拓庵思考~妻との日々・映画と音楽の毎日

巴座ホーム社長の私的なつづれ織り【妻にだけ弾くギタリスト 猫6人の父になる】

あ、そうだ。カルフォルニアに行こう! PART1

2023-07-04 12:41:59 | 日記・エッセイ・コラム

2018年8月10日。その夜のビッグAには大谷翔平の姿は無かった。

リトルトーキョーの名前だけ立派な老朽化したホテルにアメリカあるあるのサスペンションがブカブカのバンで迎えに来ると思いきや...まあまあ快適なミニバンだったのでアナハイムまでのフリーウェイドライブですっかり寝落ちした。

 

「パパ着いたよ」エンゼルススタジアムは17時50分を廻っていたがLAの日没は遅い。この日も20時30分をまわっても明るかった。

アナハイムは田舎町の様相。何もない。ディズニーランドも近くにあるが、LAのダウンタウンが東京だとするとアナハイムは埼玉県の東松山から群馬県に入ってくる感じの適度なカントリーサイドである。

妻はMLB観戦が初めてで少しハイテンションでショウヘイグッズを買いまくっている。最近BS放送や有料MLB中継でよく見る入場者プレゼントのエンゼルスOBレジェンドのボブルヘッド人形もしっかり抱きしめながら内野席の上段席での観戦にあいなった。

 

観客席はまさかの最上段の最後方で席の後ろは壁しかない。古い球場はアジア人の足の長さにはつらい階段の高さで、かなりの急こう配で妻は怖がっていた。「パパ!ちょー怖い。ずっこけたら死ぬわー」と笑ったり怖がったりと忙しい。

 

 

このスタジアムで観戦しながら1998年3月のLAドジャース・スタジアムでの野茂英雄の完封試合を思いだしていた。あれは1998年のMLB開幕戦の頃か...「杉本さん今夜、野茂が投げますよ」「え!そうなの!チケット4枚ありますか?」

私は長女、次女、知人の娘さんを連れての4人旅。(長女の中学受験失敗残念旅行)三泊五日のLA旅行でユニバーサル・スタジオ。ディズニーランドやLA観光の最中だった。行く先々で「あなたはお父さんひとりで日本から来たのか!凄い!偉大だ!」と褒めてもらった。

ホテルニューオータニにお迎えのバンが来てワクワクする気持ちでドジャース・スタジアムへと向かった。ドジャース・スタジアムはエンゼルス・スタジアムとは空間や雰囲気が全然違う。当時吉野家もLAに進出していてLAの街中にはYOSHINOYAはポツポツあった。呼び名は【ヨシノヤ・ビーフボール】。タイ米(サフラン米)がいびつな形だけれども、牛肉の味。米の味もすごく美味しく感動すら覚えたものだ....

 

 

その夜のドジャース・スタジアムはとても寒くドジャースのブランケットを買い娘たち三人は、バケツのような大きいドジャース名物のコーラを飲みブルブルと震えながらニコニコ顔で、良くルールのわからないメジャー・リーグ初観戦を楽しんでいた。私はつっかぶりのス裏地がボアのスタジアムジャンパーを買い、それを着込んで娘たちの面倒をみたり、野球解説をしたりと.....とにかく私たち四人は最高に盛り上がっていた。すると後ろや前の席のアメリカ人の夫妻から「あなたは日本人か?」「そうですよ。野茂英雄と同じ日本人ですよ!」と返すと「奥さんはいないのか?」「日本でベイビーと留守番していますよ。東京の近くの群馬プリフェクチャーから来ました。アナハイムとダウンタウンくらいの距離より少し遠い感じ」というと前後席のアメリカ夫婦たちは皆「グレイト!グレイト!」「グッド・ファザーだ!」と興奮気味に語ってくれたっけな.....

