拓庵思考~妻との日々・映画と音楽の毎日

巴座ホーム社長の私的なつづれ織り【妻にだけ弾くギタリスト 猫6人の父になる】

小さい手

2015-09-25 11:03:11 | 日記・エッセイ・コラム

小さいピンク色の靴が下駄箱に並んでいる光景に慣れてきた....孫の13.5センチの可愛い靴である....

長女と孫たちは週の大半を我が家で過ごす。だんだんと玄関があふれかえってきた....私と妻だけで相当な靴の量で、おまけにフランスから帰国してから妻も私も足に良い靴を何足か購入した...いよいよ整理に困ったので下駄箱を買い足した。私の現在のお気に入りはMBT社の靴で、すでに4足購入した。パリ市内でも一日中歩いたが..まったく疲れない魔法の靴だ。妻にも今回勧めてみた。妻はかかとが高い靴が好きなのだが、ヨーロッパの石畳対策でついに足に良い靴にトライしてみることになった。アシックス社のpedalaの最新版のスウェード・パンプスとMBT社の合皮のスカラップタイプだ。旅先で何時間も歩くので、足に良い靴はかかせない。

リゲッタ・カヌー社の靴やサンダルも昨年から何足も購入したが、これまたすごくいい靴だ。欠点はサイズが細かく選べない点だ....リゲッタ・カヌー社の靴は全て吉祥寺パルコの地下の専門ショップで購入している。やはり販売員の知識がセレクト・ショップとは比べものにならない。MBT社の靴は玉川高島屋の専門ショップで購入している。MBT社の靴は高価だ。レッド・ウィング社やダナー社の値段と変わらない...が、素晴らしい靴だ。腰痛やひざ痛、かかと痛の人なら特におすすめだ。

玉川高島屋に行くとmizuiro-ind~ミズイロインドにも顔を出す。ナチュラルだが技ありのデザインで妻が今年から着用している。沖縄やパリでもミズロインドの服は活躍した。私は女性がジーンズやスニーカーを履くのを好まない。ミズイロインドも妻はエレガントに着こなしている。ともすれば、すっぴんナチュラルメイクの細い女性がぺったんこの靴を履いてジーンズでコーディネイトすると似合いそうなブランドなのだが妻は、かかとが高い靴と可愛いバッグでさっそうと着こなしていて素敵である.....

で...その玄関にならぶ小さな靴を履く長女の孫娘は小さいながら私の顔色を見るのである....どこか私のことは怖いのか....妻には母親の次くらいに甘えていてワガママもいう。オムツがとれていないが お口が達者でよくしゃべる。私は新生児からお風呂係りのじいちゃんなので、今も孫たち全員をお風呂に入れる。私の顔色をチラチラみる孫娘はお風呂の時だけは楽しそうにしている。だからその孫娘と入浴する所要時間は長い。毎回あきないように趣向もこらすようにしている。入浴剤も何種類も買って演出する。新生児から入れているので孫の成長や身体の変化には私は敏感である。昨日も、その小さい手を見て色々なことを考えた....『孫がいる日常の生活のスイッチを入れ替えた方がいいな....』と....

お風呂入れは我が家のそれなりの神聖なる行事である。私の指示で、妻がひとりひとり私に呼ばれた順番に孫を連れてくる。寝起きで泣いていたり、入りたくないといって泣きわめいているときも容赦なく淡々と躰・髪・顔...という順番で丁寧に洗い、バスタブの中に一緒に入り...妻を呼び...これを三回繰り返す。娘たちは妻からバスタオルごと孫を受け取るので私とは接触はない。私は妻しか浴室には呼ばない。妻がいない時はお風呂には入れない。妻と連携での行為なので私は楽しい。もう少し孫たちが大きくなったら温泉の大浴場に孫全員を連れていくのも やぶさかではない。

シルバー・ウィークの前半は家族サービス(?)娘たちと孫たちと過ごした。仕事がキャンセルになったのでホンダのディーラーに行ってみた。現在、二台のワンボックスがあるのだが二台とも調子が悪くなってきたので、最新鋭の安全装備を掲載したワンボックスやミニバンを検討中だ。私のファーストカーはスバルのアウトバックの最新型だがアイサイトver.3は素晴らしいツールである。安全にお金をかけたことで車選びの価値が変わってきた。現在トヨタはミニバンやワンボックスにアイサイトのような装備は掲載していない。やがては掲載するのだろうが...トヨタという会社にこそ先導してほしかったが....あれだけ高価なアルファード、ベルファイヤ、エクスワイヤーにも掲載していない。フォルクス・ワーゲンンもほぼ全車に掲載したというのに....ホンダはホンダ・センシングという装備をステップ・ワゴン、オデッセイ、ジェイドに掲載した。これは検討する価値がある。

『孫がいる日常』....考えてもみなかったことだった....でも今、現実にそうなっている。孫の保育園や小児科にも車で送っていったし、妻と年中 薬局で紙オムツなどを購入している....妻と帰宅して照明のスイッチを入れていたが、漏れてくる家の灯りと孫たちの声....そして玄関には小さい靴が並んでいるのである....しばらくの間だろうが...週の大半は孫と接する日常が続く。嫌なわけではない。ただ嬉しくもない。ただ現実を受け入れるだけだと思う....私はスイッチを入れてみることにした....考えてもみなかった。孫がしょっちゅう家にいるという生活を受け入れるスイッチを.....

