快読日記

日々の読書記録

読了『「ベルサイユのばら」 その謎と真実』池田理代子/監修

2016年02月06日 | 漫画とそれに関するもの
2月5日(金)

図書館で見かけたこの『「ベルサイユのばら」 その謎と真実』(池田理代子/監修 JTB)が2002年刊(!)だったのに驚いて借りた。
21世紀になっても関連本がでるなんて。

で、読んでみた。
「磯野家の謎」系な本であることは確か。
作品自体から徹底的に読み解きたい、という本。
でも、普通その手の本で結局突き当たっちゃうのが“制作側はそこまで考えていない”っていう“作品そのものの綻び”で、たいていは“そりゃそうだ~”という軽いがっかりとともに本を閉じることになる。
ところが、この本はそういうところがない。
「ベルサイユのばら」が徹底的に作り込まれ、史実とフィクションがうま~く練り込まれた傑作であるという証拠だと思った。

それを弱冠23歳くらいで書き上げた池田理代子って本当にすごい!っていうことを再認識させる本だった。

キャラクターの分析では、デュ・バリー夫人(実在してた)の話が印象的。
ちょっと同情する。
男性キャラ分析では、アランがとりあげられていなかった。
ベルばら男性登場人物の中で、一番市井の感覚を持った常識人で、なおかつワイルドなアランなのに。
ジェローデルの項だってあるのに!