その夜、野茂は完封した。もしかしたら完投だったのか....翌朝ホテルのTVでブッシュ大統領が「昨夜のヒデオは良かったね」と言っていた。ロデオドライブでのショッピングの行く先々で昨夜もらったLAドジャースの青のキャップをかぶっている長女・次女たちは「OH! OH!!HIDEO!!(ヒデオ!)」と、ハイタッチされていた。当時、前歯の無い次女はハイタッチの嵐に絶好調になり、ノリに乗っていけない長女は恥ずかしそうにとまどっていた。

野茂英雄はLAのヒーローだった。

 

私が観戦した時、野茂英雄と同じくらい感動したのは恋女房のキャッチャーでスラッガーのマイク・ピアザの特大のホームランだった。すごいスイングだった。大学時代によくNPBを観戦していたのでメジャーの迫力には驚いた。これは娘たちも25年前のことを鮮明に覚えているらしくドジャースタジアムがウェーブで二周して揺れた。WBC準々決勝戦でマイク・ピアザは監督としてイタリアチームをひきいていた。

次女に「お前さ今夜のイタリア戦の監督さ、あの夜ドジャースタジアムでホームランかっとばしたピアッツアだよ。」「え!あの二回ウェーブで立ち上がってしたときの人?」「そうだよ。私あの人のホームラン観た!って自慢しなよ」余談だがその日のLAドジャースの三塁手はウォラック。そう。2023年7月現在大谷翔平の先発時のキャッチャーのウォラック捕手のお父さんである。

 

 

「牛丼食べたよね!」「そうそう」

私たちはTOP DECKで観戦していた。ヨシノヤ・ビーフボールはFIELDエリアにある。その売店は、バックネット真裏で打席が、かなり近く、私は牛丼を食べながら野茂の打席を観ていた。野茂は全く打つ気がなくMLBナショナルリーグはDH(指名打者制)が当時はないので野茂はあの笑わない顔で、ちんたらちんたらスイングしていたのを観た私は大声で「こら~!!ノモ~!!てめー!キンタマあんだろ!しっかり打て~!!」と叫ぶと野茂選手も観客も一斉に私を見たのだ.....ヨシノヤ・ビーフボールを持ったうるさい日本人の私。

旅の恥は掻き捨てなのである.....

 

 

コロナ前の2018年のLAにYOSHINOYAはなかった。

2023WBC JAPAN代表の記録映画の中で大谷選手がホームランを二本打ったあとにベンチで「なんか...盛り上がんなくんね??」と言い山田哲人選手が「みんな引いてんだよ」と言っていたが違うと思う。

エキサイトの仕方や表現力がアメリカ慣れしている大谷選手には静かに感じるだけなのかと....アメリカの歓声は凄い。相手をたたえる単語も多い。「グレートだよ!」「エキサイティングだ!」「月まで飛んだ!」「史上最高だ!」「アメイジングだよ!」とか日常会話なのであり、日本人は近所の奥さんに「おお!なんてグレートなお庭の花だ!最高にアメイジングよ!」とは言わない....

 

私が日本人にウケていないと感じることも、このあたりに関連していると思う。図面とデザインのプレゼン以外に動画やショートムービーを制作してのプレゼン後に私がいつも感じる瞬間だ。『ああ....ウケていないのか....』と心の中でつぶやくとしきり。後日、お客様から「すごく感動しました」「感動して言葉が出ませんでした」とほぼ言われる。正直、その場で話していただいたり、反応してほしいものだが....

 

LAを題材にした住宅もかなり作った。どれも私の自慢の住宅作品だ。【サーファーの住む家】【サンタモニカ】【ヴェニス・ビーチ】【LAダイナー】【サンライズ】【BUZZライト・ガレージ】などがLAを題材したCAFEHOUSE 巴座ホームの作品群だ。興味がある方はCAFEHOUSE 巴座ホームのホームページをのぞいてみてください。野茂英雄の完封試合を観ていた当時小学校4年の次女の手造りのアメイジング!でエキサイティング!でグレート!で、スペキュタクラー!!なホームページです。(笑)

http://cafehouse‐tomoeza.com

 

「ママ。LAに行こう!

ベニスビーチのゴールドジムに行こう。

マッスルビーチでトレーニングしよう。

サンタモニカでロブスターを食べよう。

SONYピクチャーのスタジオに行こう。

ロデオドライブで買い物しよう。」

 

あ、そうだ。カルフォルニアに行こう! PART1  完