ~ブルー・れいでぃ~ (失望)

2010-01-23 12:42:59 | 小説
二階のボックス席を宛がわれた少年は、
彼らの踊りを見下ろしていた。

幾分神経も慣れ始め、耳も騒音と感じなくなっていた。

しかし、思い描いた世界との落差に失望して、
ここに足を踏み入れた理由を忘れてしまった。

少年の上げた手に気付いた黒服が、コーラの注文を受け付けた。

ここには階下の光の洪水はない。

音も階下に比べられば、抑えられている。

この階上は踊り疲れた者たちの休憩場所としての役目を
帯びているようだ。

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