萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

文学閑話:ある小説譚×織布の戀

2014-05-29 23:40:00 | 文学閑話散文系
時の交錯



文学閑話:ある小説譚×織布の戀

あんまり恋愛テーマの小説って読んでいないんですけど、
高橋治が書いたものは好みなのが多いです、これも友達に勧められた一冊から入ったんですが。
たまに書評で不倫文学とか書かれちゃってる高橋治ですけど、アアイウ評価は浅い読み方してるな思います。

『風の盆恋歌』

文庫本だと厚み1cmくらい、でも分厚い物語です。
純愛小説を一つ挙げろって言われたらコレが自分にとって最高だよって言います、笑
なぜかって言うと本人たちの想いはもちろん、周囲の人々が感情の体温を持って描かれてるからです。

越中八尾の町並から自然の美、精霊踊り「風の盆」に繋がれる人の心、それから現実を生きた時間の鎖と自由。
そういうカンジのもんが描かれているんですけど、内面から情景の描写までリアルで綺麗です。
ホンモノの純文学でありながら物語文学でもある、そんな佳品です。

酔芙蓉

時の経過ごと色が変わる花です、
この花が舞台になる家の庭に植えられています、物語の象徴的です。
こういう花の描写から全てが細やか、だけど男性作者らしい潔さが綺麗です。

で、もし読まれるのなら一人の時がおススメです。
個人差はありますが号泣しちゃう率が割と高めなので、笑

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚106

2014-05-29 01:04:02 | 雑談寓話
いまナントナク見た画像で大笑いしました、
じいちゃんが山で犬を拾ってきたと言い張るってヤツでしたけど、笑
で、バナー押して下さる方いらしゃるので続きまた書きます、楽しんでもらえてたら嬉しいんですけど



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚106

7月連休最終日、朝から御曹司クンとファミレスのモーニング食べて、
いつも通りな会話=試験勉強やら本やらアレコレ笑って、横浜駅まで同じ電車だったから一緒に降りて、
で、別れ際のコンコースで御曹司クンが言った、

「あのさー…またこういうのって一緒してくれんの?」

未遂の件で心配してるんだろな?
って顔に笑ってやった、

「勝手されるの嫌だから考えとくね、笑」
「っ、…」

言いかけて呑みこんだ、その台詞もう解かる気がした。
前なら言ってた言葉を今もう言えない、そんな途惑いのまんま御曹司クンは口開いた。

「ごめん、おまえは違うってあんだけ言ってたのに俺、さー…理性あんとき跳んでた、寝顔うれしくって、」

こんなこと言われるのってどうなんだ?笑

ここまでストレートに言ってくれた相手は前に居たっけか、
そんなこと考えながら笑った、

「おまえマゾの癖にオオカミクンだよね、坊ちゃんクンにも好き勝手してたみたいだしさ、ねえ?」
「っ…今日は何も言い返せねえ俺、拗×凹」

なんて凹んだ御曹司クンの貌は相変わらずカワイイ=オオカミな空気は希薄で、
そんな貌に思ったまんま言ってやった、

「ホント人って見た目によらないね、ヤられ側のMなクセにチャレジャーなんてさ、ねえ?笑」

ほんとチャレンジャーだなって思う、笑
で、言われた相手は顔上げてヤヤ大きい声出した、

「俺だってホント決意してやったんだってば、寝顔にフラってきたのホントだけどでもイイカゲンな気持ちじゃねえしっ、」

休日早朝の駅って空いてて助かるよね?笑

なんて感想に笑っちゃったコンコースは人も少なくて、だから余計に声が響いた、
おかげで道行く人には振り返られたけど絶対数は少ない、そんな状況に笑いながら言った、

「こっちもイイカゲンな気持ちで断ってるわけじゃないよ?笑」

イイカゲンにしたい相手だったら他に方法がある。
放置してもいい利用することだって出来る、でもしたくない、要するに離れたいと思っていなかった。
今日みたいなメンドウなことになるくらい予想していなかった訳じゃない、それでも一緒に夜明かしなんかしちゃった相手は凹んだ。

「なあ…やっぱバイとかって信用ならねえ?浮気しやすそーとか…それとも変態ぽいとか、さー…」

やっぱりそう思っちゃうんだろな?って思った。
御曹司クンは男にも女にも恋をする、恋愛対象360度だから「浮気しやすそー」は事実だろう、笑
だけど問題はそこじゃない、そう何度も言ってるのに解かってくれない凹み顔に笑ってやった、

「おまえがバイじゃなくても自分は恋愛しないよ、理由は昨夜も言ったろ?ちゃんと理解して踏み越えんなよ、じゃ、笑」

とりあえず今日は解散しよう、って思って私鉄乗換の改札に向かって、
そしたら御曹司クンまで改札出たからちょっと驚いた、

「おまえJRだろ?なに改札出ちゃってんの、笑」
「そっちの改札まで送る、」

なんて言われて、本音なんだか切なかった。
まだ離れたくないって言葉とコッチ見てくる目が縋るみたい、そんな孤独が哀しかった。

ほんと家に帰りたくないんだな?

それは自分と一緒にいたいと言うよりも孤独に帰りたくない。
家に帰っても両親と何話すわけでもない、食卓が愉しいわけじゃない、そんな御曹司クンの生活が今も見える。
それなり立派な家で立派な両親たちで何不自由なく育ったはず、それでも孤独が不自由な相手だからこそ笑って言ってやった、

「改札の中にはついてこないでね?笑」

このまま家まで来られても困るしさ?
だってコッチは独り暮らし、一緒に来られたら何されるか解かんない、笑

って台詞は声に出さないまんま笑ったら御曹司クン拗ねた、笑

「っ、あ、疑ってるだろ?俺がついてきたら困るとか思ってるだろ、だからしないって言ってんのにもーー拗」
「前科つくっちゃったクセにエバるな、笑」
「でも未遂だもんねっ、拗」

とか言いながら駅のなか歩いて、で、訊いてやった、

「こっちが目を覚まさなかったら既遂にしてたんじゃないの?ホント信用ならないねえ、笑」

言いながら正直やっぱり困るなって想ってた、
キスくらい減るもんじゃ無いとは思う、でもやった結果が困る。

キスしたら次もって求めたくなるんだろな?

そういう定石みたいなの解かるから踏み越えないでほしかった、
踏み越えたら一緒にいられない、きっと感情の違いが大きくなり過ぎる、だから今のまま気楽でいたかった。
どんなに踏み越えられても自分は変わらない、そう解ってるから触れられたくない本音に御曹司クンは言ってくれた。

「だからごめん、もう絶対勝手なことしないから…また一緒する約束してよ、でないと帰れない俺…」

帰れない、そう言いながらコッチ見てくる貌は犬っぽかった。
捨てられそうな犬or買物待たされ外に繋がれる犬、そういう置き去りにしないでって貌。
そういう貌は哀しくさせられる、で、そういう貌してしまう御曹司クンが哀しかったけど笑ってやった、

「一緒にいたくなるオマエになったらね、笑」

一緒にいたいなら一緒にいたくさせてくれたらいい。
そう思ったまんま言ったら笑ってくれた、

「あとでメールするなっ、気をつけて帰れよーまたなっ、」

またな、って笑って改札前で離れて、
そんな笑顔に笑って改札抜けて電車に乗って、そしたらメール1通入ってた。

大学の友達からだった。


とりあえずココで一旦切りますけどまだ続きます、気が向いたら続篇また。
第76話「総設1」加筆校正もうちょっとします、たぶんこの後にでも。

深夜に取り急ぎ、



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