 

昨年も訪れた伊香保の玉樹旅館。新たに完成した新館の和洋室タイプは広いバルコニーと続きで、夫婦でゆっくり入れる露天風呂も併設されている。ベッド・寝具・枕・アメニティー・空間のなにもかもが上質で最高の休日にふさわしく、妻とふたりで心身共にゆっくりした.......。私は趣味の良いカウチタイプのソファーに腰掛けてバルコニーの向こうに広がる山と空の風景を楽しんだ。写真のバルコニーにも外用の大きな長椅子があり、この椅子に長く座っていると秋風が気持ちよかった....のだが、残念ながら階下の宿泊者の喫煙する煙が上がってきたので部屋の中に戻った。年々、煙草の匂いが嫌いになってくる....このブログを開始したときは私も喫煙者だったのに....

玉樹旅館の新館の部屋は素晴らしく...孫たちのおもちゃがない空間は快適そのもので.....昨年、家につくったロマンティックなリビングは今、孫たちのおもちゃや椅子ですっかりムードがなくなっている。私は読書をやめてしばらく物思いにふけってみた。伊香保から眺める雄大な景色が私の五感にしみわたってきた....あと数年もすれば、おもちゃや子供用の椅子もなくなるだろう....妻がよく『子育ては楽しませてもらうもの』と話していたのは自分たちの子供たちのことだった....妻の孫に対峙する姿もまた同じ様に見える....

私はどうだろう....あの可愛らしい小さな手が、いつか大きくはばたく日までちゃんと見守れるのだろうか....

さきほどホンダの営業マンを呼んで、ホンダセンシングを掲載したステップ・ワゴンの見積もりを依頼した。後ろの席のDVDやTVのモニターやカーテンをオプション追加した.....『えッ!お孫さんがいるんですか?!』.....誤解を招かないように云えば、孫がいなければワンボックスは買わないと思う.....

私なりのスイッチの入れ方の証である....

 


ニューヨーク・ニューヨーク

2015-09-18 17:19:36 | 日記・エッセイ・コラム

2013年8月12日に『2015年12月ハリウッドに行く!』と題して私はスター・ウォーズ エピソード7をアメリカ本土でいち早く観る!と宣言した。その後 タイトル『フォースの覚醒』と公開日がアナウンスされた....残念というか....世界同時公開になってしまい...ハリウッドまで観に行く理由がぼけてしまった....

ついにはセブンイレブンには垂れ幕が掲げられ、テレビCMで前売り券まで発売されている。さすがディズニー社だ....ルーカス・フィルムとは営業戦略が違う。...が、しかしだ...私のちょこっと下がった気持ちを自分で上げるべく私は自ら決断した。ハリウッドには行かない。ニューヨークに行くぞ!と...

私は行動が早い。2016年1月1日 私と妻はマンハッタン島に足を踏み入れる。航空チケットとホテルはすでに確保した。2016年の元旦にニューヨークで自由の女神を拝むとする。

亡き父は何回もニューヨークに行った。あけぼの印の漁業会社の海外大型漁船の機関長をしていた父は海の男だった。私が小さい頃、お土産は自由の女神とエンパイアー・ステート・ビルの置物だった。私の机の上はリトル・ニューヨークになっていたものだ....昨日、妻と『キック・アス』を観て笑いころげたがエンパイアー・ビルが映ると気持ちが高揚する...亡き父は大きい船でニューヨークに立ち寄ったのか....私はデルタ航空でニューヨーク入りする。なにやら父を想いだしてしまい別の感情が気持ちを熱くさせている。ヨーロッパの移民の多くが船でニューヨークに渡ってきたという...

