快読日記

日々の読書記録

「大きな森の小さな家 大草原の小さな家1」ローラ・インガルス・ワイルダー

2013年10月23日 | 翻訳小説
《10/22読了 こだまともこ・渡辺南都子/訳 講談社文庫 1988年刊 【翻訳小説 アメリカ】 Laura Ingalls Wilder(1867~1957)》

理想のお父さんというと、インガルス家のチャールズ、「大地の子」の中国人養父、そしてソフトバンクの犬が思い浮かびます。
チャールズが、というよりマイケル・ランドンが好きなんですが。
本物のチャールズは、顔の下半分が豊かなひげで覆われていること以外はだいたいドラマのイメージに近い。
(ドラマではもふもふした犬だったジャックはぶちのブルドックでした)
そして、とにかく四六時中何かを作っているのがいい。
銃弾も手作り、動物を仕留めて毛皮を剥ぎ、肉を燻製にし、ハム、チーズ、バター、パンはもちろん、洋服やままごとの人形まで作る。
かえで糖に始まり、煮詰めたかぼちゃ、キャベツと肉のなべ、皮を剥いたとうもろこしなど、おいしいものもたくさんでてきます。
さまざまなものを作る描写が具体的で、なおかつさっぱりした表現なので、読んでいて心地よい。
パンひとつ食べるにもこれだけの労力と感動がある。
なんだかうらやましい。
彼らに比べたらわたしの毎日は生産性ゼロだ。

「秋には、たのしいことがいっぱいあった。やらなければならない仕事はどっさり、おいしい食べものもどっさり、新しい見ものもどっさり。ローラは朝から晩まで、りすのようにちょこまかうごき、ぺちゃくちゃと、おしゃべりのしどおしだった」(186p)

「ローラは、胸の中でつぶやいた。
「これが、いまなんだわ」
ローラは、いごこちのいい家や、父さんや母さん、そして、暖炉の火や音楽がいまなのが、うれしかった。きっと、いつまでもわすれない、と、ローラは思った。だって、いまはいまなんだもの。遠いむかしのことになんて、なるはずがないわ、と」(200p)

/「大きな森の小さな家 大草原の小さな家1」ローラ・インガルス・ワイルダー