快読日記

日々の読書記録

「子連れ狼」小池一夫 小島剛夕

2011年08月30日 | 漫画とそれに関するもの
《8/28読了 新装幀改訂版・全14巻 双葉社 1982,1983年刊 【漫画】》

これを読んでいる途中(6巻めあたりか)、あまりに大五郎が好きになり過ぎて、興奮のあまり夜中に目覚めてしまうという事件が起き(多少の地震でも起きないわたしなのに)、
臨時の脳内会議が開かれた結果「3日間大五郎禁止」と「子連れ狼1冊読んだら必ず他の本を読んでクールダウンする」というおふれが出たため、全巻読破がちょっと遅くなりました。

それはさておき、
「子連れ狼」の主人公って、拝一刀ではなく、拝大五郎なんです、たぶん。
ストーリーに占める大五郎の重要性はもちろんですが、小島剛夕の描く大五郎がもう「生き生きとしている」というレベルを超え、まさに「生きている」し、そこに注がれる情(じょう)みたいなものが、読み手を巻き込まむほどの熱を持っている。ああ幸せ。
この「愛情」と「画力」が、拝大五郎という架空の人物に「生命」を与えています。
本当にこの絵はすごい。
一刀が闘う場面では、絵が動いて見えたし、大五郎の表情だけで、その声が聞こえてきたような気がするし、一刀が我が子を抱き上げる度にその重みを実感します。

…熱く語りすぎ?

途中から憎まれ役として登場する将軍の毒味役も最高です。
拝親子、柳生烈堂という「すごすぎる3人」に対抗して、リアルな人間というポジションを一手に引き受けたような愚かさ、滑稽さ、悲しさ。
この人がいなかったら、「子連れ狼」のおもしろさは半減したかもしれません。


北大路欣也版『子連れ狼』のDVD化を望む(夢と希望と笑いと涙の英語塾)


/「子連れ狼」小池一夫 小島剛夕
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