もともと自由の女神はフランスから送られたものだ。先だってフランスに行った際にドゴール空港からセーヌ川沿いにホテルに向かう道すがらエッフェル塔と同時に自由の女神が目に入った。ニューヨークの自由の女神と違い、かなりスモールサイズの自由の女神である。ただこれもオリジナルなので、いでたちは『アフロディーテ~ミロのヴィーナス』のような顔だ。ルーブル美術館でヴィーナスのうしろ姿を拝んだ...素晴らしい姿であった。

花の都パリ。漢字で書くと巴里。巴の里か....フランス人はケルト人がルーツである。私は前世は殆んどがケルト人で構成されていると隠居された女性の阿闍梨に言われたことがある。阿闍梨(あじゃり~僧侶で厳しい千日回峰行をこなした先達)様とは仲良しで、三重県菰野町の湯の山温泉にある三岳寺にはよく泊まらせていただいた....お寺のお風呂も源泉で、私は信長に狙われた秘仏が鎮座しているお堂の隣の部屋にもよく泊まらせていただいた....織田信長から僧兵が守ったお寺なので日本のVIPもたくさん来る。名前は言えないが誰でも知っている日本有数の企業のトップがお忍びで阿闍梨さまに相談しているのを見かけたこともある。私は縁あってこの寺に行きついた。「拓ちゃんは愛の伝道師やで...」「しゃば世界で愛を与えんとな...」とよく盛り上げていただいた...単純なので私は愛の伝道師だと今でも自負している。だから恋愛を真面目にしない人間は好まない。

ケルト人は情熱的で恋愛においても熱烈で嫉妬深い....まさに私もそうである。だから妻を情熱的に愛せるが嫉妬深い私は世界一の焼きもちやきでもある。...フランス人がまさにそうで嫉妬するから浮気なんて許されない。当然 離婚率も高い。色の感性もケルト人特有があると思う。私の色の感覚は日本人ばなれしている。

今、このブログを書きながら気が付いたのだが..妻はヨーロッパ人の体型をしている...絵画の『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスのくびれや身体の曲線は酷似している。そして私はケルト人だったのなら...そうか...色の好みといい、女性の好みといい...嫉妬深さや情熱など...がてんがいる。実際に妻を初めてキャンパスで見かけたときにその体型に惚れてしまい。見事なまでのクビレや大きいお尻に一目ぼれしたのであった...

そんな私の好み100点満点の妻が53歳になった。プレゼントは『ベルサイユのばら』の全巻とパリで買えなかったボンボン・ウォッチを銀座の日本代理店から購入しておいた。『ベルサイユのばら』をゆっくり読むためにシルバーウィークの最終日にふたりで温泉宿で読書大会をすることにした。私はニューヨークの本を持っていこうかな....添乗員さんやガイドさんもいないニューヨークの旅は私がプロデュースする。アーティスティックでロマンチックな旅にしたいものだ...『スター・ウォーズ フォースの覚醒』もニューヨークで二回目を鑑賞したい。できれば『スーパーマンVSバットマン』がアメリカ本土での先行上映になっていればいいのだが....スター・ウォーズとぶつけるのは避けて2016年3月公開はアメリカも同じかな...

2017年から建設が始まるディズニーランド・カルフォルニアのスター・ウォーズ・テーマパークにはたいへん期待している。ミレニアム・ファルコン号に乗れるアトラクションなんて...胸がときめく。今後のスター・ウォーズはエピソード8と9とハン・ソロのスピンオフ映画が決定しているのでディズニー社としても早く完成させたいところだろう。完成したら娘たち、孫たち、息子も全員連れて行きたい。娘たちとビバリーヒルズやディズニーランド、ユニバーサルスタジオを訪れたのは随分昔のことだ....当時、ロサンジェルス・ドジャースには野茂がいて娘たちとナイターを観に行った。野茂の全盛期でその日の野茂は最高だった。次の日、娘たちにドジャースのキャップをかぶらせてロデオドライブに繰り出すとハイタッチの連続で「ヒデオ ヒデオ」とアメリカ人が野茂を讃えていた。

よし。娘たち、孫たち全員連れて行こう。すごいツアーだ....

 


ユートピア

2015-09-01 19:30:08 | 日記・エッセイ・コラム

息子は芸人の卵である。

今日も吉本のステージでライブを行っている。残念ながら彼のコンビのライブを観たことがない。たまに家に帰ってくるが、いつもの息子だ....今年の春に息子とふたりで函館に一泊の里帰りをした。

羽田空港に行く道すがら息子が珈琲を呑むことを始めて知った。酒も相当呑む。函館行きの搭乗ギリギリまで展望レストランで息子はイタリアンを食べながらお酒を楽しんでいた。私は、アルコールを何年も呑んでいない....もう一生呑まなくてもよいと思っている。体質に合っていないのか....年々、アルコールが弱くなっている。妻はいくら呑んでも酔わない。子供たちは皆、妻に似たのか皆 酒が強い。

私たち親子は会話がなかった時期はあまり無い。だから息子を里帰りに誘うことには抵抗はなかったが...どちらかといえば妻の勧めでもあった。芸人の卵なのでそれなりに多忙らしく、なかなかスケジュールが合わなかったが 「お前、明日 函館行くか?」という電話に「行く」と二つ返事だった。

