快読日記

日々の読書記録

再読『週末、森で』益田ミリ

2016年01月02日 | 漫画とそれに関するもの
1月1日(金)

処分予定本を詰めた箱の中の『週末、森で』(益田ミリ/幻冬舎)を開く。
益田ミリ、エッセイはイマイチ好きになれなかったけど、漫画作品はついつい読んでしまう。
絵がかわいいせいか。

『週末、森で』は早川さんという登場人物が“いかにもいいことを言う”のが鼻につく一方、トイレの相田みつをのように心のスキマにスッと入り込む変な力は確かにあると思う。
ところどころで「なるほど~」とうなずき、でも、やっぱり何か決定的に受け付けないものを感じて箱に戻す。
自分は何に引っ掛かっているのかなあ。

達観したかに見える早川さんに比べて、友達2人(せっちゃん マユミちゃん)の職場や日常でのイライラ・不満は手に取るように分かる。
わたしはこういうとき、その不快な相手にはっきり言ってしまう(結果嫌われる)タイプだったのに、年をとってからはうま~く避ける方法をとるようになった。
ギスギス摩擦する体力がなくなった証拠だ。
そういうのを「知恵」というのかもしれない。
「考え方を変えてみる」「視点を変えてみる」というのがそれだ。
そして、早川さんの「格言」のほとんどもそれだ。
だけど本当にそれでいいのかな、とたまに思う。
そうやって自分をうまく言いくるめて逃がすのってどうなの。
独りよがりな上に卑怯なのではないか。

結局、わたしが早川さんに抱く「嫌な感じ」は、そういう「自己欺瞞」に対する「自己嫌悪」なんだろうなあ、というところまで考えて就寝。


そろそろ濃いものが読みたくなってくる。