月が、はしる

昨日は、娘を学童保育所に迎えに行った。学童から我が家まで歩いて40分ほどかかる。私と娘は途中スーパーマーケットに寄り道しながら、長い道のりをゆっくりと歩いて帰った。

「今日は、何かおもしろいことあった？」と私。
「あったよー。あのね、今日の授業参観の時に斜め前の平畑君が消しゴムを落としたの。それをわたしが拾ってあげたのね。でも斜め前で手が届かなくって、先生が後ろ向いてる隙に二人とも思いきり手を伸ばして消しゴムを渡したの！授業参観に来ていたお父さんとかお母さんに、みられちゃったよね！」
「そうだね。きっと、見られたね。先生は気がつかなかったの？」
「うん！セーフ」

子どもの話は、面白い。
だって、これが今日一番面白かったことなんだから。すごい。

帰り道、月が出ていた。
ここのところ曇りが続いていて宿題の月の観察ができなかった娘。
「ママ、今日宿題になっていないけど、月の観察やろうかな？」
「それはいい考えだ！」
「でも、宿題じゃないからなー。」
「いいじゃない。明日になったら、また見えないかもよ。宿題じゃないのに月の観察してきたことを先生が怒ったりしたら変だよ。やっちゃえ！」
「そうだね。じゃあ、急いで帰ろう。」

そうして娘は走り出した。
「あ、ママ、月も走ってる！」

娘は嬉しそうに言った。