ふたりで函館の街を歩いてみたいと思った時期もあったが実現するとは思わなかった。羽田から離陸すると、すぐに息子は景色を楽しんだかと思うと眠りについていた.....その顔はまだ幼く...幼少の頃の横顔の面影が残っていた。 「おい函館だぞ」 飛行機は函館上空を旋回しだした。息子は、またたくまに目覚めて飛行機の窓から眼下に見える函館の街の動画を撮りだした。「函館弾丸旅行の記念のブルーレイつくろうか」と私がいうと「いいねェ」と微笑み....実際 かなりの動画や写真を撮った。

函館空港でレンタカーを借りて実家に帰る道のりを息子に運転させた。今から考えると軽い酒気帯び運転だったと思うが...妻に似てまったく酒臭くないので私も忘れて運転させてしまった....助手席に乗り 息子の運転で味わう函館の漁火通りの景色はなかなかのものだった...

息子には函館に行きたい理由があった。私の母。つまり彼の祖母に大学を辞めて芸人になったことを自分の口で伝えたかったのだ。私の母は息子は大学生だと思っているので 来るたびにお小遣いやお年玉を渡していた....私の知っている母は偏見に満ち、体裁を気にする性格なので 『大学を辞める』とか『芸人になる』とか『離婚する』などというものには嫌な顔をするに違いないと私は確信していた。だから息子に芸人になるために大学を辞めたことを二年もの間、母にいうなと口止めさせていた.....

子供の頃からのイメージは消えるものではない....勉強のできる友達にはめっぽう優しく、学校で評判がよくない親などの同級生が遊びに来ると、はっきり顔に出して冷たくした母であった....いやな想いではまだまだ多々ある.....

妻がはじめて函館に来たときも上から下までジロット冷ややかな目線を送ったのを私は、はっきりと覚えている....妻は髪をブロンドに染めていた。当時は髪を染めるのは不良?といった名残りもあった時代だった....ちょうど松田聖子の傑作アルバム『ユートピア』が発売された夏で...その松田聖子のアルバムのジャケットと妻は同じ髪型だった....函館空港に黄色いワンピースを着て降り立った妻はとても可愛らしく髪の色がブロンドに光っていた......エアコンもない、パワステもないISUZUのピアッツアで迎えに行き、空港で妻を載せると有頂天な気持ちで実家へと向かうと......母から冷たい歓迎をうけた.....その夜 母に想いっきり文句をぶちまけた。「俺が結婚する相手になんだ!!」って感じでかみついたものだ.....懐かしくも苦い思い出だ.....(松田聖子の『ユートピア』のハイレゾ版はダウンロードしていないが松原正樹や吉川忠英、鈴木茂のギターを聴きたいからダウンロードしてみようかな.....『赤い靴のバレリーナ』なんかハイレゾ版で聴いたら鳥肌がたつかも......)

昨年、秋に『かぼちゃのおしるこ』というブログを書いた。妻と函館にいった時の話しだ。そのブログの母は妻の送ったスカーフやバッグや洋服に全身身を包み....楽しそうだった...という内容だったが....妻いわく『息子が行くのが一番。 嫁だの孫が行っても喜ばないわよ...』 まあ....ごもっともだと思う。

ただ息子にとって私の母は特別な存在らしく「ふたりっきりにしてほしい」との息子の要望で私は懐かしい函館の産業道路に繰り出し、ヤマダ電機函館店にテレビやブルーレイのデッキを買いに出かけた。母に綺麗な画像の動画や写真を観てほしいので最新型の50インチテレビとブルーレイ・プレイヤーを購入してプレゼントした。会社から動画編集用のパソコンを持って行って何本か母にその場で作って渡した。その後も私の孫たちの動画を編集して定期的に送っているが母はたいへん喜んでくれている。

息子は芸人なったことを告白したらしい....詳細はあえて聞いていない。「がんばりなさい」と笑顔で言われたらしい....私の考えすぎだったのか....いや....人間は簡単にかわるものではない....孫が函館まで行って「ばば....話しがあるんだ...」と言われ...ぐっときたのだろう...

長女の離婚に関しても、私は母に何年振りで手紙をしたためた。内容は『善いお婆ちゃんでいたいなら 口を出すな。黙って見守れ』というものだった。母は「心配して夜も眠れない」が口癖だった....その割には昼間によく寝てるのだが.....そんなことを言われたくないので転ばぬ先の杖をついてみた。

函館の街を息子と旅した。楽しかったのかといわれれば....妻と旅するときほど自分の気持ちは高揚しないのだが...いい思い出になったと思う...

私の息子は芸人の卵である.....