快読日記

日々の読書記録

「三人暮らし」群ようこ

2013年10月25日 | 日本の小説
《8/27読了 角川文庫 2012年刊(単行本は2009年 角川書店刊) 【日本の小説 短編集】 むれ・ようこ(1954~)》

収録作品:うちの大黒柱/二人のムスメ/三人で一人分/異物/母の友だち/リストラ姉妹/噂の三人/バラの香り/友だちではない/蛍姉妹

20代OL友達同士、母と高校生の娘とその同級生、70代後半の元“職業婦人”たち、一人暮らしの姉の部屋に転がり込んだ妹とその幼い娘などなど、さまざまな「女三人暮らし」を描いた短編集。

生活の描写が細部までリアルなのと、ひとりひとりの書き分けがうまい(どの人物も目に浮かぶよう)のとで、名人芸をみるような1冊。

一番好きなのは「バラの香り」。
これは2人のおばあさんと若い女の子という組み合わせで、それぞれの気遣いや遠慮と人恋しさの混ざり加減が絶妙で、老人が若い人に寄せる思いがきゅんきゅんくる佳作です。おすすめ。

/「三人暮らし」群ようこ